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相剣デッキ構築論~なぜ天威型を使うのか?


はじめに

いつもお世話になっております、かしわです。
相剣が好きでどんな環境でも相剣1本で戦い続けております。

私は天威型の相剣を普段から使用しており今年に入ってからは、
MDではEXW様【EXW】EXTRAWIN[公式](@EXW_MD)さん / X (twitter.com)主催のEXW杯優勝+闘技場に4度入賞

紙では日本選手権予選を優勝することができました!


今回は「なぜ私が天威型を使い続けるのか?」「相剣デッキを作る時のテーマカードや手札誘発の枚数配分」「初心者の方にお勧めしたい型」等について書いていこうと思います。初心者向けのところにも大事なことを書いてますのでお時間ある方は全文読んでいただけると嬉しいです。

これまでのnoteでは各カードの詳しい解説を行ってきましたが、今回は相剣の本質に迫る話について書いていきます。

それではお付き合いの程宜しくお願い致します。

※本記事はあくまでも競技で相剣を使うことを前提に書いております。
フリーで遊ぶ分にはどんな構築でも私はいいと思っているので、そこだけご了承ください。

また天威の使い方等については以前書いたnoteで解説しておりますので、先にこちらを読んでいただくと分かりやすいと思います。
あと読んでもらえると私のやる気が出ます。


私が天威型を使い続ける理由


これは私が普段使用しているリストですが、シュターナが入っているぐらいで他は特に変わったところもないシンプルな天威相剣です。

相剣といってもヴィシュダだけ採用している純構築烙印ギミックと合わせた気炎型等色々なデッキタイプがあると思います。
それでは何故、相剣大好き人間である私が昔から構築の変わらない天威型を使い続けるのか?


それは「天威型が一番相剣を活かすことができる」からです。



具体的に言うと相剣達が求めているものを全て天威側が供給でき、天威と合わせることによって相剣のパワーを最大限活かすことが可能になるからです。
現状のカードプールで天威以上に相剣のパワーを引き出せるテーマは存在しません。

では相剣達が何を求めており、また天威がどのように補助をしてくれるのかを4つ説明していきます。


天威を合わせるメリット

召喚権を使用しない


相剣を使うにあたって通常召喚権は非常に大事な要素になります。

レベル8のシンクロ体が一番アドバンテージを稼ぐ以上、確実に莫邪と泰阿のどちらかに召喚権を割くことになります。この時点で召喚権が被るテーマの出張は不可能と言えるでしょう。

主にこのレベル8シンクロ2枚を軸に戦っていく

その点天威モンスターは召喚権を使わずに展開や相手の妨害を踏みに行くことができ非常に優秀です。

ヴィシュダは分かりやすく妨害を踏みに行けますし、アシュナ+ヴィシュダorアーダラの2枚持ちなら相剣を召喚する前にレベル8シンクロを展開できるため、たとえ展開の途中で手札誘発による妨害をもらったとしても本命の召喚権から再始動が可能になります。

相剣の効果を余すことなく使用できるようになる


私が天威型を使う上で一番好きな理由です。
天威達が相剣の効果を最大限活かせるようにフォローしてくれます。

泰阿はシンクロ素材になった時にデッキから相剣か幻竜族モンスターを1枚墓地に送れますが、相剣カードには落として強いカードがないので天威が入ってないと基本的に何も起きません。

一応、相剣暗転や軒轅の相剣師は墓地に落としておくことによって泰阿のコスト除外と上手く合わせることができますが、そもそも泰阿でシンクロして落としていては即効性がありません。そのため純構築では有用な効果ではないのです。使えるとしたらプロートスの属性確保ぐらいでしょうか?

しかし天威を墓地に落とすとなれば話は別です。
アシュナを落とせば拳僧の1000打点を稼ぎつつ、アーダラによる除外からの幻竜回収で莫邪や龍淵のコストをまかなえたり、ヴィシュダで相手のカードをバウンスしたり、シュターナ等レベル4モンスターの供給が可能になります。急に選択肢が増えましたね。

また天威は墓地で効果を発動できるため、龍淵で捨てた時にも無駄にはなりません。コストがアシュナである場合にはシュターナを経由することでレベル8シンクロを出すことができ、レベル10シンクロ単騎だけではなく横に赤霄も追加することが可能になります。

皆様、承影を使っていてこんなシーンに遭遇したことはありませんでしたか?
「赤霄から龍淵をサーチして承影まで繋げたけど、これどうやって自分のターンに除外して承影の効果を起動するんだ?」

承影は他のカードが除外されると、相手の場と墓地を対象を取らずに除外する強力な効果を発揮します。ただし何かしらの手段で先に除外しなければなりません。

相剣で自分から除外できるギミックは主に赤霄と泰阿の2種類です。
しかし泰阿は赤霄を出すために使いますし、赤霄はいずれか1つしか効果を発動できないのでサーチ効果を使った場合は除外して無効にする効果を発動できません。

つまり順当に泰阿→赤霄→承影と繋げるだけでは承影の効果を起動できないのです。

そこで泰阿の効果でアシュナを落としておくと、龍淵とトークンが場に出たタイミングで墓地のアシュナ効果を発動することが出来、結果好きなタイミングでヴィシュダかアーダラの効果を使えるようになるため承影の起動役にもなってくれるのです。

赤霄で龍淵をサーチし泰阿でアシュナ落とし


龍淵とトークンを出しながらアシュナでアーダラをリクル


承影を出した後にアーダラを除外すれば承影起動!


上の3ケースから見ても天威は相剣にとってのベストパートナーと言えるでしょう

打点の補助


相剣の主な打点は
龍淵1200バーン+赤霄2800+バロネス3000で
7000ダメージです。
これだけでは1000打点が足りません。
手札にパーツが揃っているならば赤霄で相剣門をサーチし、墓地から相剣を蘇生すれば打点は足りますがいつも手札が揃っているわけではありません。
ただし天威が絡めば必ず拳僧が場に残るのでおまけで1000打点を供給してくれますし、龍仙女と合わせればさらなる打点UPに繋がります。
速攻で相手のライフを削り切る必要があるため打点の確保を大切になります。


幻竜族投入による事故率の低下


相剣は所謂複合初動デッキに当たります。一応龍相剣現のみは1枚初動なのですが、その他は全て2枚以上のカードと合わせなければ何も起きません。
そのため絶対に相剣+それを起動するための札を揃える必要があります。
余分なカードを入れている枠は基本的にはないのです。


スネークアイエクセルのように1枚で召喚したら展開できるわけではありません。

誘発持っていなかった時の絶望感が凄い

相剣は手札の噛み合いが命のデッキであり、環境の強いテーマと合わせたら強くなるようなデッキではありません。

他テーマと組み合わせれば合わせるほどデッキに不純物が増え相剣達の効果が発動できなくなり、結果強いカードを入れたことによって逆にデッキが弱くなっています。
正直な話そこまでいくなら相剣を抜いてしまった方がよいと思います。
この観点から普段使っているシンプルなリストに行き着くのです。

また私が後攻から勝つときは手札を全て使いきっている場合が多いです。
これは全ての手札を総動員して妨害を超えているからであり、余分なカードや手札コストの重たいカードがあったら捲れておりません。
相剣で手札に余裕を持たせて勝つことは基本できないので、極力使えないタイミングの多いカードの採用は控えるべきだと考えます。

少し脱線したので話を戻しますが、天威は上の3つの仕事をこなしつつ、幻竜族であるため相剣のコストにもなってくれます。
またレベル7天威は相剣が不在時にも、ヴェーラーやうらら等の手札誘発とシンクロして赤霄や七星龍淵になれるのもポイントが高いです。
幻竜族のテーマが少ないのもありますが、一番相剣と相性がいいのは天威だと私は思います。


天威のデメリット


当然ですが天威の採用はデメリットもあります。
好んで使っているので贔屓してあげたいですが、それは不公平なのでちゃんとデメリットも話していきます。

①アシュナの効果を使うと幻竜族縛りが付く

おそらく一番皆さんが気にされるであろうデメリットはこれだと思います。
この縛りによってバロネスが出せなくなったりと不自由を強いられるので敬遠される方もいらっしゃると思います。

②2ターン目以降自分の場にモンスターが残っている場合に死に札になる

天威達は場に効果モンスターがいると手札から出せません。そのため先行で出した赤霄が残っていると天威を出力できず、何もできない状況になります。また、ニビルやファンタズメイのような使うと自分の場に出てきてしまうカードも採用しづらくなります。

どうしても入れないといけない時のみ採用

③G受けが悪くなる

どうしても特殊召喚して展開するギミックである以上Gの受けは悪くなりがちです。


ざっと上げるとこんな感じでしょうか?
一応デメリットに関しての私の意見も書いておきます。

①の幻竜族しか出せなくなる縛りについては構築とプレイでなんとでもなると思います。というのも普段私が使っているリストのEXデッキを見てもらったら分かりますが、幻竜族ではないのはバロネスを含め3枚しか入っておりません。幻竜族のシンクロ体は数は少ないものの精鋭揃いであり、これだけで戦えるポテンシャルがあるため縛りはそこまで気にならないです。
また汎用リンクモンスターですが、そもそも相剣トークンの縛りでシンクロ体しか出せない+相剣自体がシンクロ出来ないと横に並べるのが難しいので出せる機会がほとんどない為こちらも不採用としております。

後攻での天威の強さを加味すれば上記縛りがあったとしても採用すべきだと私は考えます。

②の場にモンスターが残ってしまった場合に死に札になる点ついては、正直弱いシーンはあります。なので天威を握っている時はなんとなく勿体なく感じますが、赤霄や七星龍淵を対象に暗転を使ったりしてなるべく場を空にしてあげましょう。

③のG受けが悪い点ですが、そもそも相剣自体が莫邪召喚以外はG受けが悪い為今更気にすることもないと思います。龍淵効果にGを投げられた状態でシンクロまでいったら3ドローされますし笑

Gの止まりどころや誘発受けなども説明していきたいのですが、ここで話すと長くなってしまうのとタイトルの趣旨と変わってきてしまうのでそれはまた別のnoteで書いていければなと思ってます。


デッキ内のテーマカードと誘発の枚数について


ここからは相剣のデッキ内の枚数配分についてお話していきます。

私は数字が苦手で確率の出し方が分からないので、私の体感での話になるのはご了承ください。ずっと相剣を使い続けているのでそこまでは外していないと思っていますが、私の意見はあくまで参考程度にして皆様自身で判断するのがよいと思います。
今回は説明を分かりやすくするためにアシュナ不採用のリストにして見ていきます。

相剣・幻竜族カードは最低でも18枚以上


個人的には莫邪や龍淵のコストになる相剣・幻竜族カード(以下テーマカード)は18枚以上欲しいと思っています。
ちなみにこの枚数は白エクを含んでいない枚数です(なぜなら相剣でも幻竜でもないため莫邪と龍淵のコストにできないから)

よって白エクまで入れると21枚以上となり、デッキの半分以上をテーマカードで埋めることになります。

21枚でアシュナ不採用ならこんな感じ 参考程度に


では何故そんなに入れるのか?

それは天威の説明の時にもお話ししましたが、相剣が2枚初動デッキの為複数枚テーマカードを引けなければ何もできないからです。

またヴェーラーや無限泡影等の無効系誘発を握られていた際に、莫邪+龍淵の2枚だけでは貫通できませんが、ここに1枚テーマカードが増えるだけで龍淵で貫通できます。ここの違いはかなり大きく誘発耐性を高めるためにもテーマカードは多いほうがよいです。

普段私が使っている天威相剣は白エク含め計24枚のテーマカードが採用されておりますが、それでも手札事故はそれなりに起きます。
テーマカードを減らせば減らすほどデッキの安定感が落ちていくので、大会などの競技シーンで何戦も戦わなくてはならない時にはどこかで反動が必ず来ます。なのであまり減らすことは私は推奨しておりません。

手札誘発の枚数は13枚が限界


それでは先ほどのリストに手札誘発以外の必須カードを先に入れていきます。
手札誘発以外でマストになってくるのは墓穴2、抹殺1、強貪1~2(MDでは制限の為)の3種類であるため、これを投入したあとのリストが以下の通りです。

この時点で既に26枚埋まっています。ただしこれは私が言うテーマカードの最低枚数での話なので実際はもう少し埋まっています。
よってデッキが一番安定する40枚に抑えようと思った場合には、手札誘発は自然と11~13枚ぐらいに落ち着くはずです。

相手の展開を止めたいから手札誘発を増やしてテーマカードを減らしている構築をたまに見かけますが、あまり得策ではありません。

なぜなら手札誘発が13枚を超えると本当に事故ります。相手に動かれて負けるのが嫌だからと言って初動を減らして自分が動けなくなるのは本末転倒なので枚数についてはよく吟味しましょう。

以上の枚数配分で構築した際のリストがこんな感じです。
シンプルにまとまっていてキレイなリストになったと思います。
ここからテーマカードの変更や環境に合った手札誘発と入れ替えていけばいいでしょう。

ある程度の勝率を確保するには事故の少ないデッキを作る必要があります。
その課題をクリアするのに相剣ではテーマカード枚数が重要になるので、先行後攻両方で活躍でき且つ無理なく積めるテーマカードとして天威は相剣の相方に適任だと言えるでしょう。


初心者に勧めるべき相剣の構築


ここまでの流れからわかると思いますが、私が初心者に「相剣を使いたいがどんな構築がいいか?」と質問されたら迷わずこれを勧めます!



ドン!




はい、いつものシンプル天威相剣です。

個人的には手数の多さと安定感の両方を兼ね備えている天威型が一番強いと思うので、初心者の方にもお勧めしたいです。天威自体のレア度が低く安価で組める点もグッド👍

たまに「天威を入れたら手数は増えるが、その分展開や立ち回りの選択肢が増え難しいから採用しない」と言われますが、それは勿体ないです。

天威のメリットに気づいていてなお、わざわざ天威より弱いデッキを握るのは強くなるチャンスを逃しています。勿論何かしらのこだわりがある場合にはそれを貫き通してもらえば良いと思いますが、なければ天威相剣を回し続けたほうが良いでしょう。

遊戯王は強いデッキを作ったからといってすぐに勝てるようなゲームではありません。どのデッキもある程度の理解がなければ勝てないので、勝つためにはたくさん回して練習する他ないのです。

特に天威相剣は【構築2割:練度8割】のデッキだと個人的には思っているので回せば回すほど強くなります。早期に天威に触れて練習したほうが最終的な効率は良いと思います。 

とにかく無限にデッキを回せ!


どのカードから生成した方がよいか

ストラクがあるとはいえそれなりにURも多く初心者だと全てのカードを集めるのは難しいと思ったので生成する順番も書いておきます。

EXデッキで必要なURは順に

赤霄2枚目>バロネス>龍鬼神>ドラガイト>サイコエンド・チョウホウ

赤霄の2枚目とバロネスは必須なので必ず最初に作ってください。龍鬼神とドラガイトも優先度は高め。サイコエンドとチョウホウは余裕がある時に作ってもらえばいいです。

汎用URカードのお勧めの生成の順番は以下の通り

うららG>墓穴>無限泡影>抹殺>ヴェーラー

とりあえず他のデッキにも採用できるカードを先に作っておきましょう。
プロートスは汎用を生成した後で大丈夫です。

SRですがショウフクも必ず1枚は作っておきましょう。必須カードになります。

URが高すぎて全部入れられないときの代案

資産が足りない時に代わりに入れるカードも記載しておきます。

テーマカードでいけばメインは泰阿の3枚目、ヴィシュダの3枚目、暗転の2枚目を追加するのをお勧めします。

他だとURのヴェーラーの代わりになるSRのサイフレームセットソロモードでもらえる死者蘇生なんかも使いやすくて全然いいと思います。

誘発の中でも一番パワーがある
素引きしたらとりあえず嘆きます

またEXは拳僧の3枚目を入れておけばとりあえずOKです。

絶対にこのリストを完コピしないと勝てないというわけでは一切ないので、手元の資産と相談しながら代用カードを使ったりして組んでみてください。

※ただし龍鬼神とドラガイトを作る前にガンマを採用するとガンマとドライバーが場に出てもシンクロ先がいないので(赤霄とショウフクは素材縛りあるため)、何かしら用意しておいたほうがいいです。
他の縛りなしレベル8シンクロを入れるか先に龍鬼神を作ってしまうかはお任せします。

捲り札を採用しない理由


現代遊戯王では手札誘発を的確なタイミングで投げることが重要なポイント
になるので、誘発を減らして雑な捲り札を入れることは誘発を投げる練習をする機会の損失になります。ピタッと捲り札が刺さった時にはイージーウィンでき気持ちいいのですが、それをやっているだけでは遊戯王が上手くなりませんし、一生その成功体験に囚われて本質が見えてきません。

相剣の強みの1つに莫邪と七星龍淵のドローがありますが、先行で捲り札を引いた場合に完全に死に札になります。これが手札誘発であった場合は相手ターンの妨害になり勝ちへの一歩に繋がりますが、後攻でしか機能しないカードは引いても何の意味もありません。

先行で使えず、相手に刺さるかどうかすら分からないカードは使い勝手が悪くただの事故要因なのです。
なので高いURポイントを使って作成するのはお勧めできません。

先行のサンダーボルト

まとめ

以上が約2年間相剣と向き合い続けている者の見解になります。

相剣は決して弱いテーマでありません。基礎に沿った構築を使い、効果を最大限活かせられればそれなりに現代でも勝てる良いテーマです。
ぜひ皆さんも相剣達がフルパワーで戦える天威相剣を使ってみてはいかがでしょうか?
また、もし皆さんの周りに「相剣を使ってみたいよ」って方がいらっしゃれば本記事を勧めていただけると幸いです。

おわりに

今回もお付き合いありがとうございました!

元々は天威型のことだけを書こうと思っていたのですが、noteを書き始めて以降初心者の方々に構築などの質問を何度かいただき、困ってらっしゃる方がそれなりにみえると感じたので今回初心者向けの解説も付けました。

私は初心者さんに相剣を組んだことを後悔してもらいたくはありません。だってせっかく組んでくれたのに、勝てなくて面白くないから使うのを辞めてしまうなんてあまりにも悲しいではありませんか。だからこそ中途半端なものではなく私の思う一番強い構築を紹介しております。

簡単そうに見えてちゃんと練度の出る相剣デッキの良さを多くの方に感じていただきたいのです。

何か質問等あれば、DMやリプをいただければ私でよければ何でも回答しますのでお気軽にお声がけしてください。相剣使いが増えることを心から願っております。

それでは皆様よい相剣ライフをお過ごしください👋

Skebでおきるねさん(@yappa_neruwa)に描いていただいた白エクと莫邪

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