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決算前の、会計の地図

決算書の打ち合わせ前に、この本を読んだ。

決算書は、事業1年間の成績表。
私は1年間、何をやってきたのか。

事業を作っていく立場として、ほぼ出来上がった決算書を見ても「まあその通りだろうな」という結果。財務諸表から読み解けることは、理解しているつもりだった。

しかし、
「報告会で私は何の意思を話したらいいのか」
「決算書の数字に表れていることしか、私はやってこなかったんだろうか」というモヤモヤがあって、この本を手にとった。

この地図から発見した2つの大陸


1.そもそも意識していなかった数字の発見
2.そもそも存在していない科目の発見

1.そもそも意識していなかった数字の発見


日々目標に向かって猪突猛進に仕事をしている。途中で「何か違うかも?」という違和感があっても、簡単に行動を止めることができない。むしろ「きっとどこかで何かが起こると信じる!」みたいなことになってくる。

しかし、この「会計の地図」という本を読むと、冷静になれた。
自分はある数字を無視したまま、違う数字だけを必死に動かしていた。

この先、自分が信じている「奇跡的な何か」が起きないとすれば、せめて守る行動か仕込みをしておかなければならない数字が存在していた。

やり続けることをやめる選択肢ではなく、やり続けるためには、さらにもっと別の事をやらないといけないということに気付く。これだけやっていれば何とかなる、ということではなかったと知る。


2.そもそも存在していない科目の発見

非財務の領域「のれん」という存在を知って、救われた気がする。
まあ今は、自分の行動が「のれんだと信じる!」というのが正直なところ。

今期数字にならなかった。しかし、私はなぜやり続けていたのか。やり続けるという意思を持っているのか。

「のれん」を作る理由は「長期的に会社を存続させる」ため。
自分の活動に「何のため?」と突き詰めると、結局最後はこの気持ちしかなかった。

「会社」を手放すのは簡単だけど、「会社の歴史」をもう一度手に入れるのは難しい。会社は立ち上がった瞬間から意思を持っている気がする。誰を選び、どんなお金をつくって、どう社会と関わっていくか。

決算事前報告会での私は・・

今までにないくらい、饒舌に話をした。
振り返りと未来への話を、今までの「ただの熱い想いの人」という枠を超えて、会計という共通言語で伝えるという方法を身につけていた。

そして、今まで吐きそうなくらい嫌だったこの決算事前報告会すら、私はとてもいい勉強をさせてもらっていてありがたいな、と思えた。

「会計の地図」は、とんでもない前向きな気持ちをくれたみたい。


新入社員におすすめの本

まもなく新社会人になるみなさんにこの「会計の地図」という本をおすすめしたい。

これから社会人になると、「自分の力を試したい」なんて言葉を言おうものなら、ぶっ潰される。確かに知恵や知識はあるかもしれない。だけど、まずは、自分が会計上の数字を動かしている実感が来るその日まで、目の前の事に必死になることをおすすめする。

なぜなら、会社のお金の流れは「給料」から始まっていない。会社には成り立ちがあって、「社会とつながる」それぞれの会社の特性を持っている。

「会計の地図」という本では、その基礎を確認できる。
それから、この地図をイメージしながら業務習得のスピード・細やかな活動を積み重ねると評価は上がる。

そしてこの地図の話を経営層とできるようになれば、プロジェクトリーダーになれる日がぐっと近づくはず。

さあ、来期も頑張るぞ~!という気持ちをありがとうございました。

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