じぇんがnote

30代医療職やっております。 読書を通して学んだことを取り上げます。「仕事・人生論」「…

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30代医療職やっております。 読書を通して学んだことを取り上げます。「仕事・人生論」「教育・子育て」「健康」3つのテーマをバランスよく積み上げていければと思っています。 週2回(火、金)更新していきます。

最近の記事

そこにあるのはそれぞれの事情「家族じまい」書評・感想

おはようございます。本日は桜木紫乃さん著書の小説「家族じまい」を取り上げたいと思います。 これまで書籍でも「認知症」「高齢期」「人生の最期」を題材としたいくつかの書籍を取り上げてきました。これらに関連する小説はないものかと探していて出会ったのが本書でした。「家族」を「しまう」というタイトルからは、高齢期の介護、墓守、後継ぎや相続といったことが想像できますね。そんな想像は数ページで置き去りにし、一見ありそうで中々ない視点に度々驚かされます。何より家族というテーマを描きながらも

    • 何に違いがあるのか「欧米人に寝たきり老人はいない」要約・所感②

      おはようございます。本日も宮本顕二さん宮本礼子さん共著の「欧米人に寝たきりはいない」を取り上げたいと思います。 前回のnoteでは日本の終末期医療の実態についてまとめました。今回は本書のタイトルにあるように欧米の終末期についてみていく内容としたいと思います。 著者が欧州豪6カ国の終末期医療の現場に実際に足を運んで得た知見に触れることが出来ます。私なりに学んだことをまとめておきたいと思います。 1.欧米に寝たきり老人はいない 著者が初めて欧州の終末期医療を視察したのは北

      • 日本の常識は欧米の非常識「欧米に寝たきり老人はいない」要約・所感①

        おはようございます。本日は宮本顕二さん、宮本礼子さん共著の「欧米人に寝たきりはいない」を取り上げたいと思います。 著者のお二人は医師であり、「高齢者の終末期医療を考える会」立ち上げその代表を務められ日本の終末期医療を変えるための活動をされています。 終末期医療について考えたことはあるでしょうか。それは自分の人生の最期を考えることと同じです。本書では日本の終末期医療の実態とかかえる問題、そして世界の終末期医療について学ぶことができます。「日本の常識は、世界の非常識」本書読後

        • 人間らしさを大切にする学問「ミクロ・マクロの前に今更聞けない行動経済学の超基本」 要約・所感

          おはようございます。本日は橋本之克さん著書の「ミクロ・マクロの前に今更聞けない行動経済学の超基本」を取り上げたいと思います。 行動経済学ということば、私だけかもしれませんが最近良く見たり聞いたりするようになりました。経済学とどのように区別されているのか?どんな学問なのかと興味が湧き、その入門書である本書を読んでみました。 学問なので少なからずお堅いイメージがありましたが、読んでみると人間らしい学問というのがよく分かります。誰もが失敗したり、悩んだりしたことがある身近な事柄

        そこにあるのはそれぞれの事情「家族じまい」書評・感想

          日本が陥る大国病とは「13歳からの地政学」要約・所感

          おはようございます。本日は田中孝幸さん著書の「13歳からの地政学」を取り上げたいと思います。 これまでにも地政学に関する書籍は取り上げました。本書の特徴はタイトルにもあるように中学生でも分かる語り口である事、ストーリー仕立てである事から非常に分かりやすくサクサクと知識が入ってきます。 高校生と中学生の兄妹が街のアンティークショップで見かけた古い地球儀に一目惚れするところから話が始まります。店主である博識のおじいさんとの関わりから二人の成長を見届ける中で多くのことを一緒に学

          日本が陥る大国病とは「13歳からの地政学」要約・所感

          太陽が2つある星のカレンダーを想像してみて「宇宙人と出会う前に読む本」要約・所感

          おはようございます。本日は高水裕一さん著書の「宇宙人と出会う前に読む本」を取り上げたいと思います。 「全宇宙共通の教養を身に着けよう」と副タイトルにあるように、宇宙をテーマに天文学をはじめ物理、科学、生物、数学等が学べる理系本です。 物理や科学が苦手な私にとって理解することは難しく感じましたが、内容としてはストーリー調の設定が秀逸で読み進めやすかったです。 簡単に言うと、惑星際宇宙ステーションに地球チームの一員として乗り込んだあなたが、そこで遭遇する宇宙人が繰り出すさま

          太陽が2つある星のカレンダーを想像してみて「宇宙人と出会う前に読む本」要約・所感

          死を考えるのは生を考えること「在宅死のすすめ方」要約・所感

          おはようございます。本日は「在宅死のすすめ方」を取り上げた気と思います。 これまで多くの書籍で取り上げてきた少子高齢化問題ですが、今回は少し違う視点も見ていきたいと思います。高齢化を突き進む日本では、いずれは年間150万人の方が亡くなる多死社会を迎えます。そんな社会では医療機関で亡くなる方よりも自宅で亡くなる方が多くなってきます。 そんな時代への準備として今のうちからの在宅ケアを取り巻く状況を知り、在宅死のすすめ方を理解しておきましょう。いずれは必ず訪れる自分や大切な人の

          死を考えるのは生を考えること「在宅死のすすめ方」要約・所感

          自己理解を極める「世界一やさしい本当にやりたいことの見つけ方」要約・所感

          おはようございます。本日は八木仁平さん著書の「世界一やさしい本当やりたいことの見つけ方」を取り上げたいと思います。 やりたいことが見つからない。若い世代でこの悩みを抱えている人が多いといいます。 やりたいことが見付からない原因は、思い込みとその見つけ方にありました。 著書の八木さんはもともと自分が好きで強みであった自己理解を追求し、独自のプログラムを開発されました。「夢中になれる人を増やす」とやりたいことが見つからず悩んでいる人を救う活動をされています。 自己理解を体

          自己理解を極める「世界一やさしい本当にやりたいことの見つけ方」要約・所感

          障害者が支援を外されるとき「格差と分断の社会地図 16歳からの日本のリアル」 要約・所感

          おはようございます。本日も前回に引き続き石井光太さん著書の「格差と分断の社会地図 16歳からの日本のリアル」を取り上げたいと思います。 前回のnoteでは日本でも格差が広がってきていること、教育・職業の格差、国籍の格差についてまとめていきました。 今回は「障害者が支援を外されるとき 福祉の格差」をテーマにします。これは個人的にも仕事と関わりが深い部分なので深く刺さり学ぶ事が多い部分でしたので、個別に詳しくまとめておきます。 1.障害+虐待=問題行動 児童自立支援施設と

          障害者が支援を外されるとき「格差と分断の社会地図 16歳からの日本のリアル」 要約・所感

          日本散らばる格差「格差と分断の社会地図」要約・所感 

          おはようございます。本日は石井光太さん著書の「格差と分断の社会 16歳からの日本のリアル」を取り上げたいと思います。 石井光太さんの書籍をとりあげるのはこれで2回目になります。石井さんは国内外の貧困、災害、事件などをテーマに取材と執筆活動を行うノンフィクション作家であります。 本書では日本に存在する格差と分断を高校生でも分かる語り口で伝えてもらえます。自分周りの世界だけ見ているだけでは気がつくことも知ることもできない事実がそこにあります。 本書で紹介される分断を一部です

          日本散らばる格差「格差と分断の社会地図」要約・所感 

          認知症のレジェンドが認知症になった「ボクはやっと認知症のことがわかった」要約・所感

          おはようございます。本日は長谷川和夫さん著書の「ボクはやっと認知症のことがわかった」を取り上げたいと思います。 長谷川式簡易認知機能評価スケール(HDS-R)とは、日本の医療機関で認知症のスクリーニング検査として一番利用されている検査スケールです。本書はその生みの親であり、認知症界のレジェンドである著者が自らも認知症を患らわれて晩年にお気持ちを綴った本になります。 残念ながら、長谷川さんは2021年にご逝去されております。生涯を認知症ケアに捧げてきた方が自身の経験をもって

          認知症のレジェンドが認知症になった「ボクはやっと認知症のことがわかった」要約・所感

          目覚めさせよう長寿菌「最高の睡眠は腸活で手に入る」要約・所感

          おはようございます。本日は辨野義己さん著書「最高の睡眠は腸活で手に入る」を取り上げたいと思います。 日頃、良い睡眠はとれていますか?昔から「快食・快眠・快便は健康のバロメーターだ」とよく言われます。これまでも腸内フローラや腸内環境に関わるnoteをいくつか書いてきました。今回は睡眠と腸活のお話です。 よく眠れない理由は何か?ひょっとすると腸内環境にかるかもしれません。本書は国立研究開発法人理化学研究所名誉研究員である辨野先生から良い睡眠を導く腸活のヒントが学べます。

          目覚めさせよう長寿菌「最高の睡眠は腸活で手に入る」要約・所感

          認知症は40%予防できる「科学的に正しい認知症予防」要約・所感

          おはようございます。本日は浦上克哉著書の「科学的に正しい認知症予防」を取り上げたいと思います。 日本では今後10年以内に認知症の人が700万人を超え高齢者の5人に1人が認知症という時代が来るとされています。いわば親族や知り合いの中で認知症の人がいるのが当たり前の社会になります。しかし少子高齢化の進行する日本では、支え手となる若い世代が十分なほど介護人材へとやってくるとは思えません。私達は一人一人の、自助努力による認知症の予防はますます必要となってくるでしょう。 本書の著書

          認知症は40%予防できる「科学的に正しい認知症予防」要約・所感

          少子化を多角的にみる「世界少子化考 子どもが増えれば幸せなのか」要約・所感 ②

          おはようございます。本日も毎日新聞出版の「世界少子化考 子どもが増えれば幸せなのか」を取り上げたいと思います。 前回のnoteでは、世界各国の少子化事情やその対策を紹介するの形でまとめました。 今回はそもそも少子化はなぜ起こるのか?少子化は絶対悪なのか?そして最後に改めて日本の少子化を考える。  この点に焦点をあてて本書からの学んだことをまとめて行ければと思います。 1.少子化対策が難しいのはなぜか? 社会が豊かになれば少子化は進む。これは先進国の経済成長と人口動態

          少子化を多角的にみる「世界少子化考 子どもが増えれば幸せなのか」要約・所感 ②

          各国の少子化事情を知る「世界少子化考 子どもが増えれば幸せなのか」 要約・所感 

          おはようございます。本日は毎日新聞出版の「世界少子化考 子どもが増えれば幸せなのか」を取り上げたいと思います。 今年の3月に「2022年日本の出生数が80万人を切った。想定よりも8年はやいペースで少子化が進行」このニュースを皮切りに岸田政権も「異次元の少子化対策」と称し政策へと舵を取り、国内では様々な議論が起こっています。 一方で国外に目を向けてみると日本と同様に少子化に悩む国もあれば、対策を講じて歯止めをかけた国もあります。そうした国々は日本と何が似ていて、何が異なるの

          各国の少子化事情を知る「世界少子化考 子どもが増えれば幸せなのか」 要約・所感 

          コミュ力に対する思い込み「人は聞き方が9割」要約・所感

          おはようございます。本日は永松茂久さん著書の「人は聞き方が9割」を取り上げたいと思います。永松さんの書籍を取り上げるのはこれで2冊目になります。 今回は聞き方の本。会話は話す側と聞く側で成り立っています。世の中には話し方教室や話し方に関する本は山のようにある、一方で聞き方に関する本は圧倒的に数が少ないです。本当は一番大切で、一番役に立つにも関わらず… 本書からの学んだことを以下にまとめておきたいと思います。 1.コミュ力に対する思い込み コミュ力が高い人を想像するとき

          コミュ力に対する思い込み「人は聞き方が9割」要約・所感