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【人生のOB訪問】62日で50人に話を聞きに。

僕にとっての就活は、内定をもらった後から始まりました。
もちろん人事には内緒です…😅

人生のOB訪問をするに至った理由。それは、就活直前に遡ります。

昨年、就活始める前に唯一決めたこと

"就職のために就活をするのは絶対イヤだ‼️"

就活をやる、と腹を括った時に決めました。
しかし、そもそも大前提として悩みのタネはその前から芽を出していました。

問題① 就活をする? or しない?

就職しない、という選択肢も考えました。
起業をする。芸術の道を目指す。大学院で学ぶ。世界旅行をする…。

本音を言うと、仕事をしなくて良いのであれば仕事をしたくないな〜と思ってしまいます^^;
"仕事として"やりたいこともありませんし、行きたい会社もありません。

ただ、新卒というブランドの強さや、大学院や休学中に東京オリンピックが過ぎると就職が難しくなるかもしれない、と親から言われ、就活をすることに決めました。

そうです。
恥ずかしながら就活をしようと決めたのも親に言われたからだったのです。

問題② 就活を何のためにする? 

続いてぶち当たった壁は、就職のために就活をするのか?という問題です。
それは嫌でした。
なぜなら、「全っ然、楽しくない!!」と思うに決まっているからです。20年間付き合ってきた僕が言うのだから間違いありません‼️
今思えば、全部不採用だった時の言い訳を作りたかったのかもしれません。

それでも僕は、就活を人生経験のためにやろうと決めました。
だって"あなたの会社のこと、全然知りません‼️"状態で、堂々と本社に入れたりその会社の人から話を聞ける機会は就活生の今だけなんですから。

問題③ さぁて、どの企業を受けようか!

いよいよ就活っぽくなってきました。エントリーシートを提出する段階です。
行けたら良いな、という業界として食品メーカーだけは決めました。高校時代に留学した東南アジアでも、日本の食品メーカーが進出しており所謂"説得力のある"志望動機を語れそうだったためです。

それよりもメインはこっち!
さて、どこの会社の話聞きたいかな〜♪

エントリー先

きっと将来お世話になる医療機器メーカーのトレンドを知りたい!
工場見学でよく見るすごいロボットを作っている会社面白そうっ♪
あのゲーム会社のパンフレットは毎年話題になっていて面白いらしい!

飛行機のパイロットや、JICAや JAXA、オリエンタルランドや近所のスーパー、好きなアニメの制作会社や自分の大学など、話を聞くのが面白そうな会社の説明会や選考へ。

お陰で普段は聞けないような業界の裏話や、実情など沢山聞くことができ楽しい就職活動をすることができました😆

結果的に、第一志望と決めていた食品メーカーは落ちてしまいましたが、運と縁に恵まれて、いくつかの内定をいただけました。それが6月下旬の出来事です。

問題④ 内定辞退できるか…?

本当に心から幸せなことだと思っています。内定が得られず苦労している友達が身近にいる中で、自分を好意的に受け入れようとしてくださる企業が複数あるなんて。ましてや、早い段階で内定を下さった企業があったことは、どれほど心強かったことか。他の企業の採用が終わるまで待ち続けていただきました。今でも感謝しきれません。

どの会社の選考を受ける時も、一回一回大切に本気で向かいました。前夜は眠れなくなるくらいバクバクしましたし、結果の連絡がくるまでドキドキして授業の内容なんて全く覚えていません。

反対に、エントリーシートの段階から数えると途轍もない数の企業から不採用通知も受け取りました。メールの通知が来ると、開きたくないという衝動にかられ、知らない番号から電話がかかってくると、テンション上げて明るく電話に出て。

食品メーカーで一番行きたいと思っていた会社から不採用の電話がかかってきたときは友人との食事中でしたが、涙が止まりませんでした。不採用なのにわざわざ電話をかけてくださったこと、心から感謝しています。

そして、6月中に2社まで絞りました。

問題⑤ さぁ、どっち? 二社択一。

少し興味のあった食品メーカーの営業を選ぶか、
きっかけは記念受験だった事務員を選ぶか?

色々な人や場所に行って知見を広めることは好きなので、積極的に外に出て相手の課題を解決するためにオリジナリティとクリエイティビティを発揮する食品メーカー?
それとも今の時代では珍しい比較的安定していて給料も良い、割と得意な淡々とPCに向かって書類作成を続ける事務作業??

内定時点でわかっている情報を相対的に比較していきました。その一部です。

比較

どうしても決められません。
僕は小学生の頃から、家庭を持ち子育てを頑張りたいと思うことは何度もありましたが、自分が働く姿は一度足りとも想像したことがありませんでした。
本当にどちらの企業も魅力的であり、選ぶことができなかったのです。

この時ふと気付きました。
自分は、今までの人生で悩んだことがない。
受かりそうな範囲で受験校を決め、受かった中で一番偏差値の高いところへ進学。
高校で留学を決めたのも親に勧められたから。

それなら。
人生で一回くらいは自分の人生について悩んでも良いのではないか?

辞退が遅くなればなるほど、先方の人事担当者には迷惑をかけてしまうけれど、今だけは。今だけは本気で悩みたい。

そう思い立ち、就活中は一度も行わなかったOB訪問をしようと決めました。

⭐️⭐️人生のOB訪問スタート!⭐️⭐️

〜タイトルにした話。ここから本題です〜

就活では、耳にタコができるほど自己分析やOB訪問の重要性を謳われます。正直、どの程度やれば良いのかわかりませんでしたし、OBに会って何を聞けば良いのか。そもそも連絡したところで返信が来るのか。

事実、結局やらなくても選考は進んで行きました。
就活で必要だと言われていたことは、就活では必要ありませんでした。
僕には、人生において必要なことだったのです。

内定辞退の期限は、本来は6月末ですが10月1日の内定式までには絶対に結論を出さなければいけません。
7月・8月のたった2カ月間(62日間)ですが、できるだけ多くの人に会い、8月31日までに1社に決める。
そのように決め、幅広い業種・年代の方100名程に思い切って連絡をしました。

最終的に話を聞かせていただけた人数は約50人に加えて、講演を聞きに行った10人の合計およそ60人でした。
僕のような無名の学生のために時間を割いてくださった方がこんなにもいたこと、大変恵まれていました。
経営者の方が多かったのですが、なるべく幅広い方々の知見を得られたことは大変勉強になりました。

職業

とにかく人に会う! その中での変化

未熟な大学3年生たった一人では持ち得ない視点を得ることで少しずつ自分への理解に変化が生まれました。

私は漠然と、他の人が思い付かないような発想力を培いたい、活かしたいと考えていました。
様々な方々と話す中で、少しずつ深掘りされていきました。
どちらかというと1を10にすることよりも、0から1を生み出す方が好き。
仕事内容に置き換えると、圧倒的に事務職員よりも営業の方が楽しそうだと感じます。ただ、営業の仕事はあくまで1を10に仕事であり、0から1を仕事ではないのでは、というモヤモヤを抱え始めました。

続いて、仕事上で自分のアイディア力を活かしたいのか/活かせるのか。
今の時代、プライベートでもいくらでも情報発信をすることができる。

0から1の知的財産を生み出す場合。
雑誌の枠を争う万人にウケるコンテンツではなく、最近はネット上などニッチに強烈な人気を得られるコンテンツの方が将来性が高くなってきている。また、仕事としてやりたいのか趣味としてやりたいことなのか。
例えば絵の場合、何千年もすでに研究尽くされてきているため開拓の余地が少ない。その点新しいVRなど未研究の分野であれば比較的容易に0から1を生み出せる可能性が広がっている。どの分野を選択するかも重要。

一方で、創作活動をしていきたいのであればクリエイティブに関わる方達との人脈をつくるというのも非常に重要。
事務職員ではなかなかそういう人に出会う機会がないが、メーカーであれば広告代理店などの人と取引をしたり異業種交流などをしたりと人脈を広げやすいのではないか。
働いたことのない僕にとって、それぞれの会社におけるステークホルダーを通じての人脈作りは考えにありませんでした。

これらを通じて、思い至ったことがあります。
人脈やスキルを本気で手にしたいと考えるのであれば、仕事関係なくプライベートでも積極的にコミュニティを増やして行動することができるのではないか? という仮説です。

事務職員なんて潰しが効かず、手に職もつかず、向上心のないサラリーマン の墓場のような場所だという意見もありました。
だからこそ、背水の陣となり自己啓発をし続け一発勝負をかけることもできるかもしれない。
もしくは、前時代的で保守的な今の風土では、将来落ち込む一方のためブルーオーシャンとなる開拓使の役割を担って改革をしていく道もある。

明日も頑張って生きてみようと思えてきた

僕はどこか、今死ぬことになっても良いや、と考えている節があります。
長生きはしなくて良いし、苦しまなければ今死んでも良い人生だったと思える、と。

バイオリニストやバレリーナの話を聞くと、22歳から始めるには遅すぎる年齢。バレエは身体的な制約もあり日本人というだけでどうしようもない部分がある。
その点、僕がやりたいことは年取ってから取り組んでも始められるイラストや物語を描くこと。

マイナースポーツで日本一になった方の話で印象に残ったことがあります。
その競技を始めた時は、ほとんどの人が「日本は環境が整っていないから」とマイナーのままである故世界でも活躍できないと嘆いていたのだそうです。
環境のせいにしたくない、と心に決め、その人たちと同じ環境下で世界と戦えるようになってやる。そして日本一になりました。
そうすると、今度は「あなただからできたんだ」と言われるようになってしまったそうです。
同時に、後進には見て学んでもらうために常に見られているということを意識するように変化したともおっしゃっていました。

僕と同い年で既に起業して何年も事業を継続している方は、史上最年少上場が現実味を帯びてきて、今の目標にしていると話していました。

僕はまだ働いたことがありませんでした。
そして、今死んでも満足な人生だと思っていました。
しかし、同い年や年下の人もそれぞれの世界で本気で目指すものがあり取り組む姿を聞いていると、僕までもうちょっとだけ頑張れそうな気がしてきます。
まだ死ぬ訳にはいかない。やりたいことがブクブクと次々に浮かび上がってきました。

OB訪問で得られたこと

①自己ブランディングの必要性
思い切ってメッセージをお送りしましたが、実現しなかった50人を通じて強く痛感したことがあります。
1度会っただけであったり、人伝で連絡先を教えてもらったりした人たちが多い状況です。
そのため、知らない学生から来たメッセージに返信をしないという選択肢をとるのが普通ではないかと思います。返信をするという時間と労力を割く相手ではないからです。

そうです。僕に会うメリットは何一つありませんし、返信をするような義理もありません。唯一あるとすれば"学生だから"という一点のみです。
今の自分には、会いたい人に会う権利すら与えられていないという現実を突きつけられました。

そんなことは勿論わかっていました。わかっていたのでとにかく思い切ってメッセージを送れました。それでも50%もの方がお会いしてくださったのは、"学生だから"という点に他なりません。

僕自身には何も強みもブランドも無いのです。

その分、都合がつけられないと言う旨の返信をくださった方がいたことには衝撃を受けました。
その中には、メール上で何故今の道に進もうと思ったのかや、どうして続けているのかなどお聞きしたいことに触れた上で返信をくださった方がいました。
その他にも、6月にお願いした際には一度断られましたが、8月に再度お願いした際には都合をつけてくださった方もいました。

まずは自分が会いたいと、話を聞きたいと思ってもらえるような人間にならなければならないと心に刻みました。
そのためには実績を作る必要がありますが、実績を作るためには技術と人脈が必要になり、それを得るためには実績を作ると言う矛盾を孕んでいる分難しいです。。

②人に会う際の事前準備
相手がHPで調べて出てくる人であるほど入念に。
なぜなら、その程度の質問はネットを見ろよ💢 と言われるか言ってももらえずに思われて終わるだけだからです。

日によっては、1日に3回(午前、午後、夜)話を聞かせてもらうこともありました。その場合の予習は大忙しです。
しかし、その業界のトレンドや簡単な作法や用語、その人の実績や経歴を知っていると、話の引き出しやすさが格段に上がる手応えを感じました。

最近はYoutubeなどで業界を取り上げたコンテンツも豊富で、その業界の現状や課題を学ぶこともあります。
反対に、話を聞く中で参考になるYoutubeやアプリ、本やサイトなどを教えていただくこともあります。話を聞いた帰りの電車で早速調べたり購入したり。

そして何より大事なのは、それらをきっかけにして再度コンタクトを取るきっかけにできること。結局就職先をどちらに決めたとしても、悩み抜いた末にこう決めたとお礼を言う機会も作ること。

③世界中の誰とだって会える!
多くの方に断られる現実や全く知らない世界が山ほどある。そんな世界の広さを知りました。
一方で、僕の夢は〇〇だ!だからこの人に会いたいんだ‼︎と叫び続ければ、知り合いが繋げてくれる。そんな世界の近さを知りました。

調べると6次の隔たりという仮説があるそうです。人を6人辿れば世界中の誰とでも知り合いになれるという理論。Facebook上では3~4次の隔たりまで近づいているそうです。
確かに、話を聞かせてもらった方の中に総理大臣と知り合いの方がいました。そう考えると、その知り合いと総理大臣のたった2人だけを通してアメリカの大統領とも知り合いになれるのです。

そう考えると、人類のコミュニティの強さと、無限の可能性を感じることができました。
自分が本気で目指すことを口に出していくことで、人が人を呼びその世界に近づけるかもしれない。
今すぐにできることは2つ。

まずは、夢を口に出すこと。
そしてもう一つは、人に紹介してもらえるような人間になること。

人生のOB訪問の難しさ

話を聞きたいと思ったところで、実現できるのは一握りです。また、実現した場合も事前準備や事後対応などやるべきことは山盛りです。何を聞きたいかを考え、なぜ聞きたいかを理解してもらい、可能であればコイツと会って良かったと思ってもらいたい。
しかし人生のOB訪問の難しさ=学びはそれだけではありません。

若いうちにやっておくと良いこと。その中に、色々な人に話を聞きに行くことというものが含まれることがあります。
多くの方に会えば会うほど「人に話を聞いても意味ないよ、変わるのは自分だから」と言われることも増えました。他人は他人、自分は自分だからです。
その時に、自分なりに納得した答えを持っておくことが大切です。
実際に会ってみた結果、人間的に自分とは合わないなと感じてしまうこともあります。

もし、もう一度2カ月間、学生の夏休みのように時間に融通のきく期間をもらった時に同じことをできるか? と聞かれたら手放しで頷くことはできません。自分がやめようと思えばいつでもやめられる状態で本気ですごいと思っている人たちに会い続ける労力は相当なものです。

二度目の人生を歩んでみる

それでも僕は、この2カ月間は人生において非常に価値のある経験であったと実感しています。
自分のスキルの無さや語れることの無さを痛感しました。今のままじゃダメだ。
少しでも僕と言う人間に付加価値が生まれるようにと、noteやSNSでの発信を始めました。

自己開示をする中で自分との対話が生まれ、人間力を向上させたいと思うようになりました。
それぞれの分野で大活躍している方々の話を聞くことで、自分も頑張りたいと強く思うことができモチベーションになっています。世界が広いということを知り、自分の知らないことの多さも知りました。

迷った時にこうやって決めようと決めたことがあります。

二度目の人生。どっちを選ぶ?

人生は一度きり。だからチャレンジしよう、というのは僕には腑に落ちません。
なぜなら、たった1回しかチャンスがないのであればリスクを負いたくないという心理も働くからです。

そこで僕は、一度人生死ぬまで生きた。その上で記憶をリセットしてもう一度歩み直しているという考え方をしようと決めました。
要するに、一度目の人生では選ばなかったであろう道を選択しようということです。

今回の人生のOB訪問をしようと決めたのも、根底では同じだったのかもしれません。
おそらく一度目の人生でこんなことはしていないでしょう。

【最後に】就活をきっかけに人生を考えた

僕は事務職員を選びました。
子育てをしたいため、将来設計をしやすい業界で収入もある程度安定的に得られることも正直な理由です。
そしてそれよりも、仕事は勿論のこと、自分の時間も有効活用してバラエティ豊かなコミュニティに属す。そして人から会いたい・話を聞きたいと思ってもらえるような人間になるためです。

働く人と接する機会を得ることで生きる活力になる。
そして自分自身も社会と関わりを持つことで学びを得られる。
大事なのは、プライベートでも仕事の肩書きに負けないくらいの自己ブランディングを行うこと。その結果仕事にも還元され、相乗効果を生み出したい。
62日間で50人に話を聞いて出した結論。

これこそが、私がこの仕事を選んだわけ。


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