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地元を選ぶのも、結局は人だった|河合ほのかさん(岐阜 / 20代)

LIVE DESIGN School の第1期メンバー同士が、根掘り葉掘りするインタビュー企画! 各地で活動するメンバーたちが日々考えていること、そして、LDSの参加を経て見えてきた展望とは...?

プロフィール
 
岐阜県出身 / 在住。大学ではメディアを専攻していたが、途中からまちづくりに興味を持つ。大学を卒業し銀行に1年勤めたあと、かかみがはら未来文化財団で働いている。「かがみがはら暮らし委員会」で繋がりのあったLDS参加者の小澤さんから教えてもらい、LDSを知る。新しいことを知れる機会になりそうと思ったこと、住んでいる岐阜県以外の情報を得たいと思ったことから参加を決めた。オンラインのプログラムをアーカイブで見られるのも参加理由として大きかった。

━━ オンラインプログラムやフィールドワークではあまりお見掛けしないのに、Slackの投稿によくスタンプで反応をくださるので気になっていて。LDSがはじまって1年になりますが、いかがですか?

オンラインプログラムがある平日の夜は仕事の都合で参加しにくいので、各回のアーカイブ動画を重宝しています。いつも、仕事のお昼休みにご飯を食べながら見ることが多いです。

公式プログラムの案内のほか、リードデザイナーや参加者の自主企画などを知れるSlackを見ているだけでも、本当に九州から北海道までのいろんな情報が入ってきて、岐阜にいながら全国を旅しているみたいで楽しいです。私はちょっとシャイで、誰かの投稿にスタンプを押して反応することしかできないのですが、でも、そうしたリアクションで「見てるよ」っていうのが伝わるのがSlackの良いところだと思っていて。

━━ 無理のない関わり方でご参加いただけているのが嬉しいです。これまでオンラインプログラムに参加されて、どの回が印象に残っていますか?

印象に残ってるのは、熊本で活動されている佐藤かつあきさんのレクチャーですね。熊本の震災を受けソーシャルデザインに取り組まれる中で、何回も波があってもなお立ち向かっていく姿がすごいなと思って見ていました。それと、愛知と三重を拠点にされている稲波伸行さんのレクチャーも、私の拠点と同じ中部でこんな活動をされている人がいるのかと驚きでした。デザインの勉強会「イナバデザインスクール」を無料で開催されていたりとか。

どのリードデザイナーさんも、自分の「好き」をぶれさせないまま、意識高く物事に向き合い、決まった答えがない中でそれぞれに解釈しながらやられているところがすごいなと思って。自分だったら心折れそうだなと思うんですけど、いろんな経験を積まれてる人たちのお話をきいて前向きになれますね。

━━ それぞれに解釈しながらやられている、たしかにそうですね!河合さんのお仕事の話もお聞きしたいのですが、今はどんなところで、どんなことをされているんでしょうか?

今は、住んでいる実家がある岐阜市の隣、各務原市の「かかみがはら未来文化財団」に所属しています。それ以前から入っていた「かがみがはら暮らし委員会」の立ち上げに関わった方がこの財団の理事をやられることになって、ちょうど銀行から転職したいと思っていたところで応募してみたら受かっちゃったっていう感じです。

仕事内容はイベントの企画運営や広報なんですけど、いろんなジャンルのイベントをやっていて。たとえば、市民会館でのクラシックコンサートやバレエの公演を企画したりとか、毎年秋に実施する「マーケット日和」というイベントの事務局をやっていたりとか。文芸の企画として、短歌とか俳句の若手作家さんをお呼びしてワークショップをやったりとか。各務原って美術館がひとつもないんですが、それを逆手に取って歌舞伎の舞台で絵を展示したりとか。

この財団は、市と文化協会が半分ずつ出資をしているので、半分行政で半分民間みたいな感じで。ガチガチの行政ではないから自由な部分もあるけれど、市の言うことを聞かないといけないこともあったりと難しいです。LDSにいらっしゃる行政職員の方のお話を参考にさせてもらったりもしています。

━━ たしかに、LDSの参加者には行政職員や行政と関わりのある方も多いですもんね。そんなところも含め、LDSに参加して変わったことなどはありますか?

情報量が多すぎてなかなか処理しきれていないんですけど(笑)まず、人生の選択肢がひとつじゃないことが分かったのは自分の中で大きいです。リードデザイナーのみなさんは、仕事に就いたら定年までずっと職場にいないといけないっていう固定観念を崩してくださるし、自分のやりたいことに嘘はついちゃ駄目だなと思わされます。また、失敗してもそれで落ち込むんじゃなくて、じゃあ次はどうしたらいいんだろうって考え方に切り替えられているのを見て、ポジティブに生きることの大事さを感じたり。

どの方もすごく忙しそうだけどいつも笑顔で、仕事を楽しそうに話せることがその仕事が自分に合っている証拠なのかなと思ったりしました。今の仕事は割と私にぴったりなのかもと思いつつも、いちばん自分に合っているのかというとそうとも言えないところがあって。試行錯誤をしながらやっていくのかなとは思うんですけど。

━━「仕事を楽しそうに話せることが、その仕事が自分に合っている証拠」、面白いです。それも含めてLDSから考えたこれからの生き方などはありますか?

自分も相手も人が良くなかったら、どれだけ自分に力があってもリードデザイナーのみなさんのようには続かないし地域の人の信頼は得られないんだな、とつくづく思いましたね。富山の高岡に住む羽田純さんが、福井までお酒を飲みに呼んでもらったと話されていたのには「なんて最高な関係なんだろう!」と思って。地元じゃないのにそうやって各地域の職人さんとの関係があるってすごい。

なので、私もそうやって人を大事にしたいです。地域というと、その土地特有の産品やお祭りなんかが注目されがちですが、私は岐阜という地域というよりはその中でのコミュニティが面白いなと思っていて。岐阜に戻ってきたのも、会いたい人が岐阜にいたからだったなと思い返したりもしました。

━━ 地域の中にある小さなコミュニティ、大事ですね。ありがとうございました!

(聞き手|運営局 森谷)

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