産業界10社と連携
分子科学研究所(愛知県岡崎市)は、大森賢治教授が主導するグループの成果を用いた「量子コンピューター」の開発を目指して「事業化検討プラットフォーム」を設立した。企業や金融機関など10社の参画を得て事業化に向けた活動を始めた。
参画するのはblueqat、日本政策投資銀行、富士通、グルーヴノーツ、浜松ホトニクス、日立製作所、日本電気など。スタートアップの設立のほか、国産量子コンピューターの開発、実用化研究、サービス展開といった事項について、参画各社の強みを生かした助言や支援を受ける。
量子コンピューターは従来型計算機では難しい領域で超高速計算が可能として期待されている。世界中でさまざまな方式による開発競争が進む。近年、注目が高まっているのが「冷却原子方式」。大森研究室はこの方式で世界をリードしている。
大森教授は「プラットフォーム立ち上げを機に開発を一層強化し、一日でも早く社会に貢献できる量子コンピューターを生み出せるようまい進したい」と話す。【岡崎発★研究所ウオッチ】