Mr. 羊(シープ)

自分に何が書けるのか知りたい。 もしかしたら何も書けないかもしれないし、ものすごく書け…

Mr. 羊(シープ)

自分に何が書けるのか知りたい。 もしかしたら何も書けないかもしれないし、ものすごく書けるかもしれない。 自分の中にある”何か”を挑戦的に書いてみる。 趣味は映画と読書。 #Filmarks https://filmarks.com/users/gawgawTT

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  • 黄金をめぐる冒険(連載小説)

    SFと純文学の間のような小説を目指してます。

  • 映画エッセイ

    映画レビューのまとめ Filmarks:https://filmarks.com/users/gawgawTT

  • ITエンジニアとして

    ITスキルに関しての備忘録

  • ラバーソウル(連載SF小説)

    想像上の物理現象を物語にしてみました。

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黄金をめぐる冒険(あらすじ)

記憶が過去をつくり、思い出は黄金のように輝くーー ある晴れた午後、男は謎の組織『炒飯』から連絡を受ける。話の続きは次のような内容だった。 「近年、人々による『炒飯』認識率は低下の一途を辿っております。このまま低下が進むと、近い将来に消滅してしまうでしょう。世界には『炒飯』が必要です。 人が生きてくうえで必要不可欠な要素は好奇心でございます。 そして『炒飯』には好奇心を生み出す力があります」 「炒飯」とは一体何なのか、男はなぜ選ばれたのか? 老人や門番、案山子に魔女、不思議

    • 黄金をめぐる冒険⑯|小説に挑む#16

      黄金を巡る冒険①↓(読んでいない人はこちらから) 果してこれで良いのだろうか。 足がうまく動かなかった。僕は進まなければいけない、それは重々に承知している、だけど、不安は魂を食い尽くす。彼女の記憶としての温もりにより、僕は荒野に孤立した無機質な静物となっていた。 暫くして、門番が口を開いた。 「小僧、ここへは誰と来たのだ?」 誰と来たかだって? 僕は今一人なのに、なぜ誰かと一緒に来たということが分かるのだろう? 改めてその老人の奇妙さを感じた。 「ある女性と、一緒に来ま

      • 黄金をめぐる冒険⑮|小説に挑む#15

        黄金を巡る冒険①↓(読んでいない人はこちらから) 僕はまた独りになった。 まるで平凡な悲劇の書き出しだ。「」(かっこ)から始まる小説くらい平凡だ。では平凡でない書き出しとは何だろうか? 夏目漱石の書き出しのような人生を送りたかった。だが、人生は小説より奇なりである。果てして本当に人生は小説よりも複雑なのだろうか? チャールズ・ダーウィンは自然淘汰説を唱えた。人口は一向に増えていく。なぜ自然は、自然に一番害を成す人類を淘汰しなかったのだろうか? *** 辺りは、見渡

        • 黄金をめぐる冒険⑭|小説に挑む#14

          黄金を巡る冒険①↓(読んでいない人はこちらから) 目の前に映る光が、暗闇に慣れた目を刺激しながら外と内の境界線をゆっくりと溶かし始めた。 真っ暗な宇宙に光る恒星のように、一つの輝点が僕たちの目に映る。 それはこの洞窟の終点を告げていた。 家を出てから白光を見たのは六日ぶりだった。ランプの灯し(これは若干オレンジがかった赤色だ)に慣れていたせいなのか、その白さは何か危ない感じがした。 やっと外に出られる。そう思うだけで地面を蹴る力がより強くなっていた。嬉しさと寂しさが混ざ

        黄金をめぐる冒険(あらすじ)

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        • 黄金をめぐる冒険(連載小説)
          17本
        • 映画エッセイ
          5本
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          5本
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          6本

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          黄金をめぐる冒険⑬|小説に挑む#13

          黄金を巡る冒険①↓(読んでいない人はこちらから) 六日目の朝がやってきた。 正確には朝ではないかもしれないし、外は夜かもしれない。洞窟の中では外界の時間軸が全くわからないため、ひとまず起床時を便宜上朝としているだけだ。 陽の光の代わりにランプの灯りが彼女を照らし、彼女の影が小さくなったり大きくなったりを繰り返しているのを、僕は横たわりながらぼうっと眺めていた。しばらく見ているうちに遠近感の認知が狂い始めてきたので、体を起こし竹のような伸びをした。 彼女は僕より先に起きて

          黄金をめぐる冒険⑬|小説に挑む#13

          黄金をめぐる冒険⑫|小説に挑む#12

          黄金を巡る冒険①↓(読んでいない人はこちらから) ある詩人が地獄について語った詩がある。 地獄よりいずる二つのものがいる。 風を司るものと雷を司るものである。 一つは春の導きとなり、一つは海と空への祈りと化す。 地獄により黙示と再生が行われる。 地獄は闇をつくるものでもあり、それを照らすものでもある。 孤独による自閉は繋がりを求めた結果である。 空間の隔絶は孤独を助長させる。 光さえも隔絶された空間を、暗闇と呼ぶ。 完全な暗闇では認識さえも尊いものとなり、 万物の事

          黄金をめぐる冒険⑫|小説に挑む#12

          黄金をめぐる冒険⑪|小説に挑む#11

          黄金を巡る冒険①↓(読んでいない人はこちらから) しばらく月を見ていない気がした。 月は地球の周りをまわる唯一の衛星である。地球から約38万4000キロメートル離れた場所に位置し、だいたい27.3日をかけて献身的に地球を一周する。 月の公転周期と自転周期はほぼ等しい。それゆえに、地球にいる人類は約38万キロメートル先に浮かぶその小さな球体のうしろ姿を見ることは無い。 大気の存在しない月の温度は、人類にとって過酷そのものである。昼間は気温が100℃を超え、夜間は-150

          黄金をめぐる冒険⑪|小説に挑む#11

          「関心領域」はある関心を想起させる丨映画エッセイ#5

          映画「関心領域」は2024年アカデミー賞における、国際長編映画賞を受賞した素晴らしい作品だ。 原題:“The Zone of Interest”(邦:関心領域) 監督・脚本:ジョナサン・グレイザー 「関心領域」とは、アウシュヴィッツの収容所を取り囲む40平方キロメートルの地域(区画)を指す言葉である。ユダヤ人迫害における、最低最悪な地域であったと言えよう。 知っての通り、アカデミー賞の受賞には大きな意味がある。特に国際長編映画賞は、社会情勢の動きを考慮して選考される流れ

          「関心領域」はある関心を想起させる丨映画エッセイ#5

          WorldPressプラグイン-2'(補足:サイトマップ)|エジニアとしての備忘録#5

          現状:Googleにサイトマップを登録した。 サイトマップの重要性を理解すると、何となくgoogleの検索の仕組みが見えてくる。また、Google Search Consoleの使い方の助けにもなる。 先に結論。(結論を念頭に入れて読むことをお勧めする) ・XML Sitemap:クロールに必要なプラグ ・WebSub:インデックスに必要なプラグ サイトマップとは?サイトマップとは、サイト内のページ構造をリスト形式のこと。 前回、サイトマップには「HTMLサイトマップ」

          WorldPressプラグイン-2'(補足:サイトマップ)|エジニアとしての備忘録#5

          WorldPressプラグイン-2(XML Sitemaps+WebSub)|エジニアとしての備忘録#4

          現状:ワードプレスでバックアップの設定が終わっている。 折角なら、公開した自分のサイトがGoogleの検索で誰かの目について、何かしらの役に立ったらとても嬉しい。 ならば、サイトマップを構築して、それをGoogleに教えてあげないといけない。そんな時に活用されるプラグが「XML Sitemap Generator for Google」だ。 2. XML Sitemap Generator for Googleをプラグイン早速、サイトマップの追加を行っていく。 サイトマ

          WorldPressプラグイン-2(XML Sitemaps+WebSub)|エジニアとしての備忘録#4

          WordPressプラグイン-1(BackWPup)|エジニアとしての備忘録#3

          現状:「Cocoon Child」のテーマ画面の設定まで終わっている。 ワードプレスを導入して、さあ記事を書こう。 と思った矢先、データフォーマットを壊したらやばいな、知らない機能だから復元するのにおそらく結構時間がかかりそうだな、と心配が頭をよぎった。 絶対にバックアップは必要だ。 なので「BackWPup」で定期的に復元データを取得しよう。 1. BackWPupをプラグイン 1-1. インストールワードプレスの管理画面から、[プラグイン] - [新規プラグインを

          WordPressプラグイン-1(BackWPup)|エジニアとしての備忘録#3

          WordPressでブログ開設|エンジニアとしての備忘録#2

          Can't stop addicted to the shin dig, Cop top he says I'm gonna win big, レッチリの意味不明な歌詞を聞きながら、今回はワードプレスの初期設定の確認と、必要最低限な設定項目を熟していこう。 現状:コノハウィング+ワードプレスの登録が終わった。 ①初期設定の確認前回の設定では、ConoHa WINGの登録とワードプレステーマを選択まで行った。では、早速できたてほやほやのMY Webサイトを見てみよう。 登

          WordPressでブログ開設|エンジニアとしての備忘録#2

          ワードプレス(WordPress)の始め方|エンジニアとしての備忘録#1

          どんよりした雨雲が、 我々に必要な太陽とその光を隠蔽し、 辺りは限りなくグレーに近い。 さて、こんな日は家に籠ることもあるよね。 ということで早速ホームページ、もしくはブログのためのワードプレス立ち上げを始め行こうじゃないか。 結論:1時間くらいでサーバのの立ち上げまではできる。 1.ワードプレス(WordPress)のための準備まず、ワードプレスとは何だろうか? 簡単に説明していきたい。 ワードプレスとはCMS(コンテンツ管理システム)と呼ばれ、Webブログやホームペ

          ワードプレス(WordPress)の始め方|エンジニアとしての備忘録#1

          黄金をめぐる冒険⑩|小説に挑む#10

          黄金を巡る冒険①↓(読んでいない人はこちらから) 僕と彼女は真っ暗な洞窟の中を、二つのランプだけを頼りに歩き続けていた。幸い、僕たちの暗闇は一本道であり、迷うことはなかった。 奥に進めば進むほど空気はじめっとしていて、空気は体に纏わりつく温湿を帯び、地熱の暖かさをじんわりと上昇させることによって、僕たちの足取りを確実に妨げていた。はじめは幾らか整地されていた地面も、奥へ進むに連れて地面のでこぼこ度合いが段々とまばらになっていき、今ではとても歩きにくくなっていた。 地底の

          黄金をめぐる冒険⑩|小説に挑む#10

          黄金をめぐる冒険⑨|小説に挑む#9

          黄金を巡る冒険①↓(読んでいない人はこちらから 目を開けると世界には既に闇がはびこっていた。 そう形容したくなるほど静かで、真っ暗な夜が僕を囲っていた。 実に奇妙な感覚だ。 僕らは食事を終え食器を綺麗に片付けた後、簡単に身支度を整えて家の外へと出た。玄関の扉を開けると、目の前にはいつもの無機質なコンクリートの廊下ではなく、ひらけた暗闇が広がっていた。 彼女は当然扉の外は暗闇ですよと言わんばかりに僕の顔を見て、では向かいましょう、と僕をその闇の中へと押し出した。 本当に押

          黄金をめぐる冒険⑨|小説に挑む#9

          「ラバーソウル」6|SF短編小説に挑む#6

          エピローグ↓(読んでいない方はこちらから) 愛が力学化された世界とシュレディンガーの猫② ”多世界上映イベント”の帰路は人でごった返しになっていたが、その集まりは縦横に綺麗な列を作って整理整頓されていた。とても嫌な感じがある集まりだ。この社会は規則と規範に則り各々を尊重し、エゴというものを捨てた成れの果ての姿である。 高橋は人の流れを慎重に読み取り、はみ出さないようにしてそれに従い、家へと帰った。 21世紀後半の認知革命と技術革新により、人類はAI(人工知能)をあらゆる

          「ラバーソウル」6|SF短編小説に挑む#6