見出し画像

<不登校支援>デジタルものづくりで、自分の可能性を広げるきっかけに【奈良市×ライフイズテック AIクリエイティブ講座】

いま、学校へ行きづらい子どもたちが増えています。

2023年10月、文部科学省が発表した「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、小中学校における不登校の児童生徒数は29万9048人で過去最多となりました。

一方、GIGAスクール環境の整備により、ICTを活用すれば自宅からでも学校と繋がり、学習を続けられる環境が整いつつあります。

「どんな環境下でも、プログラミング学習を通じて自分の考えをアウトプットし、自己肯定感を高めていきながら、子ども達が可能性を広げられる機会を作りたい」
「IT×課題解決の学びを多くのこどもたちに届けたい」

そんな両者の思いから、奈良市とライフイズテックでは、今年度より市内の不登校の生徒たちを対象にAIを活用したAIクリエイティブ講座を実施しています。
今回は、昨年12月と1月に行われた講座の様子をレポートします。


画像生成AIを使って、自分の好きな画像を作ろう!

「IT×課題解決ができる人材を育てたい」という強い想いを持った奈良市。
今回は、奈良市のフリースクールに通う子どもたちを対象に、IT×ものづくりの「楽しさ」を感じてもらい、プログラミングを学ぶきっかけを作り、今後の継続学習に繋げるための3日間の取組を開催しました。

イベント初日、心理的安全性を担保するため、参加者はカメラ・マイクOFFの状態でオンライン上に集合。全員、安心できる思い思いの場所からイベントに参加します。
まずはMCから今回のイベントの趣旨と、3日間の内容が説明されます。

<AIを活用したデジタルものづくり講座の概要>
1日目:生成AIを使って、お題の画像を作成してみよう!
2日目:「プロンプト」を学んで、作成した画像を変えてみよう!
3日目:自分の好きなテーマを元に、自由に画像を作成しよう!〜「奈良市の新しいゆるキャラを作ろう!」

今回使用した画像生成AIツールはシンプルなテキスト入力だけで簡単に画像を生成できる「Craiyon」。
MCから使い方のレクチャーがあった後は、まずは各自のPCで画像生成に挑戦。触れながら学び、わからないところはチャットで質問したり、MCが適宜フォローを加えていきます。
冒頭、チャットを活用したアイスブレイクも行ったため、参加者はMCや周りの参加者ともだんだんとコミュニケーションが取れるようになっていました。
生徒たちはすぐに生成AIに慣れ、この日はあっという間に終了。

2日目からはよりクリエイティブに画像生成ツールを使っていきます。
「動物園に新しく「あの動物」が加わりました!さて、どんな動物でしょうか?」など、想像力が試されるお題もあり、思い思いに自己表現していきます。

それぞれ「あの動物」を自由に作っていく

最終日のお題は、「奈良市の新しいゆるキャラを作る」

そして最終日。「せんとくん、しかまろくんに続く新しい奈良市のゆるキャラを作ろう!」というお題です。
まずは「奈良っぽさ」をみんなで考え、チャットにそれぞれ書き込んでいきます。その後、各自で①作るものを決め、②キャラクターの特徴を決め、③背景・スタイルを決めて、生成していきます。

英語の方が画像生成の精度が高まることから、Googleで英語に翻訳した特徴をプロンプト入力していたり、複数の特徴を織り交ぜながら生成する生徒も。
思い通りのキャラクターが生成されたり、想像と全く違うものができたり…頭を悩ませながら何度かトライし、自分だけのオリジナリティ溢れるキャラクターが生成されました。

参加生徒が作成した「奈良市の新しいゆるキャラ」

参加生徒からは、「妹にも教えたい」

3日間で累計20名ほどの生徒が参加したこのプログラム。
チャットでは「またやりたい!」「楽しかった!」の声も多く聞かれたほか、「家でもやりたい」などとデジタルに対して興味を持ってくれた様子も伺えました。

このイベントを担当したLiTスタッフは「生徒自らが手を動かし、自分のクリエイティビティを発揮していた姿が非常に印象的だった」「奈良市以外からも、こうした不登校支援に興味を寄せてくださる自治体が増えている。学校に行きづらい子どもたちが一定数いる中で、学校や自治体と連携を取りながら、デジタルなものづくりで自らの可能性を広げられる体験を届けられることは嬉しい」と話します。

ライフイズテックでは、今後も自治体と協働し、プログラミング・AI学習を通じた不登校支援の取り組みを進めてまいります。

ご興味のある学校・自治体の方は、お気軽にお問い合わせください。


この記事が参加している募集

AIとやってみた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?