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中国ECライブ配信の役割と前景(直播電商)

2019年はまさにECライブ配信元年といえるでしょう。Li Jiaqi(李佳琦)とWei Ya(薇娅)によってTaobao(タオバオ)のライブ配信がブームになりました。勢いのあるインフルエンサーなら1時間で数億元の売り上げを達成することもあるように、ECライブ配信の直感的なイメージは、とにかくリアルタイムの商品販売につながるということです。
2020年にはWeChat、TikTok、Kwai、B Stationなどのプラットフォームでもライブが導入されるので、今後もECライブ配信の人気は続くでしょう。WeChatのコミュニティーやTikTokのエンターテインメント、B stationの文化基盤など、それぞれのプラットフォームのメリットがありますが、Taobaoライブが主導的な役割を果たしたのは、ライブが商品販売以上の効果を生み出したからです。

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➀ライブは企業広告の重要な手段です。
企業広告のコンテンツといえば、ブログ、Wechat、TikTok、ショートムービー、HTML5、ポスター等が頭に浮かびます。5Gネットワークの普及やライブを視聴するユーザー意識の高まりに伴い、今後は、ライブが企業と消費者のコミュニケーションをつなぐ重要なカギとなるでしょう。これまでの(商品名を)お伝えするだけのセールスに比べると、ライブは強力な商品PR効果が期待できます。
特に重要なのは、ライブはブランドと消費者との間に双方向のコミュニケーションを生むということです。新しいオンラインメディアが普及してから「ユーザーとの双方向コミュニケーション」は、マーケティング業界で最も重要なコンセンサスになるはずです。もっとも、ライブによって企業と消費者のコミュニケーションを創出するには、コンテンツ自体が面白く、消費者が注目するような素材であることが必要です。特に、コンテンツと全体的なコミュニケーション計画を作成する能力が求められます。

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②ライブは「人間バージョン」の商品詳細ページです。
Taobaoはライブとリソースサポートを強力に推進しており、ますます多くのインフルエンサーが、毎日、数時間のライブを行うようになっています。消費者は、ライブを見ることで商品についてダイレクトな体験をすることができます。
これまでは、ある商品について知るためには、商品詳細ページにアクセスして、商品ウィンドウに表示された画像を確認し(最近では直感的なショートムービーを使用するウィンドウ画像が多くなっていますが)、主なセールスポイント、使用場面、商品仕様などの説明を読まなければなりませんでした。しかし時代が変わり、若い消費者たちは、これらの情報では不十分で、製品自体や購入に至るまでの疑問が解消されないと考えています。そのようなとき、ライブで生身の人間が製品のあらゆる情報を説明し、リアルタイムで質問に回答してくれるならば、グラフィック情報を見るだけよりもはるかにわかりやすく、時間の節約もできます。ライブはECにおける商品詳細ページの2.0バージョンともいえ、消費者側の専門知識が乏しい商品や、シーンベースのデモが必要な商品の販売に非常に効果的です。
こういった傾向を踏まえると、今後、企業はライブで商品情報を提供するために、より多くの時間と人的資源を投資する必要があります。

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③ライブは、企業が新規顧客を獲得する手段です。
Taobaoに代表されるECプラットフォームでは、ライブを行うことによって、顧客数の増加を加速させることができます。
ショップでのライブ配信が蓄積すれば、そこから直接購入する人数だけでなく、商品をカートに入れる人数、フォロワー人数、会員人数も増やすことができます。たとえば、インフルエンサーが視聴者にリンクする仕組みを設定するとクーポン券がもらえるようにしておく、というのは最も簡単な方法の一つです。
一方で、前で述べたように、ライブ配信はブランドと消費者の間のコミュニケーションにとって重要なコンテンツであり、ブランドに対する認知度と関心を高めるのに大きく役立ちます。
活発なユーザーが多いWeChat、TikTok、B Stationなどのプラットフォームで、企業が興味深いライブコンテンツを作成し続けることができれば、間違いなく過去のマーケティング成果(ファン、コレクション、購入の数など)を超えるチャンスとなるでしょう。

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Link:2003年日本に留学、静岡大学大学院工学研究科卒業. 2006年初め、初期の中日越境ECの創業者であり、立ち上げたプロジェクトは清華大学と36Krインキュベーターに入選しました。日本在住。

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