僕は自分に問いかけてみた
「タロー行くぞ」
散歩に行こうと靴を履いて玄関を出た時に母親が
「おさるーー電話!!」
「え?誰?」
「玉城さんだってぇ~」
彼女だ。
「あ、後でかけるって言っといてぇ」
「わかった」
そのまま行こうとしたけど・・ちょ、
「ちょっと待って!!やっぱり出るわ」
「何よぉ~」
慌てて靴を放り出して駆け上がる僕に母は変な顔をしていた。
僕は咄嗟に今出ないとまた彼女の機嫌が悪くなると思ったからだ。
「もしもし」
彼女は他愛もないことを喋りだした。
もう15分か・・・
まだ続きそうだ・・
足で壁を蹴って母親を呼び出した。
「何?」
僕は身振り手振りでタローの散歩に行って欲しいことを母親に伝えた。
「さぁさぁ、タローお母さんと散歩行こうねぇ~」
僕の持ってる受話器にわざと口もとを寄せて言ってきた。
「え?今のお母さん?」
驚く彼女に僕は焦った。
「いや、何でもない!こっちの話だから」
僕がバイトの日は遅くにかかってくることもある。
こんな日が続くと・・
「学校で喋るだけ喋ってから帰って来い!!」
父親の怒りの声が飛んだ。
電話はリビングの横の廊下に置いてあって喋りづらい・・
「はぁ~」
僕は交換日記に書くことを考えていた・・・・
学校に行ってバイトに行って特に変わったことなんか何もない。
何で彼女はそんなに喋ることや書くことがあるんだろう?
何か面倒くさい・・僕は本当に楽しいのか?
いつも機嫌が悪くなる彼女に僕はいつも気を使っていた気がした。
つづく
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