1. 河野大臣の2024.04.21のポスト
複数のニュースサイトで記事にされていたので、ご存知の方も多いと思いますが、4/21に河野大臣は複数の質問に対してX上で回答されています。(また、この内容は河野大臣の公式サイトでもまとめて記載があります)この内容の正誤確認を行ってまいります。
1-01. 河野太郎は「親中」「媚中」なのか?
親中・媚中関連のトピックは複数あるのですが、Xでは外務大臣時代のお仕事について記載がされていますね。個人的にはこれはその通りだと
FOIP(自由で開かれたインド太平洋戦略)
対中包囲網のキーポイントとして「自由で開かれたインド太平洋戦略」は大きいです。自由で開かれたインド太平洋(以下、FOIP)はリンク参照。当時の河野外務大臣がこれに尽力されていた事はご存知の方も多いと思います。
蔡英文総統とのオンライン対談などもされておられます。ここでは台湾の地政学的な重要性について語られています。日台接近を一番嫌がるのは、お分かりのとおり中国ですね。
安倍元総理ともこの辺りは価値観を共有していたようです。
QUAD(日米豪印戦略対話 / 4ヵ国安全保障対話)
QUADとは「Quadrilateral Security Dialogue(日米豪印戦略対話 / 4ヶ国安全保障対話)」です。日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4ヶ国での多国間枠組みを指します。2006年、安倍元総理が提唱しました。河野大臣は外相時代の2017〜2019年、77の国・地域を訪れました。
提唱からの今に至るまでにどのような形で、どのくらい河野大臣が尽力されたかはソースが探せませんでしたが、QUADについて語っておられるサイトはありました。
1-02. 河野太郎は中国生まれで中国国籍を持っているのか?
時々ネットで出てくるこの画像に釣られる方がまあまあ多い事に愕然とします。出所は不明です。…調べる気にもなれません。
河野大臣は父方の家系も華やかながら、母方の家系はさらに凄かったです。中国生まれな筈はなく、こんなに家系ルーツが明確な方はいないんじゃないかなぁ。まずは父方のルーツについてあれこれ貼っておきます。
まあ、あからさまなデマですね。これの弁明しなきゃいけないとか、政治家って大変なお仕事ですね…
1-03. なぜ中国共産党の党員バッジをつけていたのか?
22つ検証します。
天安門バッジ?
あちこちで検証されていたので、ご存知の方も多いと思いますが、河野大臣が仰る通り、「日中韓外相会合」バッジですね。
このバッジが「天安門バッジ」というデマが広がりました。ネットで天安門バッジというワードで検索しても、全然違うバッジが出てきます。これは2019年に北京で行われた日中韓外相会談の際の写真で、 韓国の康京和外相も同じバッジを付けています。
毛沢東バッジ?
これもデマでしたね。元々拡散した起点はここでしょうか?
これは上記の通りニュースで否定されています。
双方、2021年にご本人が回答済でした。これ、デマの根深さを考えますね。「悪貨は良貨を駆逐する」ではないですけど、負の要素の方が正の要素よりも拡散力もインパクトも強い。
1-04. 親族経営の日本端子が中国製太陽光パネルで儲けている?
上記のように「政治系メディア」ではない媒体は、フラットな発信をしておられるようです。検索するとお分かりいただけますが、日本端子を問題視して発信しているのは「右派言論誌」もしくは「右派言論人」ばかりです…。続いて、以下に河野大臣BLOGと日本端子公式サイトを貼ります。
これ、生産品目の比率や太陽光パネルの生産状況も調べなきゃなぁ…と思っておりましたら、既に調べておられる方がいらっしゃいました。やはりこの人にはかなわないなぁw 毎度ながら凄い。
1-05. 日本端子は共産党系企業への商売で儲けている?
上記と重複なので割愛します。日本端子の取引先は「日本企業」ですね。
1-06. 二重国籍を推進しているのは本当?
これも政府の移民政策のように「ゼロヒャク」で考えている方が多いのかもしれません。二重国籍を全く認めないか、無尽蔵に認めるのかという話ではないのが大前提です。河野大臣が想定しているのは「外国人と日本人のハーフ」で、別に「反日な外国人が国籍をうまく悪用」のようなケースではないですね。下記に河野大臣のブログを貼りますが、これは比較的「人道的な救済措置を設けた方がいいのでは?」という主旨だと思われます。
1-07. コオロギ食を推進しているというのは本当?
上記で触れられているの「徳島のスタートアップ企業活動視察」の記事がこちらです。この時は確かに口にしておられます。
1回食べただけで「ゴリ押し」とバッシングが起きたのは記憶に新しいかと思います。記事をご覧いただけるとわかるのですが、複数社の1社がコオロギ養殖だったというだけの話です。時系列で少し考えてみましょう。
最新のニュースのように「1年前の出来事」を紹介している番組。なお、この番組の当該トピックには誤情報がかなり含まれています。
私も炎上騒ぎの際に一度noteをまとめました。誤認が跋扈しすぎていて、見るに堪えませんでしたので….
下記の抜粋のうち、名前以外の太字箇所は確定デマです。
1-08. SNSで拡散された経営するピザ工場が爆破されて地震を起こしたという話は?
これ、私も存じませんでしたが、陰謀論ウォッチャーの雨宮さんがポストしておられました。まあ、信じる方がおかしいです。
1-09. 一般人を裁判で訴えているというのは本当?
ここは賛否が分かれるとは思います。私見では「公人であっても1人の人間であり、誹謗中傷のサンドバッグにならなくてはいけない理由はない」と考えております。皆さんのご判断はご自由に。
1-10. Xなどでブロックするのはいかがなものか?
これも私見では「公人も自由でいいのでは?」と考えています。そもそも彼の個人アカウントですから、個人の裁量で自由にできる権限があります。また「災害などの非常時に政治家の発信が見られないのは困る」と仰る方を見たことがありますが、非常時の情報に「河野大臣ポストでないと得られない情報」というのがあるとは考えにくいですし。大臣として管轄省庁の発信をする際も「当該省庁アカウント」の発信をご覧になられれば問題なしです。
私見を少しだけ。
❶ ログアウトすればポストは見られるののは事実ではあります。が、これは「遠回りしたら目的地に行けるので、こちらの道は封鎖」というのに近い気がします。鍵アカウントではないですが、これは単純に閲覧者の手間の部分なので、彼にその責がある訳ではないです。
❷将来、仮に総裁選を経て総理大臣になった際に「有権者をブロックしている」はマイナスにしかなりません。その際は「別のアカウントを作成」という方法もありますけどね。
1-11. イージスアショアの導入を中止したのはなぜか?
軍事について詳しくない方のために、まずは「イージス・アショア」ってそもそもなに?からお話。海上の「イージス艦」は耳にされた事がある方は多いと思いますが、あれの「陸上版」ですね。北朝鮮などからミサイルが打たれた場合に「迎撃」するシステムです。
導入閣議決定から中止に至るまでの時系列がこちら。防衛省のPDFの時系列と比較しましたが、合致しているのは確認しました。
注視の意思決定プロセスはNHK政治マガジンに記載がありました。安倍晋三回顧録の記載とも一致しています。
河野氏が防衛大臣に就任したのは2020年9月、第4次安倍第2次改造内閣からです。上記の時系列で言うと比較的終盤。ブースターの落下位置が計算できないという事態が判明したのは河野大臣就任後ではありますが、過去の防衛大臣時に「その技術的な瑕疵が発見できていなかった」面があります。河野大臣の前が岩屋毅議員、その前が小野寺五典議員。防衛省、および防衛大臣の失態だとは思いますが、河野大臣の前の2名も同様ではないかな。
勿論、これは河野大臣を擁護するという主旨ではありません。
1-12. なぜ外務大臣時の記者会見で「次の質問をどうぞ」を連発したのか?
これは私もうっすらとしか記憶になかったので、動画を探したところ外務省のYoutubeがありました。
河野大臣のブログに謝罪が掲載されています。
問題となる箇所について記載がありました。ただ、上記の動画でこの発言は確認は出来ません。
この回答は「メディアでどう扱われるか」は想定できる筈ですし、有権者に与えるイメージは決して良くはないです。記者がもし「答えられないのを承知で質問を投げかけていた」のであれば「冒頭にお話ししました通り、日露交渉の内容に関してはお答えできません」と述べれば、特に問題は起きなかったでしょう。メディアコントロール的に稚拙な対応だったと思われます。
1-13. 日本に飛来した気球のことを会見で聞かれて「気球に聞いて下さい」と答弁したのはなぜ?
当時の発言の動画がこちらです。
そして約3年後にも国会で立憲民主党の大西議員から質問を受けています。岸田総理が最後に状況報告をしておられますね。
これは、個人的には「元々の発言は国防上の質問を受けている場面なので、ジョークで回答する局面ではなかった」と考えます。
1-14.再エネタスクの経緯と大林ミカさんが委員に選ばれた理由は?
再エネタスクフォースの書類に、中国の国家電網公司のロゴ(電子透かし)が入ってて大騒ぎになった件ですね。公益財団法人「自然エネルギー財団」の大林ミカ事業局長が作成した資料との事。電子透かしのイメージがわかない方は、下記の画像でご確認ください。
大林ミカ氏の会見内容は産経新聞がわかりやすく報じておられました。
国家電網の透かしは、普通に日本の組織で働いて作成する場合は入りようがないです。自然エネルギー財団はアジアスーパーグリッドの推進組織であり、その推進組織GEIDECOの会長は「国家電網」の劉振亜会長、副会長がソフトバンクの孫正義社長です。
国会答弁の抜粋を国民民主党の玉木代表がX上でポストしておられました。2つ貼ります。
ここからは私見です。私が河野大臣を「評価できる面と、懸念する面が両方ある」と考えている要因の一つがエネルギー政策面です。また、この人選は非常に失点が大きいと考えます。
ただ、現時点では、これに関しては最終段階の実態解明まで行きついていないので「経過を見守る」しかありません。
1-15. なぜ再エネタスクの質問で「所管外」を連発したのか?
これも「メディアでどう取り上げられるか」は予想できたでしょうし、少し注意を払えば防げた事態だと思います。とは言え、相手も「答えられないのをわかっていて質疑を続けた」のは、なんともいやらしいですね。実際の答弁の様子はこちらです。
これ、実際は「外務大臣への質疑」の最中に「元外務大臣」という事で河野大臣に質問が飛んでいます。これは確かに所管外でしょう。過去にその職務を行っていたとは言え、不用意な発言をすれば「現在の外務大臣の方針に影響が出ないとも限らない」です。私見では、そのように答弁を行えばよかったのかなと思います。
1-16. コロナワクチンの後遺症の責任はとらないのか?
これで責め立ててる人は周回遅れです。2022年の年末に既に説明がなされています。
2. 私見
功績も失言も両方あると思います。私も全面賛同はしておりませんが、デマがあまりにも多すぎるのは間違いないです。また、政治家活動が長いため、ここでは網羅できていない分もありますので、Vol.2にて検証を続けます。