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【ナポリ④】ナポリの地下探検⑵ソッテラネア

地下探検パート⑴👇

カタコンベから、現代アート美術館の限定展示を挟んで、古代都市ソッテラネアへ!🚇

2.ソッテラーネア

「ソッテラネア」とは、ナポリの旧市街全域の地下にある遺跡のこと。
なんと、ナポリの地下が本格的に採掘されるようになったのは今から約2400年も前のことらしい!

大行列やけど時間なったら全員一気に入れた。

これも1時間毎の🇬🇧と🇮🇹語のガイドツアーのみ!
学割はなく、15€で2時間弱!

2-1 地盤はやっぱりTuffo

今まで何回もTuffo(凝灰岩)の話は出てきたけど、ここで初めてそのTuffoを積もらせた火山Campi flegreiの噴火の話を聞いた🌋

カンピ・フレグレイは、VEI(Volcanic Explosivity Index)でレベル8(MAX)を持つsuper volcanoに分類される。
数十万年も前から存在して、ナポリの西に幅約12キロのカルデラが広がっているという🤯  

地盤変位が起きている範囲80 km2 (🟦丸)
カルデラ (🟨点線)  引用:[1]

どれくらいデカいかって言ったら、約4万年前にネアンデルタール人を絶滅させた可能性があるくらいらしい😵

この火山について興味を持ったから色々調べてみた。

2016年にイタリア国立地球物理学研究所が、観測データ解析とコンピューターモデリングの結果から、「マグマが、ガスを放出する臨界圧力(CDP)に達している可能性がある」と発表したらしい。😧🌋[1]

そして2023年の論文では、小さい地震の数の増加と、カルデラ下のガス圧上昇による地面の隆起から、この火山の噴火する可能性はますます高まってるという。[2]

もしこの超巨大火山の噴火が大規模に起こったら、周辺地域への影響だけじゃなくて、火山噴出物によって太陽の光が遮断され、地球規模での気温低下が起こる可能性がある(参考: セシア渓谷の噴火跡など)🧐

そんな!超巨大火山が約4800年前に噴火した時の火山灰やスコリア・軽石が固まってできた凝灰岩(Tuffo)が、このソッテラーネア(ナポリ地下都市)の基盤になっている!

これがTuffo

2-2 ギリシア人が掘り始めた

紀元前3世紀ごろ、イタリア南部に進出したギリシア人は、新しい街、Neapolis(ネアポリス)に神殿や住居を建設するための資材として、この周辺で採れるTuffoを選んだ🔨

なんと、 地下40mの深さにこのソッテラーネアはある!!

そしてその空いた空洞は、地下埋葬室🪦として使われるようになったらしい。

2-3 ローマ帝国が再利用

ナポリが、ローマ帝国の支配下の時代になると、その地下に掘られた道は水道施設として使われるようになったらしい🚰

今は展示用に水が張られてる

457平方キロメートルもの敷地面積の貯水池?が地下に張り巡らされてたらしい!
なんと、それはポンペイ⛰️まで続いてるとか。長すぎん!?

細い煙突みたい!🏭

そんで、どうやってそんな地下水を管理してたかが衝撃🫢

当時6000人もの、細くて小さくて筋肉のある男性が連れて来られたらしい。
他の仕事としては、ロープ1本で細い穴を降りて🕳️水を綺麗にしたり、雨とかで水位が上がった時には放水して調節したり🏺、してたらしい!

2-4 第二次世界大戦での活躍

そこから長い間、この水道施設はナポリの人々の生活基盤として機能してきた。

しかし、1830年代に大流行したコレラのパンデミックにより、社会は混乱。
管理がもはや不可能となり、水道施設としては全く機能しなくなってしまったという。

その代わりに、当時問題になっていた大量のゴミ🗑️が地下に埋め立てられた。。
だから自分らが歩いてるのは、その時代のゴミの上らしい🫢

そして近代に入り、世界大戦が始まる。

海に面するナポリは、アフリカへの貿易接続地であり、かつ産業と通信の拠点として、特に狙われやすい都市だった。

住民たちは、防空壕としてこのソッテラーネアを利用した。約150,000人が避難できたという。
ここでは、そんな痕跡も見ることができる。

スマホのライトで照らしながら細い道は進む

昔は📱じゃなくてローソクやったらしい🕯️

そして、第二次世界大戦時のナポリの話も聞いた。

ナポリは、第二次世界大戦中、ミラノの次に多くの空襲を受けた都市だった。その数は約200回、民間人の死傷者は2万から2万5千人と推定されている。

しかし、決してナチスに屈することはなかった。

ナチスのナポリ占領後、たった4日間のナポリ人の蜂起により、ナチスドイツを撤退させたという。
ナポリの入り組んだ細い道は、戦車が通ることを阻み、この地下に張り巡らされた細い道を使うことで、対抗できたという。

2-5 現在、そして未来

今は、ナポリの歴史を知ることができる体験型の遺跡として賑わっている。
しかしそれだけではない!

現在、この湿度の高く、涼しい地下環境を利用した実験が行われている😮

🌱

なんと、この植物、太陽の光が当たらないのはもちろん、水を全くあげることなく育っているらしい!

周囲の湿気から水分を吸収し、人工ライト💡で光合成して生きている🌿
将来、農業開発とかに役立つことが期待されてるらしい!

現地では、この地下探検のあと昔からある住宅🏠に入って、最後のサプライズを知ることになるんだけど…😳

それは実際に行ってのお楽しみということで🤭

ナポリに来たら、是非!行ってみてほしい!超勧める!!!
約2時間のガイドツアー、大大大満足でした😌😌😌

参考文献

[1] “Potential for rupture before eruption at Campi Flegrei caldera, Southern Italy”, Kilburn, C.R.J., Carlino, S., Danesi, S. et al. Potential for rupture before eruption at Campi Flegrei caldera, Southern Italy. Commun Earth Environ 4, 190 (2023).
https://rdcu.be/dmSJT

[2] “This supervolcano in Italy last erupted in 1538. Is it about to blow again?”, Rebecca Ann Hughes et al.(2023)
https://www.euronews.com/green/2023/06/16/this-supervolcano-in-italy-last-erupted-in-1538-is-it-about-to-blow-again

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