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アスリートの摂取カロリーと消費カロリーの不一致によるREDsリスク:IOCコンセンサスステートメント

国際オリンピック委員会(IOC)による、REDs (Relative Energy Deficiency in Sport、スポーツにおける相対的エネルギー不足) の2023年版コンセンサスステートメントが発表された。

REDsの推定有病率はスポーツによって異なり、15% から 80% の範囲である。この症候群は、しばしばアスリート、コーチ、チームドクターが気付かないまま進行し、意図的または非意図的にカロリー摂取量を制限することでパフォーマンスが短期的に向上するため、いわゆる「スポーツ文化」によって知らず知らずのうちに悪化する可能性があるという。

REDs は、2014 年のコンセンサスステートメントで IOC によって初めて独立した事象として認識された。今回のステートメントは、この症候群のより広範な認識と予防を促進し、アスリートの健康およびパフォーマンスの最適化を目的として、過去5年間のREDsに関する重要な進歩に基づいている。

特に今回のステートメントでは、不十分な炭水化物摂取の新たな役割、REDsとオーバートレーニング症候群のオーバーラップ、REDs発症の時間経過、メンタルヘルスとREDsの相互作用、男性アスリートやパラアスリートにおけるこの症候群についての理解の進歩についての新たな証拠に焦点が当てられている。

「私たちは、このコンセンサスステートメントがREDsに対する意識と理解を高め、この症候群のリスクにさらされている多くのアスリートの健康と幸福を守るために、スポーツ団体や科学者ら、およびアスリートの健康とパフォーマンスを守る専門家チームによる行動が促されることを強く望んでいます」と筆頭著者でIOCゲームグループメンバーでもあるカナダ・マクマスター大学のマーゴ・マウントジョイ教授はコメントしている。

出典は『British Journal of Sports Medicine

http://dx.doi.org/10.1136/bjsports-2023-106994


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