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ミラーレス一眼を買っちまった


ことのはじまり

ミラーレス、その存在はずっと認知していたし、何も昨日今日知ってとても驚いたというモノではない。ただ、筆者は何の所以か、小さいデジカメから始まり、一眼レフへの辿る道は大体PENTAXだった。
一度使えばブランドに愛着というのは湧くもので、気が付けば身の回りには何かしらPENTAXのカメラがあった。

たったここまででもうお気づきの人は
「さてはミラーレス買いたくてもPENTAX になくて足踏みしてたな」
と予想がつくだろう。その通りすぎて何も言えない。そうなんです。そう。

ミラーレスはついこの前出てきたようなイメージでいたら、既に市場としては10年以上になるらしい、何にでも歴史はあるものだ。
PENTAXがミラーレスはやらん!としてレフ機に注力すると言ってのけたのも結構前の話になりつつある。
PENTAXがやらん!ってことで、PENTAX製のミラーレス機種はK-01以降その系譜が止まってしまった。そんなPENTAXのレフ機 is GOD宣言を知ってか知らずかニコンやキャノンをはじめ、ソニーやら富士フイルムやらとミラーレス市場は大変盛り上がっている。

そしてまるでPENTAXのケツイとは逆で、他所はレフ機をやめてミラーレスに開発資源を集中するってんで、ニコンはもうやめてるし、キャノンもそのうちレフ機やめるってさ!!!!!!!!!!!

で、かれこれ7年ぐらいK-S2を使って来ていて、単焦点レンズの楽しさなんかも教えて貰い、一眼レフの楽しみかたをK-S2には沢山教えて貰った。愛車のV7IIの写真もウン万枚と撮影し、8万円代後半で買ったK-S2はしっかり元取ったように思う。

ただ、途中でK-S2の持病とも言われる黒死病が発病、黒死病は絞り制御に不具合が生じ、撮った写真が大体真っ暗になるやつ。名前つけた人のセンスが光りすぎてるなって思う。

そんな黒死病を一度修理したけれど、再発のリスクがあるってんで、7年使ったしそろそろボディを変えようかなぁと思っていた。


ミラーレスが欲しくなったワケ

それこそ最初は、K-S2で買ったレンズがそのまま使えるやつにしよーっという至極単純な理由で、PENTAXのレフ機を物色していた。レフ機しかねーんだけどよ。
KFやらK-3 MarkIIIなんかを見ては、20万ちょっとまでなら出してもいいか‥‥なんて考えてモンモンとしていた。

だが、自分のカメラの用途を思い返すと、ツーリングに持っていきバイクの写真を撮るのがほぼ目的。K-S2はその役目を立派に果たしてきた。だが、少しばかり重量が嵩む。smc PENTAX-DA L 50-200mmF4-5.6ED WRあたりを持っていくと結構重くて、一日バイクで走っていると肩にその重みがズシリと来る。そして最近ではレンズも軽くて発色も良いDA35mmF2.4ALばかりつけて出かけていた。

そこで改めて考え直したのは、PENTAXのレフ機に代替えしても手回り品総重量の軽量化にはあまり貢献しないという点。K-S2はバッテリーやSDカード込みで約678gあり、これにレンズがくっつくと重いのも納得。
そしてそれはKFにしても大きな改善は無く、K-3 MarkIIIでは更に悪化するのは明白だった。

そしてミラーレスを何機か見てみると、大体どこも100gはK-S2より軽い。バッテリーとSDカード込みの同条件で大体それぐらい軽く収まる。
無論、それに単焦点レンズなんかを合わせると、K-S2のボディ単体重量以下に収まることも夢ではないあたりに大分グラッときた。

気が付けば、ミラーレスいいかも‥‥とヨドバシカメラのサイトをウロウロする始末。そして以前から、ほんの少し頭の片隅で気になっていたあのメーカーの存在感が急に増し始める。


富士フイルムはいいぞ

実を言うと、カメラ好きな割に、あんまりニコンやキャノンがどういうメーカーでどういう強みがあるのかあまり理解していない。ソニーも然りで、オリンパスもそう。ライカやハッセルブラッドについては全然頭の中にモデルすら出てこず。ちびまる子ちゃんのたまちゃんのお父さんのカメラの域を出ない。
なんとなく使っていたPENTAXも変わり者が選ぶだの、変人とか奇人とかそういうオートバイのスズキを揶揄したスズ菌ジョークみたいな、おふざけネタとして扱われる側面ぐらいしか知らなかった。

Googleで検索しても"PENTAX やめておけ"みたなサジェスト検索が表示されるのが割りと可哀そうだなとさえ思う。AC6のスッラじゃないんだから‥‥

ただ、カメラ趣味のもっとずっとちゃーんとやっている知り合いのおじ様に尋ねると、やっぱりPENTAXは色が良いんだ。という。
筆者が乗っているオートバイのタンクの色が黄色なので、発色が鮮やかなのは大事、そうか発色が良いのか。と認識が新たにアップデートされたが、正直K-S2しか一眼レフを使ったことが無く、他社の同クラスを触る機会もまずまず無いため、どの辺がどう発色が良いのかは曖昧なままだった。

だがそれからというもの、一つのポイントとして発色の良さは気になる部分であった。高い金を出して買った新しいボディが、なんか思ってたんと違う。みたいな色で写って出てくると、撮った後が色々大変だ。
そこで、Twitterに"ミラーレスほちいお‥‥"みたいな呟きを投げた所、バイカー伝いに"今あなたの脳内に直接呼びかけています‥‥富士フイルムのX-T5はいいぞ"と沼から声が聞こえてきた。

どれどれと色々調べると、どうやら富士フイルムもフィルムシミュレーションをはじめとした色については一家言ある様子。気になると止まらないもので、ヨドバシカメラの実店舗に出向き実機を触るとこれまた悪くないどころかいいじゃんこれ!という感触。
富士フイルムのセールス担当の人には"PENTAXからのウチですか!是非!色味には自信あります!"とか言われちゃうし、正直その瞬間に在庫有れば買ってるぐらいだった。


モノ売るってレベルじゃn(ry

欲しいと思った富士フイルムのX-T5だけれど、そう思った時には絶賛品薄中でメーカーからもちょっと待って~!とお達しが出てたぐらい、ミラーレスでも特に人気らしくすぐポチったら手元に来るという状態ではなかった。

ボディ単体はその後でメーカーから受注再開が早い段階で出てきたけれど、フジノンレンズやシグマなどのレンズ資産が一切無い筆者にとっては、レンズキットの受注再開を待ちたく、しばらく情報を漁る日々が続いた。

うぉぉぉぉ!!欲しいぃぃ!という気持ちは時間が経つとやや冷静になるもので、当初は20万円前後で予算を見ていたが、X-T5は受注再開を期に値上げがされ、レンズキットともあれば想定よりも大幅に予算を天元突破するのは予想に難しくなかった。

30万円もするカメラ買っていいのだろうか、バイクに乗ってバイクの写真撮るぐらいが精々じゃないか‥‥うーん、うーん、うーんとしばらく悩んだ。
ただ、K-S2を7年間使い、カメラがあることで困ることは無く、逆にあって良かったと思うことが多かった。
昨今、スマホでも十分綺麗な写真は撮れるし、何もわざわざ一眼なんて。という声も聞こえてくる。
そういう意見もまぁ一理あるよねとも思うが、それでも、カメラを構えて写真を撮っていると趣味してるな~という実感が案外心地よいものだ。

そして、今後も長く使っていくならば、ステップアップと称して奮発し、良いモノを買ってもいいじゃないか!と思う肯定的な自分も居た。故にそこそこ悩んだのである。


イキオイ ダイジ

そしてこの2月、実をいうとちょっとした国家資格を受験しておりその結果発表があった。過去2年間連続でチョンボしてしまい無様な結果だったが、今年はようやく突破に成功した。
昨今あるあるのWebサイトで合否をチェックできるのだが、やっぱりちょっとした国家資格とはいえ、確認する際には少し緊張する。筆者はこの手の確認が一番苦手で、割と呼吸が乱れる。ミスファイア起こしそうなぐらいに。
ドキドキしたまま時間が経過するのは何よりも避けたく、さっさと見て現実を受け入れたいタイプだ。

そして先述の通り、今年はようやく受かった訳で、ホッとしたのだが手はやや震えが残ったまま気が付くとヨドバシカメラのサイトで震える手がX-T5のレンズキットをポチっていた。

は?

どうやら2月に入り、レンズキットも受注再開していたようで、お値段は約36.8万円、どう考えても予算オーバーです本当にありがとうございました。
まぁ自分にご褒美と言えば聞こえはいいが、たっけぇ買い物しちゃった‥‥としばらく布団に潜って震えていた。


買って良かったX-T5

衝動買いというかなんというか、もう買っちまったもんはしょうがねぇぜ!!と開き直り、X-T5を手にしたここ数週間。明らかに変わったことが一つある。

バイク以外も撮るようになったことだ。

K-S2の時はあくまでも、バイクでツーリングやお気に入りの場所に出向いて、バイクを撮ることしか考えていなかった。少しぐらい風景を撮ることもあったけど、もっぱらバリアングル液晶モニタを開いて、グランツーリスモでもやってるかのように写真を撮ることが多かった。
視野率約100%光学ファインダーがウリだというのに、あんまりファインダーを覗いて撮影はしていなかった。なんだか勿体ない話である。

だけれど、X-T5を買ってからは、なぜかよくわからないがファインダーを覗いて写真を撮るようになった。この点はなんでか説明が自分でも上手くできない。K-S2みたいにボディ外側へ液晶が開かないのもあってか、ファインダーを覗いた方が早いと感じているかもしれない。

ともかく、写欲の高まりからX-T5を持ち出しては、見知らぬ街の駅で降りて、2時間~3時間ほど練り歩いて気になった物を撮影する。というような運用をここ最近は続けており、カメラとの付き合い方が変わったように感じている。


X-T5で撮った写真

夕焼けを背にする愛車V7IIストーン
明治神宮を練り歩き
河津桜がポツポツと
2月だというのに夏っぽい雲
両国国技館近くのガード下で
雨降る庭園の水辺を切り取る
花壇をローアングルで
平成一桁頃の雰囲気を感じる

ザッと掲載したが、ここ数週間で撮ってきた写真だ。初めてバイク以外にも色々撮影するのが楽しい。という気持ちを噛み締めており、特にフィルムシミュレーションでその時その時の雰囲気や感覚をパッと切り替えることが出来るのが堪らなく楽しい。
ビビットに撮ってみたい、モノクロで撮ってみたい、セピアな気分、ブリーチバイパスで攻めたい等、色々試してみては試行錯誤をスピーディーにできる良さが肌に合っている。


X-T5はいいぞ

もし、ここまで読んでくれた人の中にX-T5を悩んでいる人がいたら、是非買って欲しい。いや、ほんとに、騙されたと思って30万もって電気屋さん行ってきて!ボディだけでもいいから!
実際持つと楽しいし、30万もするボディ買うと、頭の金銭感覚がバグってなんかカメラ関係の色んなアイテムが交換レンズなんかも含めて

あれ?これ買えるんじゃないか?

と、重症にも似た錯覚というか勘違いをするようになり、財布の紐を締めなおして100N・mぐらいでキツくトルク管理しておかないと多分緩む、危ない。
筆者もすでに神レンズと名高いXF35mmF1.4 Rが欲しい。お値段がヨドバシカメラで現在(2024年2月27日時点)で9.46万円というお値段だ。K-S2の頃は交換レンズで5万とか6万なんて無理無理ムルシエラゴって思っていたのに、今はそんなほぼ10万円もする替えレンズを見ても、なんだか行けそうな気がしてしまっておりレンズ沼に両足が埋まり始めているような気がする。

K-S2の頃はちゃんと冷静で自分の立ち位置というものがよくわかっていたのに、X-T5を買ったら急にこのザマである。だが交換レンズ買う買わないで悩んでるのも楽しいので、しばらくこの楽しい時間は続きそうだ。

これからの春、X-T5をもってもっとあちこち行ってみたい。バイクでクルマで歩きで電車で、まだまだシャッターを切り足りないので今年は尚のこと季節の移ろいが楽しみだ。

尚、K-S2に関しては手放さず手元に持っておくつもりだ。X-T5を触ったあとでK-S2を触るとこれもまた実は良かったのだなと再確認した次第。ガシャガシャとメカニカルなのが良く、シーンによってはK-S2を活用せねばと思っている。

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