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楽しい不動産英単語 第20回 ズィローを読み解く(6)近隣情報 ー Enjoy English Expressions for Properties Vol.20 - Understand the Zillow(6)Neighborhood

<文章からバーチャルな不動産を想像して楽しもう!>
<Fun Reading for Imagining the Virtual Property!>


数回に分けて、アメリカの大手不動産情報サイト、
ズィロー Zillow
を読み解いています.
Zillow はその物件掲載数が億を超える、膨大な不動産取引のデータベースです。不動産取引に必要な情報を細かく網羅し、また、サイトから内見予約 property tour が可能で、不動産エージェントに直結しています。
参照:

前回までの内容も良ければ参照してください:楽しい不動産英単語 第19回 Zillow を読み解く(5): 価格の変遷と月額コスト

これまで、
第15回のZillow(1) で、写真1ーHP 表紙写真2ー地図上の物件ページ写真3ー物件詳細ページ、写真4ー写真情報ページ、
第16回 Zillow(2)で、写真5ー物件の説明、6ー物件文章による説明ページ 、
第17回 Zillow(3)で、写真7ー内見予約、写真8ー事実と特徴ページ、写真9ーエージェントとのコンタクトページ、
第18回Zillow (4)で写真10ー市場価格のページ、
第19回 Zillow (5で、写真11ー価格の変遷、写真12ー月額コスト、を見てきました。

今回は

近隣情報 Neighborhood


についてみていきます。
では、行ってみましょう。


写真13ー移動時間 


まず、

写真13ー 移動時間 Travel Time

を見てください。

自分が生きたいと思った場所を登録しておくと、そこまでの移動時間を示してくれます。この場合は、仮にLower Manhattan ロウアー・マンハッタンを指定しましたので、

To Lower Manhattan, New York, NY, USA
By car 11 mins
「ロウアー・マンハッタンまで車で11分」と出ました。
mins はminutes の略です。

指定場所を変えたければ、右にあるペンマークのEdit 編集から変更できます。
もちろん、この地図は、ストリートビューも提供するので、建物の外観も知ることができます。
周囲の販売物件も lot lines 区画線の地図にすると、見ることができるので、便利です。


写真14ー移動手段と学区について

写真14ー 移動手段と学区 Getting around & Schools nearby

この物件の移動手段は、

Walk Score 100/100 Walker's Paradise
となっています。
ウォーク・スコアはそのままでも良いですが、つまりは歩き易さを採点したものです。
結果が歩行者の天国となっていますが、それはもちろん、銀座のホコ天とは違い、歩いて移動するのに最高ということですね。

ニューヨークは碁盤の目のようになっっていて平坦、そして、車はいつも渋滞しているので、かなりの距離を歩いて移動することが多い街です。地下鉄は便利だけれども怖いし、バスを待っている間に歩いてしまえ、となるようです。

Transit Score 100/100  Rider’s Paradise
となっています。
トランジット・スコアは交通の利便性を指しています。地下鉄やバスが網羅しているので、ライダー天国、つまり使い易い立地であることがわかります。 

Bike Score 96/100   Biker’s Paradise
となっています。
満点でこそないけれど、自転車移動も高得点で自転車天国です。
北米の大都市では、レンタル自転車もたくさん用意されています。
が、車と一緒に走るのは、私は怖くてできません。

歩き易さ、交通の利便性、自転車移動の下には、ブルーの点線があり、これをクリックすると、ポップアウトにウォーク・スコアの説明文が出るので、
その下の See Detailed Walk Score Rating  歩き易さ採点の詳細
をクリックするとWalk Score というウェブサイトが出てきます。


交通手段や周辺環境の利便性も網羅されていて便利

指定した場所(写真ではロウアー・マンハッタンではなく、川を渡ったニュージャージー州の Hoboken ホーボーケン) との距離が示されています。車で31分、バスで32分、自転車なら60+分となっています。

右側の地図には、地下鉄駅やバス停が示され、周囲のレストランや店なども表示されます。

そして、

評価の言葉の意味

が説明されています。

Walker’s Paradise ー Daily errands do not require a car.
歩行者の天国 ー 日常の用事に車は不要
ここで出てくる errand ですが、覚えておくと便利な言葉です。意味は、使い走り、お使い、用事などです。
「どちらへお出かけですか」などと聞かれ、日本語でも、「ちょっと用事で」、とか「ちょっとそこまで」、と返しますが、その場合、I had an errand in town. 街に用事がありまして、などと答えることができます。他の人に説明するまでもない、日常の細々とした用を足すニュアンスです。また、使い走りの意味では、We sent our son on an errand.  息子を使いにやりました。などということができます。

次に、
Rider’s Paradise ー World-class public transportation.
ライダー天国 ー 世界クラスの公共交通機関

最近、World-class 世界クラス という形容詞をよく見かけます。「世界的に名の通った」とか「世界第一級の」という意味だそうです。例えば 「world-class city 世界クラスの街」、または 「The building has the world-class facility.  このビルは世界クラスの設備を持つ」、などです。世界レベル、ならピンとくるのですが、世界クラス、なんですね。

Biker’s Paradise ー Daily errands can be accomplished on a bike
自転車天国 ー 日常の用事は自転車で済む

若くて体力のある方ならいいですね。日本のように、お買い物は自転車で、買ったものを前や後ろのカゴに乗せる、という情景はあまり見ません。体にピッタリついたバックパックを背負い、自転車もポートからポートへ移動させ、お店の前にずらりと駐輪車が並んだり、というのは見たことがないです。自転車文化も、お国柄、地域柄がとても現れるものだと思います。

車以外の移動が必要な場合、これらの評価は大事な指標になりますね。

次に

Nearby schools 近隣の学校

を見てみましょう

GreatSchools rating  グレートスクールズ(というウェブの)採点/レーティングを紹介しています。
青いマルの中の 6/10 は、10点中6点の意味です。
Ps 19 Asher Levy  学校の名前です
Grades:PK-5     Distance: 0.3mi
学年:幼稚園から5年生  距離:0.3マイル

5/10 East Side Community School
Grades: 6-12   Distance 0.4mi
学年:6年生から12年生  距離:0.4マイル

PKは pre-kindergarten の略で、小学校に上がる前の幼稚園で、義務教育ではありません。
州によって多少、言い方や学年の分け方になどに違いがありますが、
PK2年の次が
Lower Primary / Elementary  School  (低学年小学校)の2年生まで。
Upper Primary School(年長小学校)が小学校3、4、5年生。
Middle School (中学)が6、7、8年生。
High School (高校)が9、10、11、12年生。
というシステムが一般的です。
Junior-Highと Senior-High という名前で分けるところもあれば、
Combined Junior-Senior High School(中高一貫校)のシステムもありますが、
総じて、12学年までの12年間が義務教育です。

子育てを考えると、どの学校区域に住むか、つまりその物件の学区は大変重要になってきます。また、以前、アメリカの不動産税が高額だと述べましたが、
その多くが、学校制度の維持費に使われていますので、
学校に通う子供がいないのに、不動産税の高い地域に住む必要はない、
といった考えも生まれてきます。

紫の字で書かれた学校名をクリックすると、
グレートスクールズというウェブサイトに行きます。

https://www.greatschools.org/new-york/new-york/2081-Ps-19-Asher-Levy/


このサイトでは包括的な学校情報に関する様々なデータが載っています。
学業 Academics のレベルはもちろんですが、
公平性 Equity という項目は、多岐にわたる情報を見せてくれます。
Equity というと、金融関係の人なら、資本や普通株式などを思い浮かべるかもしれません。
学校の評価の場合は、公平性などと訳せるかと思いますが、衡平法としても良いかもしれません。公平と正義の観点から慣習法 common law の不備を補う法律を衝平法 equity
というそうです。


情報としては、 人種/民族 Race / Ethnicity の割合なども出しています。分類としては、Hispanic ヒスパニック 
Black 黒人 
Asian or Pacific Islander アジアおよび太平洋諸島民
の割合が出されています。
ちなみに日本人はアジアおよび太平洋諸島民です。
学校への入学手続きなどでは自己申告させられます。
こういう申告をしながら、しみじみ自分のアイデンティティに想いを馳せたりします。
日本にいると、あまり考えないですよね。
他には
Low-Income Students 低所得学生や、
Students With Disabilities 障害のある学生 
などもあって、少々驚きますが、全国平均よりも障害のある学生の欠席日数が多いか少ないかで、ケアの良い学校かどうかを見極める指標にすると書いてあります。
また、学校を評価する時によく口にのぼる 
Student -teacher ratio 学生と教師の比率Student per teacher 1教師の担当生徒数で載っています。ちなみに 6:1 です。日本の学校が35:1などを考えると、大変良い、というより、日本がおかしいのではないかと思います。教師にとってもオーバーロードだし、生徒にとっても、きめの細かい指導が受けられるのか分からず、いじめ問題なども放置される結果になるのではないか、と考えます。教師の人数を今の3倍ぐらいに増やして、雇用も増やし、一生徒に対するケアも増やせば、いろんな問題が解決してより良い社会になるのではないか、などと想像するのは、私が素人だからなのでしょうか。

話が不動産からずれてしまいましたが、
不動産を買う時の大きな決め手は、
利便性や価格などだけでなく、学区を知るのが大事、
という親世代は多いと思います。
不動産税が高くても、子供が良い学校に行ければ払う価値があります。
うっかり学区を間違えて、
高い不動産税に加えて、子供の私学の授業料も払うことになったら、
とても残念です。

今回で、「Zillow を読み解く」、は一応終了します。
ご愛読いただいた方、たいへんありがとうございます。


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