見出し画像

【あきやさん2冊目】(読書感想文)「一セットの服」で自分を好きになる

制服化スタイリスト、あきやあさみさんの2冊目の本を読んでいる。ヘッダーは、電子で呼んでいる最中の私です。可愛い顔してる〜。あ、嘘です。

この本は、よりファッションを内側へ内側へ掘り進め、悩む者を自らと向かい合わせる。それと同時に、空へ飛び自らの感覚を飛び越えた状態で、世界と、自らを向かい合わせる。ときに人は自分の気持ちを錯覚するし、自らを捉える目も、そうであれという希望につられて錯覚する。だからこそ、頭で考え、五感の全てで捉える。目で見る。目以外で見る。よく見る。

今回の本、全体的に『1からはじめる』『新しい私、デビュー!🌟』というよりかは、かなり内省的なところがある。それでいて、ファッションアイテムの実物と自分が接触することや、さらにすすんで深く交わることを推奨している。

自分を知る→ファッションの目的や『なりたい』や目指すすがたについて考える→今まで知らなかったものも選択肢にいれて、すべての中から時間をかけて選ぶ→繰り返し繰り返し身に着けて自分になじませる。

いきなり買わなくていい。じっくり自分と向き合う。自分の好きな服と向き合う。自分の好きなところと、向き合う。

といった、気持ちさえあれば生ハムの原木(ほぼ骨)で何時間でもワインが飲めるみたいな話でもある(違うか)。


第一章

私、いま靴をえらぶワーク中です。えらんだ3足の靴での生活を、はじめます。
第一章まで読んで、いてもたってもいられなくなりました。手持ちの靴をぜんぶ出してぜんぶ履いて、良く着る服3セットとあわせて確認して、選んだ靴。事前に予想していたものと、違うものが残りました。

選んだのは、利便性の良いゴム底の黒いローファーではなく、白い、金銀の飾りのついたローヒールパンプス。汚れやすいので履きたくなかったのですが、履いた私の解像度が上がっていました。そして、これを履きたいなら、ぜんぜん話が違ってくるじゃんと思いました。

バッグも数をしぼって使ってみようかなと思っています。アクセサリーはもともと、ほぼ2セットしかないです(1セットは季節ごとにイヤリング替えてる感じ)。

身につけたところを見る前と見たあとで、決断が変わるのが面白いですよね。

第四章

第四章のタイトルは、『服は、練習』です。1日過ごす、何回も身につけるというので、やっと分かることってすごく多いのですよね。それに、何回も着て愛着が湧いてくると、慌てて新しいもの買わなくてもいいと思えてくる。

服が増えていくのって、たのしいばかりじゃないです。

4/27に断服式をしましたけども、服で手放すものは今回はありませんでした。靴とか小物で少しばかりメルカリ出そうかな、というものがあったのですけども、もう何回繰り返したかわかりませんがほんとうに『手放す』というのが心からだるいです。
断服式を定期的にやるというのはそのことを必ず思い出させてくれるので、あらたにお洋服買おうかなというシーズンはじめにやるのはやはり正解と思いました。難しいですけどね。長く付き合わないと、深く付き合わないと、人もお洋服もわからない。
だけどいちどデートするだけでもわかることもあるわけだし、試着と比較は大事ですよね。


第五章

前回の本は『進研ゼミで見たとこだ!』な感覚で、今までどうしてもファッションに踏み出せなかったわれわれにファッションにとりくむとっかかりを与えてくれました。自分のスタイルを考えるのに、イメージしやすい内容だったと思います。今回の本は、より自分で導く系の内容になっており、人によっては、『結局どんなアイテムを買えばいいのかわからない><』『核になるアイテムはどれにしたらいいんだろう』などとなってしまうかもしれません。

でも世の中全てそうですけれど、自分ごととして真剣に取り組んだ人だけが、ほんとうに欲しいものを自力で手に入れることができると思いますし、再現性があると思うので。


服選んでる場合じゃないからこそ、真剣に、シビアに、服を選ぶ

この本を通して一番私に刺さったのは、『自分の人生に集中できる服』という言葉。

私はおしゃれではないですし注意力がとても散漫なのですが、毎日真剣によりよい人生について自分なりに悩んでいます。できないことを悔やんで、できることを1つでも多くしたい気持ちと、心身を休めたい気持ちで、ときにわけもなく泣きそうになるときもあります。

お洋服は可愛いとは思いますが、好きでも嫌いでもないのです。でも自分で服が気になってしまって、少し、集中力を奪われていたのかもしれません。

2021年9月に買ったジーンズを持っています。
買いたてのときは、合わせ方になやんだり、おめかしにはラフかな?と思ったり、こないだ着たしなと思ったり、時々履くペースで履いていました。
ここ半年くらい、一番頼れると気づいて毎週履いていたら、最初の3年を上回るスピード感で、かたくてしっかりしたはきごこちだったデニムが、レギンスみたいに柔らかく、どんな動きも受け入れてくれるようになってきました。わかりあえてきたな、と思います。それでいいんだなーと実感してきています。


意味ある自分と、素敵な誰かと、灰色で虹色な世界に乾杯したい。

いやぁ、今回のご本はすごかったね。
それぞれに読み取り方があるかなと思うけど、私はあきやさんが、メリー・ポピンズみたいに華やかに登場して、軽快に説きつつ、そのじつ、サリバン先生みたいにファッションの深淵を言葉にならない言葉で真剣に伝えようとしていると感じたんですよね。何もわからず絶望している人や最初から諦めている人も絶対に見捨てたくない気持ちが、あれもこれも伝えたい、助けになりたいというお気持ちが伝わりましたよ。

人生て生まれながらに持っているものとか才能とかお金とかいろんなことがありますけど、何ごとも自分主体になったほうが人生楽しいですよね🍀自分勝手になるという意味じゃなくて。


生きる意味を理解できたときにファッションは完成するのかもしれませんね。そして自己実現を続ける人のファッションは成長していくのかも。


……ときに、みなさんは魔法使えますか?
私はね、少し使えます。
人を幸せにする魔法です。使い方は秘密です。

……さて、唐揚げでも揚げてこようかな。


(邪念 2540文字)


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?