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新しいネオン -作品-③

この章最後は、目下興味津々のアールデコと、それに関連する建築とネオンを見てみる。

テキサス州ヒューストンのタワー。ネオン化されたアメリカン・アール・デコの一例。
出典 : Rudi Stern / Let There Be Neon

アールデコ建築の縦ラインに沿って「TOWER」のネオン。これは当時のベーシックというか、流行りだったのかなぁ?
タワーレコードもきっと、こんなところから来てる気がする、、と思ったらやっぱり↓

サクラメント市の映画館タワーシアター。この中のドラッグストアの一角からラス・ソロモンのレコード店が始まった
出典 : Wikipedia

どうやら、縦長の建物を「TOWER」と呼んで、それが目印の劇場の場合、タワーシアターとなるらしい。

※1927年に設計者S・チャールズ・リーによって設計されたタワーシアターは、ロサンゼルスで初めてトーキー映画(映像と音声が同期した映画)上映のために建てられた映画館。

ノーマン・フォスター(Norman Foster)率いるイギリスの建築設計事務所フォスター アンド パートナーズ(Foster+Partners)が、ロサンゼルスの歴史ある映画館をアップルストアに再生しました。
出典 : TECTURE MAG


1930年代初期、ロンドンの2つの店舗外観、クロードゲン・ネオンサイン。
どちらも「サンライト」と呼ばれる柄で、抑制されたエレガンスが人気を博した。
出典 : Rudi Stern / Let There Be Neon

サンバーストは、アールデコ色強めなモチーフ。私もこのモチーフで何かつくりたい!

ハーバートのドライブイン・レストラン、ロサンゼルス、1930年代。
「合理化」はスピードとテクノロジーへの畏敬の念と呼応した。
出典 : Rudi Stern / Let There Be Neon

今見ると、新しいと古いが合体した "懐かしい未来感" がたまらない!

ゼップ・ダイナー、ロサンゼルス、1930年代。ネオンがこの建築の楽しさを際立たせている。
出典 : Rudi Stern / Let There Be Neon

ストリームライン・モダンなカタチと、アルミで覆われた車や建物。確かにネオンがマッチしてる。

ダイマクションカー

ダイマクションとは?
「最小のもので最大を成す」という思想・理念を表すためにバックミンスター・フラーが造語した用語らしい。

エアストリーム
オハイオ州のジャクソン・センターで製造される、高級キャンピングカーのブランド。
出典 : Wikipedia
ライ・クーダー
アルバム「Ry Cooder」

ライ・クーダーは、この車がジャケットのアルバムに自分の名前をつけて、音楽の旅に出た♪

現代生活における芸術と技術の国際博覧会、エッフェル塔、パリ、1937年。建築家:
グラネ。ネオン制作:クロード・パス&シルヴァ、パリ。この博覧会のために、エッフェル塔は約32,000フィートの青、緑、ピンクのチューブで輪郭を描かれた。1925年、フランス政府は歳入の必要性から、エッフェル塔に電飾を施す権利をシトロエンに与えた。
出典 : Rudi Stern / Let There Be Neon

そもそもエッフェル塔は、1889年の第4回パリ万博での目玉プランとして、当時、鉄橋建設で高い評価を得ていたエッフェル社がつくったものらしい。
横に伸びる橋づくりを、垂直方向へ生かした、ということか。

1925-1934年の間、エッフェル塔にシトロエンがネオンを付けちゃってる。歳入の必要性かららしいけど、かっこいい!

1925-1934年のエッフェル塔

やっぱり、いい器があってのいいネオンなんだと再認識した。
絵描きの人は、絵の具の色を自らつくったりする。服をつくる人も生地を自分でつくったりする。でも、ネオンは既存の管を曲げるだけ。だからこそ、何を曲げるか、何に付けるか、に注力することが重要なんじゃないかと思った章でした。


※ 引用部分については、Let There Be Neonさんのご厚意により、直接許可をいただいています。


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