手帳にハマりつつあります
私はスマートフォンとかタブレットとかパソコンとかのデジタル系のものが好きな人間です。特にスマートフォンは大好きで、割と依存してしまっている自覚があるくらい、常に持ち歩いてますし暇さえあれば触ってしまいます。身分証明も決済も全てスマホ一台で完結すればどれほど素晴らしいだろうと思っています。
そんな私ですが、最近はアナログの紙の手帳にハマりつつあります。
正確に言うと「再び」ハマりつつあるんです。
私は学生時代や社会人になりたての頃は手帳を愛用していました。
とくに強いこだわりをもって手帳を「作り込んで」いたというわけではありません。
学生時代には大学の講義や部活、バイトなどの予定を書き込んだり、社会人になってからは会議や出張の予定を書き込んだりと、もっぱらスケジュール管理用です。
あとはタスクを書き出して終わったらチェックマークをつけたり、日々の雑多なメモを書き込んだりするくらいで、ごくごく一般的な使い方をしていました。
しかしここ数年はスケジュール管理は全てスマートフォンが担っていました。
サッとポケットから取り出していつでもどこでも予定の登録ができる(なんなら簡単に他人と共有もできる)、複数デバイス間での同期もできる。適切なタイミングで通知もしてくれる。位置情報を登録しておけばそのままマップに遷移してナビも可能。なんて便利で素晴らしいものだと感嘆し、紙の手帳を買わなくなっていました。
ですがある時、ふと昔の紙の手帳を開いてみたら、何とも言えないエモさがそこに溢れていることに気付いたのです。
あの頃の自分はあんな生活をしてたなとか、こんなことを考えていたんだなとか、そういった記憶が朧げながら蘇ってきたんです。
何の講義を受けてたとか、ツタヤへのCD返却期限がいつだとか、レポート課題のテーマが何だとか、就活のために調べた電車の乗り換え駅とか、そんな些細な記録のひとつひとつが何だか懐かしく感じられます。
そしてこの感覚はスマートフォンでは味わえないなと思ったんです。
多分、その日その日のスケジュールやタスクを消化してこなしていくため「だけ」であれば、紙の手帳よりもスマホのアプリの方が便利で効率がいいと思います。
ですがスマホのスケジュールアプリは、終わった予定を振り返るのには適していないと思います(少なくとも私の場合はそうです)。振り返ったとしてもそこには綺麗に整ったフォントで書かれた無機質な記録が並ぶだけであって、当時の記憶を紙の手帳ほど鮮明に思い出すことはできませんでした。
紙の手帳には、ただ予定を把握するだけではなくて、それを自分史という作品として形に残して、いつでも振り返ることができるようにするという役割もあるように思えます。
こう書くと、iPadとスタイラスで手書き手帳アプリを使えばいいという意見もありそうです。
確かにアナログとデジタル両方のいいとこ取りで非常に魅力的なツールです。
でも私は手書きをするなら紙とペンがいいなあと思ってしまう派なんです。
手帳の紙質、紙を撫でたりぱらぱらとめくる感覚、ペンごとの書き味の違い、そういったものを楽しむのも好きだからです。
それにiPadだとペンを走らせた時にツルツル滑ってしまい、書き心地があまり好きになれません。かといってペーパーライクフィルムを貼って画質が劣ってしまうのも嫌です。
そんな我儘な性格なので、多分タブレットで手書きすることが私には合ってないんだと思います。
そんなわけで、2023年度から再び紙の手帳を使い始めました。
紙をぱらぱらめくり、紙面上にお気に入りのペンを滑らせ、書き込み終わったらぱたんと閉じる。この一連の所作が心地いいです。
スマホに打ち込むより効率は悪いかもしれませんが、時間を贅沢に使っているような感覚があります。
私が使っている手帳は昔から決まって、見開き左側に一週間のスケジュール欄、右側は白紙の自由記述というタイプのものです。
左側は基本的に時間単位で予定を書き込んでいくことになりますが、右側をどう使うかは自分次第。表を作ってもいいしタスクを書き出してもいいし日記を書いてもいいし落書きをしてもいい。自分の創意工夫で何でもできる自由度がたまりません。
別に他人に見せるために意気込んで作り込む必要はなくて、その時その時の自分らしさが紙面上に落とし込めればそれが一番だと思ってます。手帳はあくまで自分のためのものなので。
レイアウトがイマイチでも、書き損じても、筆跡が乱れてても、それがその時の自分を素直に表しているのならそれでいいんです。
アナログとデジタルはそれぞれが一長一短で、一概にどちらが絶対的に優れていると決めつけることはできないものだと思います。
私はたまたまアナログの紙手帳に再び魅了されてしまったというだけで、それ以外の部分については相変わらずスマホ大好きのデジタル人間です。
それに、家族で共有が必要な予定なんかは相変わらずスマホアプリを活用しています。
アナログとデジタルそれぞれの良いところや自分に合っているところを上手に調和させて生活の中に取り入れていくのが、人生を便利で豊かにするために必要なんだろうと思います。
もうすぐ2023年度が終わるので、2024年度の手帳を先日買ってきました。
まだまっさらな手帳が一年後にどんな「作品」と化しているんだろうと思いを馳せるとワクワクします。
日々のスケジュールやタスク管理のツールとして、また、時間が経って過去の思い出を振り返るときのタイムカプセルとして、手帳を長く使い続けていきたいと思っています。
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