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ヒストリー㉗その先へー・2015年5月

自殺対策基本法10年


 2015年、自殺対策基本法が施行されて10年目を迎えました。

全国の自殺で亡くなる人の数は2012年に3万人を下回って以降も減り続けていました。
しかし、ライフリンクは、ここで社会に「一服感」が出ることを強く警戒していました。
一日平均70人が自殺しているという厳しい現状には何ら変わりはなく、さらに対策を強めていくことが必要だと訴えていました。

5月13日、ライフリンクは、自殺対策全国民間ネットワーク、自殺のない社会づくり市区町村会、自殺対策を推進する議員の会と共催で、参議院議員会館で「自殺総合対策の更なる推進を求める院内集会」を開きました。
ここでの議論をふまえ、自殺対策基本法の改正をはじめとする12項目の要望書が、超党派の国会議員でつくる自殺対策を推進する議員の会の尾辻秀久会長に提出されました。

節目の10年に向けて国会がまた動き始めました。
6月2日、参議院厚生労働委員会で自殺総合対策をテーマにした審議が行われ、「自殺総合対策の更なる推進を求める決議」が全会一致で可決されました。
決議は、政府に対してさらなる自殺対策の推進を求めるとともに、立法府の責任において、自殺対策基本法の改正に取り組むことが盛り込まれました。

超党派の国会議員でつくる自殺対策を推進する議員の会は、自殺対策に取り組む28団体のヒアリングを行ったほか、関係省庁への意見照会やインターネットでの意見公募を進め、11月25日に自殺対策基本法の改正案をとりまとめました。
改正案は、翌2016年2月18日の参議院厚生労働委員会に委員長提案として提出され全会一致で可決、以降、参議院本会議、衆議院厚生労働委員会、3月22日の衆議院本会議とすべて全会一致で可決され、成立しました。
また、法案成立直前の3月19日には、自殺対策に取り組む実務家や研究者、政策立案者らが参加する「日本自殺総合対策学会」による改正法案についてのフォーラムが開催されました。                                             =続く 次回は、㉘2016年4月編「自殺対策基本法さらに強く広く」です。



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