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さよならは言わない

時々目が覚めると自分がどこにいるのか

わからなくなる時がある。

この間は軽井沢にいると
思ってしまった。

どうしてそんなことを思ったのか

自分でも不思議なのだが

きっと軽井沢に行きたかったのかもしれない。


五月の連休や夏休み、雪の降る頃など

日本にいる時にはよく訪れていた。

商店街の鶏肉屋さんで丸鳥を

パン屋さんでハイジの白いパンを

八百屋さんでルバーブを

本屋さんで新刊書を買って。

何よりの楽しみは、林の中の散歩だ。

素敵な別荘を見ながら、綺麗な空気を吸って

小1時間も歩くとすっきりする。

庭で本を読んだり、バーベキューしたり
春先にはフキノトウを摘んだり
沢山の思い出の数々のスナップショットが繰り広げられる。

あぁ、こうして思い出は、
消えてしまったように思っていても、
ちゃんと記憶の片隅にあって、
時々逢いに来てくれるのだな。

自分でその地に行かなくても、行かれなくても
向こうから偶然にやってきてくれる。


そう、亡くなった人に
夢の中で逢えるように。
だから、「さようなら」ではなくて
「またね!」と言えばいいの。

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