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組織枠で参加して、それぞれが得たもの|レベルフォーデザイン(東京)

LIVE DESIGN School の23年度メンバー同士が、根掘り葉掘りするインタビュー企画! 各地で活動するメンバーたちが日々考えていること、そして、LDSの参加を経て見えてきた展望とは...?

プロフィール
 
東京・渋谷を基点としたブランディングデザイン会社で、創業以来26年にわたり800社以上のブランディング活動をサポート。5年ほど前から地域ブランディングにも力を入れはじめ、東京をメイン拠点にデザインの力で全国各地の地域のお手伝いも。現在は、島根県益田市、愛媛県鬼北町にも支社を設置し活動を広げる。
 会社からは、渡邊大路さん(秋田県大館市出身)/ 増田久美子さん(北海道札幌市出身)/ 續田功太さん(東京都杉並区出身)の三名が参加。

━━ LIVE DESIGN Schoolに参加してみようと思ったきっかけ、また期待していたことは何でしょうか?

渡邊:以前プロジェクトでご一緒した、リードデザイナーの吉野敏充さんがきっかけですね。SNSで宣伝されていたのをみて「何か面白いこと始まるんだ」と思ったのがきっかけです。

スクールのきっかけになった本『おもしろい地域には、おもしろいデザイナーがいる』を読んでいたので「この人たちの話が聞けるんだ」というのは貴重な機会だなと思いました。

増田:私は、渡邊さんが情報を持ってきてくれて知りました。地域の仕事しているので、勉強になることがたくさんありそうだなと話に乗っかった感じです。

仕事で地域の活動をしていると悩みがたくさん出てくるんです。特に我々は拠点が東京なので、地元にいないとできないこといっぱいあるよねとか、地域の皆さんとの感覚との違いや、何を求められているのか、わからないことがすごくたくさんあるんです。

実践されてる方のお話を聞くことによって、気づきや、視野が広がったり、参考になることが必ずある、というところに期待して入りました。あとは皆さんのやり方ですね。どんなふうに活動をされているのか興味がありました。

續田:僕はまだ仕事での経験が少ないので、 LDSを通して経験値を上げられないかなと思い、参加しました。参加者の皆さんとの横の繋がりも増やしていきたいなと考えていたことと、リードデザイナーの皆さんから聞くお話に期待していました。

渡邊:地域の仕事していてとても痛感することは、“1人の力でできることは限られている”ということ。地域の方はもちろん、会社のメンバーも、みんなでいかにたくさんの人たちを巻き込んでプロジェクトを進めていくかっていうことが大事だなと思っています。だからこのスクールにも僕1人で参加するのは、もったいないなと思って、同じ情報を共有してるメンバーが会社にいたらと思い、2人に声をかけました。

━━ LIVE DESIGN Schoolの中で印象に残っていることはありますか?

増田:吉野さんは特異な人だなと感じましたね(笑)それに、すごく周りの人のことを考えているというか、芯があって、それでいて良い意味で“変態”!そこがすごく魅力になるんだなと感じました。

あとは、同じくリードデザイナーの福田まやさん。本人もお話ししていましたが、時間が守れないとか、ある側面から見たら欠点と捉えてしまう部分もありながら、すごい人を吸引する力、包容力を感じました。あとは、まやさんの言葉で「後回しにしない」という言葉があったのですが、常日から色々なことを後回しにしてる私にはすごいな…。と感じました。

今は日常の業務に追われてしまっているのですが、ずっとやりたいことがあるんです。私は北海道出身なのですが、北海道に事務所の拠点を作りたいんですよね。去年ぐらいから代表にも話していて「良いね!」って言っていただいているのですが全然まだ踏み出せてない状況で…。ちゃんとそれを行動にうつさないとなと感じました。

續田:リードデザイナーさんのお話聞いて「とりあえずやってみる」という共通したキーワードが出てきているなと感じました。僕はやる前に、考えすぎて初動が遅くなってしまうことがよくあるので。
あとは小林新也さんの話していた「やりながら考える」ということ。頭によぎりつつ、なかなかできてないところもあるんですけど、それが印象に残っている言葉です。これをやって良いのか?と結構考えてしまうので…(笑)

増田:やってから考えるタイプではなくて、考えてから行動するタイプだよね。

渡邊:自分が納得を持てないとなかなか行動にうつさないタイプだね。納得したらとても早いけれど(笑)

續田:石橋叩きすぎて割れちゃうタイプです(笑)リードデザイナーの皆さんは、叩くタイプがいないなって驚きました。やりながらステップアップしていく感覚を身につけたいなと思っています。

━━ 参加をしてみて変化をしたことはありますか

渡邊:実は、地域に根付いて活動されているリードデザイナーさんたちからすると、都心で地域の活動しているデザイナーってどう思うんだろう、と引け目を感じていたんです。少しコンプレックスというか。でも皆さんのお話を聞くと、全く気にされていない。今は、都心にいて地域の仕事をができるんだよ、ということを証明したいなっていう気持ちにすごくなっていて。これは一番変わった点ですね。立場、役割が違っても、目指しているところはみんな同じですし、僕の立場だからこそリードデザイナーの皆さんとは違う視点のことが、できるのではないかなと感じています。

あとは、坂本大祐さんの“グラデーションの中で地域に関わっていく”というワードがとても印象に残っていて。元々10年くらい前から地域の仕事をやりたいと動いてはいましたが、首都圏にいて、地域の仕事をやるというのはとてもハードルが高い。地域の仕事するとなれば地域に根付く必要がある、都会か地域か、みたいなそんな二極化を感じていたんです。でも、「どちらか」という極端な考え方は嫌だなと思っていて。そんなときに坂本さんの「グラデーション」という言葉がとてもしっくり来ました。

今、仕事では関わり方の度合いを意識しながら色々な地域に行っています。

━━ 皆さんの中で描いている将来があれば教えてください。

渡邊:地域とかエリアの区分がなくなれば良いな、と思っています。世界からすると地域も都心も関係なく、日本という1つのかたまり。今は地域という言葉で分けていますが、最終的にはそれが無い概念の中で仕事ができればと思っています。実は、元々は自分の地元の仕事がしたいなと思っていたのですが、地域の力になりたいという気持ちでデザイナーになったのであれば、別の地域でも良いのではないか、と思い始めて。実際に仕事をしてみたら、縁が無い地域の方が快く仲間にしてくれたことを通して、エリアの概念が無くなれば、よりたくさんの人を幸せにできるのでは無いかと考えたんですよね。会社では47都道府県の出身者がいて、47都道府県の仕事ができたら嬉しいです。

増田:実は私はLDSを通して、渡邊と逆の発想をしていて(笑)やっぱり地域にいないと駄目なんだって思ったんですよ。地域の情報が入ってこないんですよね。地元に帰ってテレビ、ニュース、新聞、地方紙を見て、こんなことになっているんだ今、全然知らなかった、と感じることがとても多い。地元にいないと本当の情報って入ってこないんだなっていうのを改めて痛感しています。私は転勤族だったので色々な地域を見たのですが、地元の北海道がすごく好きなので、関わりを持っていきたいとは思っていましたが、やっぱりその地域にいないと駄目だと感じたので、支社をつくりたいという気持ちになりました。ただ、いろんな活動されてる方のお話聞くと、みんな口を揃えて「もう行けばいいじゃん!考えていても仕方ない!」言われるんです。ある日突然いなくなるかもしれません(笑)

一同:(笑)

續田:皆さんの話を聞きながら自分はそこまで熱量を向けられる場所ってどこなのだろうと探している途中です。LDSを通して見つけられたらと思っています。また、僕はイラストが好きなので、イラストを活かしながら何か活動をしていけたらと考えていますね。

━━ ズバリ、LIVE DESIGN Schoolに参加してよかったでしょうか?

渡邊:参加して良かったです。まだ、自分の仕事に落とし込めてないなというか、消化ができないまま過ぎていってるので今の気持ちや知識を風化させずにいたいなと思っています。

増田:本当に良かったです。私も消化できていないですが、逆に言えば、消化できないぐらいたくさんのものを頂いたなと。

續田:僕も良かったなと思いますね。僕自身がこのようなコミュニティに参加することも初めてでしたし、東京会場のアナウンスがあってそこに人が集まって交流したり。講義だけではない、いろんな意味での刺激がたくさんいただいてるので、本当よかったです。

(聞き手:尾崎友紀さん)


地域で必要とされる「広義のデザイン」について、各地のデザイナー陣と参加者どうしが学び合う場として始まったLIVE DESIGN School。デザイナーはもちろん、行政職員 / 地域おこし協力隊 / 学生 / 経営者 / ディレクター / ディベロッパー / コンサルタント / 編集者 / イラストレーター / 理学療法士 / 八百屋 / 販売員 / 印刷業 / 百姓 など、多様な方にご参加いただいています。詳細は 公式HP から!

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