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映画 ダンサー・インザ・ダーク 4Kリマスター版 感想

本記事は、【2023.8.8】にシティヘブンネットの写メ日記に掲載された映画「ダンサー・インザ・ダーク」のネタバレ感想または考察を再掲したものです。

公開日: 2000年12月23日 (日本)
監督: ラース・フォン・トリアー
音楽: ビョーク
撮影: ロビー・ミューラー

クソコラを作りましたのでご査収ください。

ダンサー・イン・ザ・ダーク

ラース・フォン・トリアー レトロスペクティブ2023にて4Kリマスター版を鑑賞しました。10年ぶりに見て、当時とだいぶ印象が変わりました。

以下は「ダンサー・イン・ザ・ダーク 4Kリマスター」のネタバレに触れます。ご注意ください。

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まず、最大のネタバレとしては「4Kリマスター版でも画質は悪い」ということです。期待した皆様、本当にすいませんでした、画質は悪いです。特に固定カメラのミュージカルシーンは目立って画質がゴミです。もともとPOV形式なので仕方ないところですよね。

10年前見たときは「とても暗く悲しい映画、人間は信用できなくて怖いということをちょっと意地悪に描いた映画」という印象でした。
貧乏大学生の一人暮らし、冷房の効かないアパートで、近くのTSUTAYAで借りてきたDVDを積み上げる日々、わたしは人のことも信用できなかったし、自分のことはもっと信用できず「来年あたり突然死ぬんだろうな」と本気で思っていた、今となっては恥ずかしいころの話です。

2023年、10年の時を経て渋谷のヒューマントラストでこの映画を観たら、印象がまるで違いました。この映画は、身体と資本主義の牢獄という現実の中での"魂の尊厳と自由"を誠実に描いたとても明るい映画だと感じました。

出てくる人は意外とみんな普通のいい人で、少しのボタンの掛け違えで人が死にますが、ラース・フォン・トリアーの中では比較的明るい映画です。

映画館で見られて良かったオープニング!

10年前に見たとき、ものすごく嫌いだったのが、主人公セルマ(ビョーク)の工場の同僚のキャシー(カトリーヌ・ドヌーヴ)でした。はじめてみたとき、どうしてこの人はこんな偽善をするのだろう、心の中でバカにしているの?と思っていました。
本当に歪み切った青春時代だったんだなと思います。今みても、彼女は度を越えたおせっかいなのは変わりがなく、終盤でセルマの自己選択を歪めてまで生存を優先させる行動をとったりします。当時はそれが許せなかったんですが、10年の時を経てわたしの考えは成長しました。

キャシーは本当に、町場のよくいる"いい人"で、セルマを心配して愛していました。

ただのいい人だったキャシー、恨んでごめんね

どんだけ人間不信だったんだ、10代のわたし。それとも、感受性がクソな社会に染まったのでしょうか。生きやすくなったという点ではいいことしかありませんね。

「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の中でセルマは、障害者が映画内で剥奪されがちな"自己選択"を一瞬も手放しません。その結果セルマ自身が死ぬかもしれないという状況ですら、"子供の視力を守る"ということを優先します。それも"やむにやまれぬ"という雰囲気ではなく文字通りの"絶対死守"です。生きることが一番大切なことではないんですよね。なんのために生きているのかが大切だったんです。

なんのために生きているかとか魂の尊厳のあり方が、脳内の空想の自由、ミュージカルシーンなんだなあと思いました。

子供を守る母親展開といっても、"尊い自己犠牲"みたいなクソな展開になるわけでもなく、当然、ギリギリまで牢獄(こちらは文字通り牢獄)内での生存も狙っているところも良かったです。

ミュージカルだったら誰かが受け止めてくれる

ミュージカルだったら、落ちても誰かが受け止めてくれるけど、牢獄では落ちたら首が締まるんですよね。という絶望で終わらせないのがこの映画の超好きポイントです。わたしはラストカットの字幕でちょっと泣きました。

They say it's the last song. They don't know us, you see.
It's only the last song if we let it be.
意訳:みんなこれが最後の歌だっていうけど、わたしたちが最後の歌にしない限り、ミュージカルは終わらない

この夏、魂の自由も尊厳も一度も破られないまま、終わらない歌を歌い続けるミュージカルクイーンセルマが心の中に爆誕しました。

セルマには、セルマを愛する仲間がいたけれど、仲間も牢獄のルールでセルマを勝たせることはできませんでした。それはやっぱり辛いことだよなと思います。映画ならまだしも、現実だったら歌で彩ってる場合じゃないよ。

今年は、わたしの隣には同業友達の朝倉りかちゃんがいました。
りかちゃんも、とても明るく自由な仲間です。こんな素敵な自由の映画を、仲間と見て、プロントで飲めたのがすごく幸せな時間でした。わたしたちは”牢獄のルール”からも目をつぶってもらって、最後の歌は歌わずに踊り続けたいね。

りか様とたこ食べて嬉しい、の写真

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