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9月定例会一般質問から③

2.横田基地について
(2)MV-22オスプレイ墜落事故に関する米海兵隊プレスリリースについて


【質問】
2022年6月8日、米国カリフォルニア州において、訓練中の米海兵隊MV-22オスプレイ1機が墜落し、5人が亡くなる事故が発生した。 このことに関して、2023年7月21日、米軍が本件事故の事故調査報告書を公表した。この事故は、ハード・クラッチ・エンゲージメントという現象が原因だとのことだが、市が得ている情報等について伺う。

【市長答弁】7月22日に北関東防衛局から情報提供があり、主な内容として、「米国時間の7月21日に米海兵隊が、昨年6月に米国カリフォルニア州で発生した、米軍MV-22オスプレイの墜落事故にかかる事故調査報告書を公表した。現在、その内容の詳細を確認しているところであるが、事故調査報告書によれば、両方のエンジンでHCE、ハード・クラッチ・エンゲージメントと呼ばれるオスプレイに係る特有の現象が発生したことが原因であること、また米側からは、当該現象への対応として、部品交換等の措置を実施し、オスプレイの飛行の安全を確保している旨の説明を受けている。」とのことであった。

 HCEはプロペラとそのエンジンをつなぐクラッチが離れ、再結合する際に衝撃が発生する現象である。北関東防衛局からは、「今般の事故は、両方のエンジンにおいてHCEが発生することにより、航空機の片側のエンジンから他方のローターへ動力を伝達する系統ICDS、インターコネクト・ドライブ・システムが故障したため、右側のプロップローターが推力を失ったものの、左側のプロップローターは一定の推力を維持していたことから、左右のバランスが崩れて墜落したものであること、再発防止のため、使用時間が800時間を超えるクラッチに関連する部品IQA、インプット・クイル・アッセンブリーを交換することにより、HCEの発生を99%以上低減可能であり、安全に運航できること」等を確認したとのこと。

 また、米側から昨年6月にカリフォルニアで事故を起こした機体のIQAは、約1000時間以上使用しているものであったこと、IQAの交換を指示した2023年2月3日以降、2023年7月19日までの間に約2万2千時間の飛行を行っているが、その間、HCEは一切発生していないこと等を確認したとのことであった。

 オスプレイの機体の安全性については、今般の報告書を受けて、全ての種類のオスプレイの設計や技術に係る安全性について責任を有する米軍専門部局から、改めて、機体自体の安全性に問題はなく、飛行の安全にかかわる構造上の欠陥はないことを確認している。

 具体的には、使用時間800時間を超えるIQAの交換によりHCEの発生を99%以上低減可能であり、機体自体の設計を変更する等の必要性はなく、飛行の安全にかかわる構造上の欠陥はないことを確認している。また、報告書が公表された際に、米側より、米海兵隊MV-22及び米空軍CV-22について、IQAの交換やICDSの点検等の対策が実施されていることを確認した、とのことである。

 防衛省としては、これまでの米軍オスプレイの約68万飛行時間にかかる運用において、HCEが発生したのは16件のみと承知しており、その上で、部品交換の措置によりHCEの発生を99%以上低減していることや、その他のHCEによる事故を防止するための対策が実施されていることを確認したことから、極めて安全な水準が保たれており、飛行の安全に問題がないと評価している、とのことであった。

横田基地に配備されている米空軍のCV-22についても、同様のクラッチに関連する部品交換により再発防止策を講じることで99%発生を低減できということで、いったんは安心しましたが、先般、オーストラリアでMV-22Bオスプレイが墜落し3名が死亡しているという報道もあり、引き続き情報提供を強く求めるよう要望しました。

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