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【本#2】アンダンテ『発達障害グレーゾーンまったり息子の成長日記』

こんにちは、三太です。

このnoteでは「吉田修一さんの作品をもとにした映画ガイド」を作っています。
もちろんこれからもそこが軸になるのですが、中学校教員ということもあり、仕事のベースは当然「教育」にあります。
そのため「教育」関係の本を読んだり、「教育」について考えたりすることは普段からたくさんあります。
せっかくならそれもアウトプットしてみたいなと考えました。
月に1本ペースぐらいで「教育」に関する記事(主に本のまとめになると思いますが)をあげていこうと思います。

今回はその2回目ということで・・・こちらの作品を読みます。

今、自分が「教育」で興味のある分野が「発達障害」です。
前回の「教育」シリーズの投稿でも「発達障害」に関わる本の投稿をしました。
もう少し続けてみようと思います。
(もしかして別の分野にも目移りするかもしれませんが・・・)

ちなみに今回この本にした理由も前回と同じで「書店で見かけたから」というのが大きな理由です。
また本の中に出てくる子どもがADHDの傾向を持つお子さんだったというのも選んだ理由の一つです。
ADHDの傾向を持つ生徒はけっこうたくさんいるような気がして、より自分の身に引きつけて読めるように思ったからです。


要約

本書は、保育園から高校受験まで親子で歩んだ5000日の記録です。
息子のまたろうくんはADHD傾向を持つ男の子。
子育ての試行錯誤の様子、保育士さんや教師との密なやり取り、そしてまたろうくんの成長の様子が詳細に述べられます。

感想

まずアンダンテさん(お母さん)の子どもを見る目が素晴らしいと感じました。
またろうくんのできること、できないこと、得意なこと、苦手なこと、どんな状況だったら上手くいくか、どんな状況だったら失敗するかなど本当に丁寧に見ておられます。
これはいくら親だと言ってもなかなかできるものではないなと感じました。
アンダンテさんのこのような姿勢が、きっと失敗はありつつも、一つ一つ前進していけたまたろうくんの成長につながったのだと思います。
教師としても見習うべき点だと思いました。

アンダンテさんと、保育士や教師とのやり取りも絶妙だなと思いました。
保護者から要求だけされると、聞く側はしんどくなるのですが、一緒に子どもを見ていく姿勢が最初から最後まで貫かれているので、その点が素晴らしいなと。
また、連絡帳(手帳)の効果も絶大でした。
またろうくんはどうしても色んなものを忘れてしまいます。
連絡帳に書くことも忘れますが、連絡帳自体も忘れます。
連絡帳自体を忘れてしまうと元も子もないのですが、それでも連絡帳に必要なものを書く習慣を親と教師とともにつけていくことは、日常をスムーズに過ごしていくために重要だと感じました。
連絡帳(手帳)は物の管理のできる子にとってはあまり必要ないかなとこれまで感じることもあったのですが、そんな子も含めてとても重要なツールだと再認識できました。

本書ではまたろうくんが保育園に通っていたときからの様子が綴られます
そのためADHD傾向がどのように行動に現れていくか、あるいは見えづらくなっていくかも明らかにされています。
またろうくんの場合は、中学生になって発達検査をすると、そのADHD傾向が人並みになる部分もありました。
そんな風に変化していく(現れ方が変わる?)ことも知ることができて良かったです。

監修として、柳下記子さんという専門家の解説も付けられているので、アンダンテさんの取組もしっかり意味づけられてこちらも理解できます。
 
今回はアンダンテ『発達障害グレーゾーンまったり息子の成長日記』の紹介でした。
親子が共に歩んだ5000日をじっくり味わえる読書体験でした。
 
それでは、読んでいただき、ありがとうございました。

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