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【受験生向け】国語のおすすめ参考書紹介

note初投稿となります。かずと申します。
自己紹介と合わせて特に自分が使ってきた国語の参考書や問題集の中でおすすめのものを紹介していこうと思います。




自己紹介

2005年生まれ2024年大学入試にて大阪大学文学部を受験して合格し、春から大学で言語学/国語学について研究する予定。将来の夢は母校で国語科の教諭となること、といった感じです。
僕自身、もともと国語が得意な人間だったのですが、高3夏で今までの「センス」に頼ったやり方への限界を察し「正しく読んで正しく解く」意識でやり直しました。
その結果、冠模試が明けてからようやく正しいやり方をこなせるようになり特に現代文で安定して高得点が取れるようになりました。
(感覚的なやり方でずっとやっていると端正がかなり難しいので、これから国語を学ぶ方は論理的に説明できるやり方で学習することを強く勧めます。僕自身も結果が出るまでとても時間がかかりました。模試では出なかった…)
今回はそんな僕自身が自信を持っておすすめできる国語の参考書を「総合」「現代文」「古文」「漢文」の四つに分けて紹介していきます。
ここで紹介する参考書はどれも僕自身が買って取り組んで損をしないと自信を持って言えるものなのですが、一応★~★★★の間でおすすめ度に差をつけて紹介していきます。
太字+下線になっている本の題名部分を押すことでアマゾンのリンクに飛べます!


総合

阪大の国語15ヵ年

画像は僕が使った2訂版、現在の最新は3訂版

おすすめ度★★
大阪大学の国語が15年入っている過去問集です。
15年と言いながら、四学部の問題と文学部の問題がそれぞれ別々に収録されているので、半端ない問題量があります。(四学部は現×2+古、文学部は現×2+古漢)
僕は文学部のものを10年ほどと、難易度が高めの四学部の問題をかいつまんで数年解いて使いました。
解答解説の質に諸説ある教学社の赤本ですが、この阪大の国語に関してはいい意味で簡潔(青本のようには凝っていないが逆に言うと受験生に近い答案とも言える)でとても勉強しやすいです。
阪大を志望する子はもちろん、旧帝大~国公立の難しめの国語が出る大学を志望する子は買っておいて問題集のような活用をするといい練習になると思います。


◎センター試験過去問集
※リンクは河合塾の共通テスト過去問集に飛びます。
ただ、古めのものを古本屋で買うのがおすすめ

画像は僕が使っていたもの

おすすめ度:★★★(必須)
共通テスト国語の問題演習ははっきり言って過去問だけで十分です。
というのも明らかに質が模擬試験や予備校出版の問題集などと違います。
これは仕方がないことで、共通テスト・センターは相当な時間をかけて作られているものなのに対し、模試などは試験作成以外の仕事もある予備校講師の方々が急いで作るものなので、後者においてはどうしても癖やひっかけのための性格の悪さが露呈してしまうのです。
僕は西北のBOOK・OFFにて200円で入手した東進の2019~2010のセンター国語がのっている過去問集を使いましたが、正直ちゃんとした解説が載っているものならどれでもいいと思います。
共通テストの場合、「選ぶ」という作業が必要になってきますが、これはある程度の慣れ、経験を要するので、本試の良問を通じて練習することは不可欠です。 以下小言…
「運ゲー、アテカン」だと形容されがちな共通テスト国語ですが、正解には正解足る理由があり逆もしかりなので、甘えずにやりましょう。
そうすると、共通テストが明けて2次試験の勉強に戻ったとき、きっと読解力の向上を実感できるはずです。(古文はこの限りではないかも…)

現代文

◎上級現代文シリーズ

画像は上級現代文II、リンクは上級現代文Ⅰに飛びます

おすすめ度:★★★
最高の参考書です。現代文部門MVP!
難関国公立志望者を対象とした問題集で、記述問題をパターンごとに分けて細かく解説/演習していく上級現代文I(黒い表紙)と、実際の難関大(東大京大も含む)の入試問題を通じて記述問題の書き方のレベルを演習して引き上げる上級現代文II(赤い表紙)があります。
この本のすごい点はとにかく解説が丁寧なこと。
採点基準まで事細かに記されているので自学が可能です。
また、IもIIもかなりのボリュームで量をこなしたい子にも合います。
僕は、難関国公立を志望する子は高3の1学期で上級現代文Iを完璧にするのが望ましいと考えています。(自分がもう少し早くこの本と出会っていたらそうしてました。逆にいうと記述の参考書はこれだけでいい。)
ただ、この本に取り組むにはある程度の読解力、記述力を要するので初歩的な参考書(スマートステップ現代文など)で鍛錬を積んでから取り組むことをおすすめします。
本の内容、質の割に知名度がそんなでもないので取り組めば圧倒的に差をつけることができます。偶然にもこの記事を見つけた受験生は騙されたと思ってでもやってみてください!

◎スマートステップ現代文

表紙の見た目が結構好き

おすすめ度:★★
今まで紹介した参考書と違って基礎の基礎の部分を解説した参考書/問題集です。僕自身は使ってないですが、現代文基礎の指導法の探究の助けとなりそうなので購入し読んでみたところ初学者におすすめできる内容であったので紹介します。
現代文との向き合い方、現代文のなかの分野別の勉強法の部分から解説されており、読解問題も短文から懇切丁寧な説明がついています。
初歩的な読解アプローチはこの1冊を完璧にすれば相当身に着くと思います。
レイアウト、色合いが見やすくてモチベも上がること間違いなし。
個人的に今もっともアツい初学者向け現代文参考書です!


◎現代文キーワード読解

こうみるとZ会多いな…

おすすめ度:★★★(必須)
舐めてる人が多いキーワード集ですが、キーワード集は現代文において必須です。
その中でもキーワード読解は解説、レイアウトの良さがこの手の本では抜けていると思います。
読解の鍵となる単語の解説にとどまらず、出題の多いテーマがフローチャートを用いてわかりやすく説明されています。現代文は文章テーマの背景知識があればあるほど有利なのでやらない手はないです。
そのキーワードが実際に入試問題のなかでどう使われているかも載っているので読み物としても役立ちます。影のMVPとも言える良書!


◎共通テスト現代文のスゴ技

なんやこの胡散臭い本

おすすめ度★
この本に関しては諸説あります。そもそも僕はこういうふざけた謳い文句の参考書は嫌いです。
それでも紹介するのはこの本が僕の共通テスト現代文のラストピースだったからです。記述はできるけど選択肢は選べないというタイプの子は一読の価値があるかもしれないです。
この本で僕が得たものは「▲(保留)を積極的手段として活用するべし」という精神だけでした。ただ、これだけで、正解の選択肢を初期段階で消すことによるミスを格段に減らすことができました。
またそれ以外に、ダミー選択肢のパターンが細分化されてまとめられているページも参考になります
ふざけた謳い文句のわりに中身は正攻法な良書。ラストピースなのにおすすめ度が低いのは高すぎるからです…


◎現代文精選問題集

表紙がお洒落

おすすめ度:★★
現代文プラチカともいわれることがありますが、数学と違って難易度は標準~やや難の問題集です。
僕が夏休みに基礎を叩き込むなかで使った本で、特筆すべきは典型問題5題が基礎基本の確認定着にめっちゃいいという点。現代文のよくある展開5つを、本文図解付きの丁寧な解説を通じて理解することができます。
問題量も多い(記述問題は少ない)のでコスパもいいです!私大・中堅国公立志望の子にとっては秋~冬、難関国公立志望の子にとっては春~夏休みの演習教材としておすすめです。


※現代文読解の基礎講義

僕はおこづかいをはたいて買いました…

おすすめ度:※※※
駿台国語科の神、中野先生が書かれた参考書です。
(僕は受けたことがないですが…)
おすすめ度が※表示なのは絶版して高騰しているからです。本当にいい本なのですが…どうして…
どうしても最後に紹介したくて書きました。
中野先生考案の「客観的速読法」×「論理的解答法」を軸に、ぶれない読解と解答を毎回同じ手法で実行するための練習を例題を通して行う参考書です。
基礎と銘打っときながら一番最初から阪大の過去問だったりします(笑)
もしも古本屋さんで見つけたりしたら絶対買いましょう。
ちなみにこの本に掲載されている「客観的速読法」「論理的解答法」は中野先生のホームページ「現代文・まなびの礎」にて閲覧、pdfダウンロードをすることが可能です。
現代文の読解法がよくわからないという悩みを抱えている子は読んでみましょう!
リンクは以下に掲載しておきます。


古文

◎古文解釈の方法

かわいいのに雰囲気ある表紙が推せる

おすすめ度:★★★
入試1週間前に買ったのにも関わらず古文部門のMVPになった神の参考書!
上級現代文と違ってシェア率がかなり低い(バレてない)ので取り組んでものにすれば差をつけれること間違いなしです。
何がすごいかというと、徹底的に古文解釈を論理化してくれる参考書であるということです。ふんわりと判断してしまいがちな主語の切り替わり、助動詞の意味についてもしっかり解説してくれています。
めちゃくちゃいろいろのっているので古典文法辞典のような使い方も可能です。
また短文による問題がついているので演習も少しできます。
本書独特の語があったり、表紙裏のレベルが中級~となっているのを踏まえると、完全初学者には厳しいかもしれませんが、これから古文を勉強する人は年齢を問わず買うべきだと思います。本当に凄まじい本です。
ちなみに僕はやっていないですが、姉妹編の古文解釈の実践(これは問題集)もおすすめです。


◎スピード攻略10日間の古文系全部

画像は文法基礎編

おすすめ度:★★★
薄くて安いけど情報量たっぷりの参考書です。このシリーズは影が薄いですが、内容はとてもいいです。初歩の初歩からハイレベルまでを網羅しています。(古典文法は2冊展開)
古典文法2つ、文学史が1つ、和歌が1つの計4冊展開です。文学史編は私大などの文学史を問うてくる大学を受けるならマストだという話を耳にしたことがあります。また、阪大京大、その他和歌の詳細な解釈を問うてくる大学を受ける人なら和歌編は絶対やるべきだと思います。
僕自身はこのシリーズの古典文法編は使っていませんが、シリーズ全体として信用できるので紹介しました。
その名の通り10日間もあれば終わるので、サッとやって何回も復習して、試験前にもう一度確認するという利用法がおすすめです。


◎古文上達(基礎編)

飾らないシンプルな表紙が美しい

おすすめ度:★★
僕の学校はそうではありませんでしたが世間では学校にて配布されることが多いそうです。
この参考書の特徴は圧倒的な基礎網羅と演習量、数学におけるチャート式のようなものです。
共通テスト~中堅大に対応できる基礎力が身に付きます。
単語と文法を少しはやったよ~という子が実際に古文と格闘できるようにするための下地を作る参考書/問題集と言えるので、もし学校にて配られた場合はめんどくさくても手を抜かずにやるべきだと思います。ただ、重たすぎるのがネックでもあります…
逆に言うとシンプルに演習量を稼ぎたい人にはおすすめ!

◎図解古文解釈の実況中継

実況中継シリーズの安心感

おすすめ度:★★
たまたまBOOK・OFFで買ったら役に立った本。
読解力、解釈力に悩みがあった高3秋に購入しました。
ワザ85は当たり前の事柄も含まれるが、読解の際の手順行程を分割して説明してくれているのでとても役に立ちました
文法とか単語はわかってるんだけどいまいち共通テストの古文が読めないって子は取り組む価値があると思います。(共通テストの古文の本文は実はめちゃむずかしい)
理解と実践読解の差を埋めてくれる本といえるので、やや難しい文章になるとなかなか読めなくなる子には刺さるはずです。

巻末にワザ&基本事項のまとめがあるのもGOOD!


※単語帳や古文常識について

どちらも、正直どれをやってもいいと思います。
というのも、英単語もこれは同じなのですが、単語帳、古文常識はどの本も完全網羅しているわけではないからです。何冊もホイホイ手を出すよりはまず1冊をガッチリ仕上げて残りは演習のなかで出てきた単語、事項を覚えていく方が学習効率が高いです。
2冊目は余程余裕がある方か、共通テスト前の確認かくらいで用いる程度で問題ありません。
ちなみに強いておすすめを選ぶなら単語帳は古文単語315、常識はマストアイテム76です。
桐原書店強し…

漢文

◎スピード攻略10日間漢文

SIMPLE IS BEST

おすすめ度:★★★
漢文のエース参考書。このシリーズは古文に続く2度目の登場ですが本当に使い勝手がいいです。
特に漢文編はこの1冊で漢文のほぼ全てが網羅してあり優秀です。
返り点・構文語順といった初歩の初歩から、再読文字・置き字→句形→漢詩という流れで要点を確認していきます。また、少しだけ問題もついているのでインプットとアウトプットを両立させることもできます
解説は懇切丁寧というより簡潔さっぱりよりですが、記載内容・情報量は充実してます。
使い方などは古文の同シリーズと同じです。
660円という安価で漢文の基礎から応用を身に付けることが可能で、薄くて通学中にも見やすいという万能な一冊なので強くおすすめします!


◎漢文ヤマのヤマ

本全体のイラストに味がある

おすすめ度:★★★
東進の重鎮三和先生が執筆したかなり古くからある漢文の参考書です。簡潔タイプだったスピード攻略と違ってこちらは懇切丁寧タイプの本で、頻出の句形・要素が66種類解説されています
僕は高3夏休みに毎朝45分かけて、句法4つずつ読んで演習問題を解く、というのを2回繰り返した結果、やや苦手意識があった漢文を得意分野にすることができました。シェア率が高い本なだけあって優秀で、コラムに語彙がまとまっていたり、別冊句形例文集が付属していたりと至れり尽くせりです。
共通テストまでの漢文はあっさり系のスピ10、こってり系のヤマのヤマのこの2つで十分完結してます。

記述漢文が必要な場合はこの2冊に加えて得点奪取漢文をやっておけば間違いないと思います。


※漢文学習必携

おすすめ度:※※※
兵庫県高等学校教育研究会国語部会が著した本です。僕の恩師のそのまた恩師が作成に関わっていたとか…
学校専売品だと思われるので※ですが、漢文部門の影のMVPです。正直レイアウトは古くさいですが、とにかく何でも載っていて、マイナー句形も漢文思想史も単語熟語もカバーされています。
ほしい場合はメル某で買えます。
また、大抵の学校では似たような漢文の本が配られるはずですが、おそらくそういった本も同様に用いることが可能です。
漢文に関しては学校専売書籍がかなり優秀な印象があるのでうまく活用していくといいでしょう!


終わりに

最後まで長い記事を読んでくださった読者の方、ありがとうございました。今回は僕自身が受験勉強の際に使った参考書を主にして本当におすすめできる参考書を紹介しました。ポピュラーな本もある一方、よくある参考書ルートにない本の方が多くなっているかもしれません。それでも、この記事にて紹介した本は買って後悔しない本ばかりであるという自負があります。是非役立ててくださると嬉しいです。気になること等がありましたらコメントまたはTwitter(X)の方から連絡してくださるとできる限り答えます。

それほど頻繁に投稿できるかは怪しいですが、これからも国語に関する役立つ内容を投稿していけたらなぁと思うので、よろしければフォローしていただければ嬉しいです。
(次回は2024東大国語第一問を予定しています)

以上です。ありがとうございました!

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