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Loupedeck CT試用してみた(江崎 広訓)

Facebookの「ネット配信部」木村様より、Loupedeck CTを試用する機会をいただきました。私の正直な感想を書きたいとおもいます。

個人的にも前々から注目していた製品であり、各種MIDIコントローラを始めとしたプログラマブルコントローラをいろいろと渡り歩いているなかでも気になっている製品でした。

音響(PA)・レコーディング・照明・映像などを業務で行っているなかで、なるべく自分の手間を減らすことが時間の短縮につながり、その結果作業に掛けられる時間が増えることで、全体のクオリティを上げていくことにつながると思っています。その中で、入力デバイスの効率化は、非常に大きなウェイトを占めていると思います。

編集作業で使用してみて

まず、開封して高級感あふれる箱に収められた本体とUSBケーブルは、Apple製品を開けたときのようなワクワク感を感じされられました。

適度に重みのある本体は、操作するときに動くようなこともなく、快適に設置ができました。
本体が割と薄めに作られており、MacBook Proなどと並べたときの一体感が出るサイズ感でした。ノート1台で作業するようなときは、この一体感は非常に嬉しいところです。

しかし他のキーボードなどと並べたときには一段低く感じられ、本体が傾斜していないため、奥側が低く感じることもありました。

奥のディスプレイボタンは、タッチディスプレイになっており、Stream Deckなどをつかっていると、若干違和感を感じるかもしれません。反応はとてもよく、スワイプでページが変えられるのは便利だとおもいます。しかし、本体が傾斜していないぶん、奥側の画面が見にくく感じました。

使ってみて一番感じたことは、なんといっても文字が小さい!明るい室内でも目を凝らして見ないといけない感じがしました。これは、ソフトウェアで解決する問題だと思いますので、今後に期待するところです。StreamDeckのような大きな文字表示が可能だと嬉しいですね。

センターのジョグダイヤルについては、やや軽い印象があります。これも、DaVinci Resolve Speed Editorや、DAWのコントロールにつかっているBehringer X-Touchなどのジョグダイヤルと比較した印象です。左手スクロールデバイスなどと変わらない回し心地ですので、そういう用途ではちょうどよい感じがしました。

ジョグダイヤルの真ん中がボタンになっていて、機能切り替えが可能なのはとても作業効率があがります。画面にもなっているので、今の機能がひと目で分かるのも嬉しいところです。とくに、±1フレームと±10フレームなどが切り替えられるのは、とても便利でした。

ただ、傾斜していない本体の奥のボタンに対してジョグが盛り上がっているので、どうしても触っていないのに手が当たるようなことが多々有りました。作業フォームの問題で解決できることではありますが、常にボタンに手をかける作業スタイルには不向きに感じました。

ボタンの押し心地ですが、MacBook Proのキーボードを深くしたような感じのボタンで、快適な押し心地です。MacBook Proに並べたときに違和感なく作業することができそうです。私の作業環境ですと、RealForceキーボードとDaVinci Resolve Speed Editorが並べているので、それと比べるとどうしても軽い押し心地には感じました。

舞台の現場で使ってみた

ちょうど、お芝居の現場がありましたので、実戦投入してみました。

LoupedeckをType-CケーブルでMacBook Proに接続し、Qlab4をコントロールします。LoupedeckからはMIDI信号を出すように設定しました。

Fnキーがあり、機能が2つ設定できるのは、少ないボタンでも効率よく使えて良いと思います。

本当ですと、Prev/Nextをジョグダイヤルにして選択をしたかったのですが、ジョグダイヤルの動きに対してMIDIの値が1つしか割り当てられなかったので、都合良く使うことができませんでした。
左右で別のMIDIを出すことができるか、あるいは、右で+1、左で-1の連続値を出し続けるといろいろな使い勝手が広がりそうです。このあたりもファームウェアで追加できると嬉しいですね。

せっかくの画面付きデバイスですが、画面はあまり有効に活用できませんでした。OSCかなにか、更新可能な情報が送り込めるとより有効に活用できそうです。(実行中のキューの情報を表示するなどできると嬉しい!)

MacBook自体の明るさをコントロールできるのがとても便利です。
芝居の本番中は手元の光量が常に変化しますので、手元で画面の明るさを変えられるのは非常に助かりました。

ただ、残念なことに(これは私の特殊な環境の問題ですが)本体が明るすぎるのです。芝居の本番で使うにはちょっと厳しい感じでした。今回はド暗転がありませんでしたので大丈夫でしたが、私としてはもっと暗くなってほしいところです。Macの画面のように可変だととても助かるところです。

さらにいえば、ボタンの音が気になります。MacBookのようなカタカタというような音がするので、静かなシーンでは気を使いました。

総合的には良いデバイス

トータルで見ると非常に良い製品だと思いました。すこしためらう価格設定ではありますが、高級感ある本体と画面をみると、お値段分の価値はあるなと思いました。

作業が捗ること間違いなしです。


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