見出し画像

ヒストリー⑳その先へー・2009年3月

行政をチェックする


 自殺対策基本法ができて、行政はどのように変わったのか。行政はどこまで真摯に自殺対策に取り組んでいるのか。

ライフリンクは、行政を対象に厳しいチェックを始めます。自治体の自殺対策実施状況を明らかにすることは、「地域の自殺対策」の課題を浮き彫りにすることでもあります。
あわせて先進的な活動事例を掘り起こし、自殺対策の全国的な底上げを図ることをめざしたのです。

2006年度、2007年度、2008年度と調査を進め、その結果を公表していきました。
リーマンショックに襲われた2008年度は、2008年9月と2009年3月の2回に分けて調査しました。
これらの調査は、全国64の都道府県と政令指定都市を「A」から「E」まで5段階で評価したこともあり、大きな反響を呼び、一面トップで報道する地方紙もありました。

 2009年3月に公表した調査結果では、「A」の最高評価を受けたのが、長崎県、秋田県、東京都、石川県、新潟県、愛知県の6自治体でした。逆に「E」の最低評価は、岡山県、山形県、札幌市、川崎市の4自治体でした。

これは低評価の自治体に発奮を促す新たな効果も生みました。調査の結果、民間団体の活動が活発な自治体ほど、行政の取り組みも進んでいることがわかりました。民間の力の大切さが裏付けられた形でした。

ライフリンクは調査結果の総評として、当時は未公表だった警察庁の自殺に関する詳細データの開示と活用の必要性を訴えました。この訴えは、8カ月後、ライフリンクの清水康之代表が内閣府参与に就任することで、実現していくことになります。
        
=続く 次回は、㉑2009年11月・2010年3月編「内閣府参与に就任」です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?