転職体験記 シリコンバレーのベンチャー企業に その5 当たり前過ぎて意識しなくなっていること
時は昭和のバブル時代真っ只中。
経緯
シリコンバレーにある高速半導体メモリを開発·製造している会社に転職となったのです。
形式的には鉄鋼会社の米国駐在員で、鉄鋼会社の社員としての給与を貰い、その米国ベンチャーの社員としても給与を貰い、日米の年金保険料はダブルで払い、税金は日米の給与と駐在員手当(住居費、自動車購入費、交通費など)も含めた全収入に対して米国の税金を支払うという形でした。 渡米に際しては先ずは米国大使館でのビザの取得。形式的に半導体技術開発のエンジニアという建付けでの渡米でしたので、取得したビザは、H-1B。ビザ取得に際しての大使館での面接、その後の手続きとそれなりに面倒でした。
その2は渡航前の明るく楽しいひと時の話。
その3は、予防接種の重要性と就労ビザのご利益の話でした。
その4からは現地での流れ。
レンタカー、ホテル、外食で仮に生活を立ち上げ、仕事が可能な体制に。そして銀行口座開設、年金、健康保険の手続きをして入社した会社の社員としての基礎的な手続きを完結させました。
今回はいよいよ仮生活からの脱却です。
ここで驚いて貰うところなのですが、携帯電話が普及していない時代、ましてスマートフォンも無い、パソコンもまたまだでインターネットもまたまだ。
有るのは固定電話とポケットベルという時代。
ポケットベルで呼び出しが有ると会社に行って…
今なら真っ先にスマートフォンの契約何でしょうがね。
隔世の感
ある意味で私の人生はその進歩に捧げた感じです。
この時の最先端高速半導体デバイスからセキュリティ技術を軸にサービス、事業開発、医療·減災のための国際貢献…
ということで、先ずは空港で借りたレンタカーは高いので、急いで自動車を購入ということに…。アメリカは基本的に店舗にある在庫をそのまま買うというスタイルでした。当時はアメリカの自動車業界は景気が良くなく、アメリカ車の在庫はタップリ有りました。
因みにアメリカ人の車好きは半端なくて、その分販売する方々も単調ではない感じ…
最右翼のレクサスLS400。
殆どその場で買うつもりで試乗したのですが…
エンジンを掛けたものの全くの無振動、無音。期待通り。
ワクワク…ワクワク…
しかし椅子のポジションをかなり背もたれを倒してハンドルの下を持って優雅に運転する姿勢に合わせると、室内が狭い。クレスタと余り変わらない感じでした。最大の問題の私の最適な運転姿勢を取ると後席の人の足元に余裕が無い事がそこまで解消されないのです。クレスタもそうですが、シートが高級過ぎて厚く、それが室内空間の余裕を奪っていました。しかも米国の舗装道路ではサスペンションが硬すぎて振動を拾ってしまいました。ん~~。しかも強気で値引きは無しの30000ドル少し超えの価格。カーグラフィックという自動車雑誌には30000ドルは切る破格のコストパフォーマンスで米国に投入されたと言うことでしたが…
カリフォルニアは排ガス規制が厳しく特殊な改造、California Emissionなどが施され高いのだと。人気車種でしたので強気一辺倒。この辺もアメリカらしい。取り敢えず保留。
戯れにシボレーのカマロ。
家族帯同なので選択肢には無かったものの、1度は乗ってみたかったスポーツカーのエントリーモデル。勿論渡米したての私にはこの車の自動車保険を引き受けてくれる保険会社が無いのですが…。
Z28という尖ったモデルも有りましたが、それを、除けば全部のせの最高級グレードの車が目に止まりました。12000〜15000ドルという事前情報でしたので、まぁ安いのに面白い選択肢というポジション。しかし、目に止まった車…フロントガラスに取り付けオプションとその価格が書いてあって最後に総額が大きく書いて有ります。
ところが、その詳細の一番下に
Mark up 3000ドル
と… 何と高額な装備。
マークアップ?
メイキャップ?
ってなんだろう???
なんか特殊な塗装?コーティング?…
冷やかしなので、立場をわきまえ散々考えたのですが…知的好奇心 Curiosity… に負けて…
「これって何ですか?」
と素直に質問。そして答えは何と
「プレミア。」
詰まり、強気にプレミアをつけて高く売っているということでした。
ん~~
つづく
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