ちづ@道先案内人(奈良県通訳ガイドで現職占い師)

2020年奈良県地域通訳案内士/2023年奈良まほろばソムリエ。そして経歴13年の現職…

ちづ@道先案内人(奈良県通訳ガイドで現職占い師)

2020年奈良県地域通訳案内士/2023年奈良まほろばソムリエ。そして経歴13年の現職占い師/心理カウンセリングコース終了。現在この2つが生活のコア。共通点はどちらも人に何かを案内すること。より良くより深く人生を味わうお手伝い。パラレルキャリアを通して培った独自の世界観を展開。

最近の記事

真実をちゃんと観ているか?無意識の情報取捨選択について

2022年1月 私はある展覧会のスタッフをしていた。 『I was you, you will be me』というタイトルの現代アート作品の展示だった。 コンセプトはこうだ。 奈良のこの辺りにたくさんの古墳があり、埋葬品なども出土していることをヒントに、現在を見てみる。 すると、現在のテイクアウトの弁当の容れ物が古墳時代の土器に相当するのではないか。 そしてもし将来、これらが発掘されたら、現在はさしずめ『器-プラスチック時代末期』と呼ばれるのではという発想に基づく。

    • フェノロサ記念講演会 & 彼が見惚れた聖林寺・十一面観音追体験記

      最近フェノロサ関連に続けて参加したので、まとめて書いてみたくなった。 フェノロサは1853年アメリカマサチューセッツ生まれ。1878年にお雇い外国人として来日。当初は美術が専門ではなかったが、日本美術の魅力に魅かれ、徐々に日本美術品の保護に関わるようになる。 1.フェノロサ記念講演会 1888年6月5日はフェノロサが奈良市の浄教寺で公演を行った日。 講演タイトルは『奈良の諸君に告ぐ』 淨教寺では毎年この時期にフェノロサ記念公演会が行われている。 今回は来年の大阪万博に

      • 龍つながり? 猿沢池と室生龍穴神社

        今年は辰年ということで、社寺でもあちこち『龍キャンペーン』をやっている。 その流れが来たのか、先日「猿沢池に住んでいた龍が春日山経由で室生龍穴神社へ移った」話に辿りついた。『古事談』である。 ガイドでは采女が猿沢池に身を投げた話や采女神社が一夜で向きを変えた話は定番の案内に入っている。 春日大社の一の鳥居の北側にしか榊がない話も、聞かれればする。「猿沢池の龍が鳥居に止まって休憩する時に、尻尾が当たってこそばがるから南側にはつけない」 そう説明しながら、猿沢池に龍おった

        • なりたかった自分。そして、なりたい自分。

          やぶ蚊とハチが登場する前にと、今年もギリギリで庭の草抜きが終わった。 広くもない庭だが放っておくと雑草は勢いよく伸びて、すぐに蓬生(よもぎう)状態になる。 草を抜くという作業はストレス解消にもなるので嫌いじゃない。 が、草抜きをするといつも30代の専業主婦だった頃の自分に引き戻される。 当時の私は草を抜きながら,「このままで人生を終わるものか」と呪文のように繰り返していた。『なりたかった自分』を諦めきれず、このままなら死んだ方がマシだとさえ思っていた。 その時の『なりた

        真実をちゃんと観ているか?無意識の情報取捨選択について

          龍王山の懐深く、静かに眠る衾田陵:西殿塚古墳

          万葉まほろば線の長柄駅から東に向かい、県道を越え、萱生(かよう)集荷場前で山の辺の道に合流すると西山塚古墳が右手に見える。 ただ今、合同会社cofunia(西山塚古墳)さんが絶賛リノベ中。 秋には古墳の裾に泊まれるホテルがオープンの予定。 一昨年に墳丘で開かれた「西山塚古墳の活用を巡る妄想ミーティング」に参加したこともあって、私も楽しみにしている。 そこから桜井の方に道を取り五社神社で東に曲がると、目の前に南北に横たわる巨大な衾田(ふすまだ)陵が姿を現す。 全長230m

          龍王山の懐深く、静かに眠る衾田陵:西殿塚古墳

          観光とは『国の光を観ること』

          2020年から導かれるままに歩いて来て、気が付けば「ガイド業」の方へ辿り着いていた。 人と話すのは嫌いではないが、人の中にズカズカと入っていくのが苦手な自分には向いていないのでは、私にはいわゆる華がないな、と思って辞めたくなる時がある。 が、人に何かを伝えたい、気づかずに通り過ぎるものを知らしめたいという情熱は山ほどある。 正直、そのパッションだけで続けてるようなものだ。 それがある日、「観光」の語源を知って自分の目指すところがはっきりとした。 それまで観光地・観光バス