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スタバの店員はなぜイケメンやきれいな人が多いのか?

「スタバの店員さんってイケメンときれいな人ばっかやよね。」
「ねー。顔採用なんかね?」

私が大学生の頃、高校生の女の子たちがそんな話をしていた。
その頃の私はまだ、スタバに”お客さん”として行ったことはなかった。けれど、アルバイトしていたコンビニに、スタバの店員さんが”お客さん”として来てくれていたので、どんな感じの人がいるかは知っていた。
コンビニの横にスタバがあったので、よく利用してくれていたのだ。

きりっとした眉に、優しい目をした男性店員さん。
ロングヘアに、ナチュラルメイクが似合っていた女性店員さん。
イケメン、きれいな人、そう言われれば確かにそうだが、顔が良いというよりも雰囲気がとても良いという印象だった。
コンビニで物を買うだけなのに「お願いします」とか「ありがとう」と挨拶してくれるし、なによりいつも笑顔だった。

私が抱いた「雰囲気がとても良い」というイメージが、高校生の彼女たちのことばでは「イケメン」「きれいな人」という表現だったのではないかと思う。

コンビニでアルバイトをしていたのはもう、15年も前のことになるが、この本を読んでいるうちに、そんなことを思い出した。


スターバックスの理念に、「従業員はパートナー」というものがある。


パートナーの待遇に非常に力を注いでいる(以下略)
仕事を楽しいと思いやりがいを感じている従業員は、企業のマーケティング活動に奇跡を起こすことができる。
自分の仕事に満足し、上司や同僚から尊敬される人物こそが、企業や商品、ブランドの広報に最適な人材である。楽しく仕事をする従業員は、ひいてはお客様を楽しい気持ちにさせる。

スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?

私がバイトしていたコンビニに、”お客さん”として来てくれていたスタバの店員さんもまさにそうだったんだろうなぁと思う。仕事を楽しみ、やりがいを感じでいたのだろうと。日々が充実している人はキラキラして見えるし、自然と笑顔も多くなると思うのだ。

従業員に自負と自尊心が芽生えると、会社に対して、家族に対して、世界に対して本当に多くを貢献できるようになる。
スターバックスには、各自で考え、自分の意志と裁量で対応し、お客様に満足してもらうことを奨励する社内文化がある。従業員たちは自分の意志で自由に行動できるので、普段の仕事以上のことをして顧客や会社に尽くすのも自由であり、誰もがそうしようとする。

スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?

本を読み進めているうちに、もう一つ思い出したことがある。

あれは私が高校生のころ。
その日は朝から大雪で、車はひどく渋滞していた。

私は、いつもの停留所でバスを待っていたのだが、なかなかこなかった。
すべてのバスが遅れているようだった。
バス停にはいつもより待っている人が多かったのだ。

寒いなぁ。早く来ないかなぁ。
そう思っていると、「よかったら、どうぞ」と後ろから声をかけられた。
振り向くと、トレイに紙コップを載せたスタバの店員さんがいた

バスの停留所近くにあったスタバの店員さんが、寒さに凍える私たちを見て、あたたかいコーヒーを用意してくれていたのだ。
お金はいらないという。びっくりした。

小さめの紙コップに入ったコーヒーはあたたかくて美味しかった、と思う。
正直、味まで覚えていないのだが、「こんなサービスしてくれるんだ」という感動が大きかった。


私はスタバの愛好者ではない。店舗に行ったことだって数えるほどしかないし、スタバといえば?で思い出したエピソードもどちらも店舗外のことだ。

この本が思い出させてくれた。そして、気づかせてくれた。
スタバで働く人がいかに素晴らしいか、そしてなぜ素晴らしいのかを。

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