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地域の「楽しい」になる|鎌田美乃里さん(山形 / 20代)

LIVE DESIGN School の23年度メンバー同士が、根掘り葉掘りするインタビュー企画! 各地で活動するメンバーたちが日々考えていること、そして、LDSの参加を経て見えてきた展望とは...?

プロフィール
 山形市出身 / 在住。東北芸工大を卒業後、着物会社の営業職、ブランディングデザイン会社を経験し、今は複合施設のデザイナーとフリーの半分半分。毎日SNSに4コマ漫画を投稿するほか、サックスを吹いたり、小説を読んだり、温泉に行ったりを趣味としている。
 ブランディングデザイン会社で働くなかでの悩みをSNSに投稿したとき、リードデザイナーの吉野さんから「そういう悩みが解決できるかも」と連絡をもらい、LDSへの参加を決めた。吉野さんとの出会いは、鎌田さんが投稿した近所の神社の写真に吉野さんが反応したのがきっかけ。

━━ いつも鎌田さんのSNSの4コマ漫画にいやされています。いまの働き方にたどり着くまでは、どんな経験をされてきたんですか?

芸工大でデザインを学んだときに、なぜか「デザインだけじゃダメなんだな」って思って、新卒では着物の営業職に就いたんです。でも、そこで私は言葉での表現がなかなか得意じゃないことに気づいて。それで、やっぱり視覚的表現で伝える人になろうと思って、ブランディングデザイン会社に入ったんですが「ロゴデザインをしたらそれでOKなんだろうか」「WEBページをひとつ作ったら終わりなんだろうか」って、また行き詰まっちゃった感じがあって。

今は、フリーのグラフィックデザイナーが半分で、もう半分は やまがたクリエイティブシティセンターQ1 で働いています。ここは、むかし小学校だった校舎をリノベーションした施設で、カフェや本屋、企業の事務所が入っていたりするんですが、そこにデザイナーとして雇われて、レンタルスペースの受付業務や、館内の整備といった施設管理もしているっていう感じです。最近では、マルシェやワークショップなどのイベント企画にも携わるようになりました。

Q1では、自分で手を動かすのと同じくらい人と話す機会があるので、今の状態がちょうどいいなと思っているんです。あとは、フリーの仕事とQ1での仕事のバランスという意味でも、Q1で働きながらフリーの仕事をやっていくのがちょうどいいと感じているところです。

━━ デザイン仕事とそれ以外、所属先とそれ以外、で生きやすいバランスを取られているんですね。では、LDSの中で印象に残っていることはありますか?

いちばんの体験だったのは、新潟の迫一成さんのレクチャーの後、迫さんが拠点にされている hickory03travelers を訪れたことです。偶然いらっしゃった迫さんにお店を案内していただいて、迫さんが商品を一つ一つ見せてくださり「こんなことしていただいていいんでしょうか?」という感じでした。

そして、そのななめ向かいにある、迫さんが館長を務める文化施設 SAN の喫茶店で、従業員の方や偶然いらした新潟市役所の方、隣にやってきた常連のおばあちゃんとお話して、すごく不思議な空間だったのも印象的です。デザイナーも公務員もおばあちゃんもいる、みたいな喫茶店ってなかなか無いなって思って。

その新潟滞在で追体験ができたということで、迫さんのレクチャーは特に印象に残っています。レクチャーそのものは、迫さんが書いたイラスト混じりのゆるいプレゼン資料が衝撃的で、自分が書いてる漫画がちょっと肯定されたような気分にもなりました。

━━ バランス感覚やイラストの雰囲気は、迫さんと鎌田さんの共通点かもしれませんね。リードデザイナーとの関わりという点では、山形に住むLDSメンバーと吉野さんとで「郡山からっぽ祭り」にも関わられていますよね。

そうなんです!今年の3月23日(土)に開催予定のからっぽ祭りは、福島県郡山市の張り子の産地で、お面をかぶってひょっとこ踊りをする初めてのお祭りです。吉野さんのSNSの投稿へのコメントにお返事をいただいたのがきっかけで、お面につける手拭いのイラストで関わらせていただいてます。

あとは、LDSメンバーの和田静希さんから「ちょっとシュールな絵を書いてください」ってお願いされて、クラウドファンディング用のイラストを描かせてもらったりもしました。まさかLDSメンバーでコラボすることになるとは思わなかったです。ちなみに、和田さんは過去にQ1で働いていたことがあって、4月の東京の開校式のときに「Q1で見たことある人だな」と思って話しかけて繋がったんです。

━━ 山形チームは個性豊かなメンバーが揃っていますよね!最後に、LDSに入ってみて、実際どうでしたか?

よかったです!「交友が広がりました」みたいな漠然としたものじゃなくて、開校以前から接点のあった和田さんや吉野さんとも、LDSを機に知り合った迫さんとも、ちゃんと繋がりができたので本当に感謝してます。

ブランディングデザインについて悩んでいて入ったのがきっかけだったんですけど、地域に人が集まるのは、その場所に人を引き寄せる何かがあるからで、かっこいいデザインがあるからじゃない、ひいては「デザイン=平面的なビジュアルを作ること」だけじゃないっていう答え合わせができた感じがしていて。だから、デザインだけに注力するよりも、自分がそこにいて楽しいとか、自分自身が「楽しい」っていう状態を目指したいのかなって思ったり。

あとは、興味があるいろんなことをやっていきたくて、幼なじみのイラストレーターと展示を計画しています。3月に、山形市内にある古民家を改装したギャラリースペース Yamagata Heso Alternative Roomで開催します。今はDMのデザイン制作だったり展示に使うステートメントを準備しつつ、それぞれで展示にむけて新しい作品を作ろうかなというところです。

━━ なんと!鎌田さんのいる地域がおもしろくなっていくのが楽しみです。ありがとうございました。

(聞き手|運営局 森谷)


地域で必要とされる「広義のデザイン」について、各地のデザイナー陣と参加者どうしが学び合う場として始まったLIVE DESIGN School。現在、24年度のエントリーを受付中です!デザイナー(志望)はもちろん、イラストレーター / 大学生 / 行政職員 / 地域おこし協力隊 / 販売員 / 製紙業 / 百姓!などなど多様な肩書きの方にエントリーいただいています。詳細はこちらから!

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