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超短編など

233
300文字程度の奴です
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記事一覧

カッコー♪

夜更かしをしていたら、
ハト時計からカッコウが出てきて、
「まだ寝ないの?」
と言われた。

なので僕は……
……
……
……
……
……
……
……
……
……
……
……
……
……
……
……
という具合に、
一分ぐらいよく考えて、
「まだ……いいや」
と返した。

そしたらカッコウは、
「うわー……」
とか、
「えー……」
とか、
「はぁ……」
とか言って、
呆れたようにハト時計の中に帰っ

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かえるぴょこぴょこ

こんなにも
かえるぴょこぴょこみぴょこぴょこな世界で、
あわせてぴょこぴょこむぴょこぴょこなことがあっていいのか。
僕はこの世界の行く末が心配だ。

今はかえるぴょこぴょこみぴょこぴょこ
あわせてぴょこぴょこむぴょこぴょこ
で良いのかも知れないけど、
この先の未来では
そうも言ってられなくなるだろう。
僕はそれを危惧しているんだ。

このままいけば間違いなく、
一部の人だけが、
かえるぴょこぴょこ

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本能

幼なじみの君が、
男子からモテモテの君が、
複数のお友達と
絶対に流行りそうにないダンスを目立つところでやっていた頃。
僕は、潰れた生き物を見ていた。

なんなんだろうか、この生き物は?
完全に潰れていて、
なんの生き物か分からない。
サイズ的には
ちょっとデカいカエルって感じがするけど、
なんかカエルじゃないっぽいんだよな。
僕が、じゃないっぽいって言ってるんだから、
じゃないんだよ多分。
じゃ

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なになに

何がしたいのか分からない私の
何がしたいのか分からない話ー!

という訳でね、
始まったんですけれども、
始まったと同時に
前髪を切り落としてみたんですけれども、
まぁそれは置いといて、
私この前どこどこのどこに
カエルのシールを貼りに行ったんですよ。
勿論、杖をついてね。
私、状態悪いから。
私ずっと状態悪いから、
杖をつかせてもらってます。

それでまぁ行ったんだけど、
いやー急に気が進まなく

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スパーク

なんだか体がシュワシュワするな
と思ったので、
試しにリストをカットしてみたら、
カットしたところから勢いよく、
ブシャー!
っと炭酸が噴き出てきた。

なので僕はそこを口で塞いでいく訳だけど、
その口の中に入ってきた味は、
完全にメロンソーダだった。
すっげー甘い。
ここで僕は思う。
僕はメロンソーダ人間だったのかと。
どうりでメロンソーダが一番好きな飲み物のはずだよ。

でもいつからだ?
子供

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あした:見た

『あした』

何が正しいのかは分からないけれど、
「漢字」という漢字が
十九画だってことは分かるし、
銀行強盗の目的が
「お金」だってことは分かる。
明日のことなんて分からないけれど、
明日のことを考えると
鬱々として気分が乗らない。
崩壊だ。
精神の崩壊だ。
明日なんて来な……来な……来なけ、
いやまぁ、来たければ来ればいいと思うけど、
銀行強盗日和にしてくれよ。
絶対捕まりたくないし、
完ペキ

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君に合って

まぁいいじゃん。
君はこの世界に合わなかったんだろ。
僕は最初から君がこの世界に合わないと思っていたよ。
君みたいなダルマを蹴って遊ぶのが好きな奴なんて、まぁ合ってないなって感じだよ。
ここは、スペシャルハッピーランランパラダイス王国だぞ。
君みたいな奴が居ていい場所じゃない。
去ってくれるんなら、それは良かったよ。

てか、殺殺殺殺王国に行くんだろ?
そこは僕が生まれ育ったところだ。
人殺しみた

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その感覚

いや、どうしたもこうしたもないというか、
オレは何一つ悪いことはしてないですよ。
向こうが勝手にやったことです。
オレは最初から無茶だと思ってたんですよ。
オレだけは最初から無茶だと思ってました。
オレはやっぱ分かってるというか、
見越す力があるな~って思います。
こうなることは完全に見越してました。
見越した通りです。
ん?
んー……いや止められなかったですね。
止めるっていうか別に止める意味が

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グミグミしている

いつも返り血を浴びたのかというような服を着ている女友達に連れられて、照明も内容も暗すぎる舞台を観させられた僕は、その観劇終わりに、「なにこれ? 出来れば僕は、ハッピーな気持ちにしかなりたくないんだけど」と女友達に文句を言った訳だけど、客席の照明が明るくなった瞬間、僕は女友達が腹部を包丁で刺して自殺していることに気付いた。
なので僕は、「なんだよ」と不満な顔をし、
女友達をそこに置き去りにして、どっ

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カタカタ

肩がカタカタ鳴っているなと思って肩を見たら、俺の肩のところで知らない男が歯をカタカタさせていた。
なので普通にビックリした俺は、
「こんな怖いことねーよ!」
と、その男にブチギレていく訳だけど、
その男は何をしてくる訳でもなく一目散に逃げていった。

いや、一体なんだったんだ。
ビックリしたわぁ。
それにしてもビックリした。
ちょっともう泣きそう。
泣きそうだわ俺。
ああいうことは満員電車とかでや

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KEN

けん玉少年のケンタ少年が
十連続でけん玉の技を失敗して、
「クソッ!」
と苛立っている、
そんなピリピリムードの中、
その横でけん玉少年のケンタ少年とは別の
ケンタ少年二人が
周りから恐れられている令花少女に、
「お前がケンタウロスの前の部分をやって、
お前が後ろの部分をやれ。
そしたら私がその背中に乗るから、
それで私を家まで送れ」
と命令していた。
「嫌」と言える感じではない。
ケンタ少年二人

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Believer

林田くんが隣の席で良かった。
林田くんが隣の席じゃなかったら今でも私、
戸締まりを怠ってたと思う。

ありがとう林田くん。
林田くんのおかげで家族バラバラの危機は
無事、免れたよ。

林田くんホントいつもありがとう。
私、林田くんがいなかったら今頃、
茶道部と写真部を掛け持ちして、
尚且つ、サッカー部のマネージャーをやってるとこだったよ。

林田くん助かったよ。
もう林田様って呼んじゃおうかな。

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思い出す

サメに喰われた友人のことを
思い出していた夜、その流れで、
大蛇に丸呑みされた友人のことも思い出した。そしたら、
ライオンに喰われた友人のことも思い出して、
更には、スズメバチに刺し殺された友人のことも思い出した。

他にも、
熊に喰われた友人、
シャチに遊び殺された友人、
強盗犯に刺し殺された友人のことも思い出した。
そうすると、そう言えば
強盗殺人で捕まった友人もいたなぁ、
なんてことも思い出

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Evaluate

君がどんな奴だろうと
僕は君の人間性を評価するよ。
それはもう血の約束だからね。
子供の頃に交わした血の約束だもん。
お互いどんなことがあっても人間性は否定しないようにっていう約束だもん。

だから君がここまでやってきたこと、
万引きや切りつけや恐喝、
その他にも色々あるけど、
そんな事実があっても
僕は君の人間性を素晴らしいと思うよ。

ああ、そうさ、
僕だって有名人に殺人予告を出して
何度も警

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