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それらはまるで隕石が落ちてきたかのように起こった。ただ、私はそれに飛ばされてゆくことは無い。②

(前回の続き)
夫の姿が見えなくなり息子と2人。
ぼうぜんとした。とにかく力が抜けた。

手に握りしめたスマホを持ち直し、
まだ呼びかけてくれている警察の方に
夫が家から出てゆき
車で走り去ったようだと状況を伝えた。

我が家の自家用をふかしまくり、
もの凄いスピードで
出庫する音を聞いたからだ。

実際、ベランダから見ると
駐車場には車は停まっていなかった、

夫は立ち去ったがそれでもこちらに担当を回すと警察の方は言ってくれ、電話を切った。

どうにか気を取り直し、近くに住む親族に電話をした。来てくれるという。

電話を切った直後、警察官が2人来た。

玄関にへたり込む私を見て、
話を聞いても良いかと尋ねてきた。

すぐに1人の警察の方は私につき、
もう1人は息子についた。

私と息子、それぞれから何が起きたのかを
聞いてメモをとっていた。

一部始終を警察の方へ話し終えた頃、
親戚が到着した。

親戚に話しているうち、
堰を切ったかの様にとめどなく涙が溢れた。

奥の間で、これまでの経緯をある程度知っている身内が警察の方と何やら話していた。

しばらくすると警察と身内が奥から出て来、
「今夜、どうされますか?
保護シェルターも利用できますし、
ご親戚の所に泊まるなりしていただいた方が良いかとおもいます。
いずれにしてもこの状況でご主人が帰ってくるのは不安ですよね?」

「保護シェルター」

恥ずかしながら、
この年齢で初めて聞いた言葉だった。

警察が言うには、今夜はすぐに利用できるとの事だったが断った。

コロナも心配だったし、わたしも難病の持病があり、何より、慣れない環境に人一倍弱い息子をそこに連れて行ける気がしなかったからだ。

警察の方が帰り際に言った。
「あのう、、
ご主人なんですが何か(おそらくなんらかの疾患的なもの)お持ちではないですか?
これまでに聞いた事もないですか?
私たちの立場でこう言うのも適切ではないかもしれませんが、
これまでに同じ様な事が何回もあったお話を
先ほど聴きました。
思うに、離婚されるなり離れてお暮らしになるなりをご検討された方が、
息子さんの為にも奥様のためにも良さそうにみえます。
お金の面やら色々大変でしょうが。それでもです。実際にエスカレートしてきている様子なんでね。
まあ、これは僕個人の意見として聞き流してください。奥様がゆっくりお決めになる事ですからこれ以上は何も言えませんが。
とにかくお気をつけて。
少しでもまた何かあれば遠慮なくご連絡ください。週明けに、管轄内の担当から電話が行くと思いますのでよろしくお願いします」

そう言って、警察の方も帰って行った。

気付けば1時間以上は経過していた。

夕ごはんも食べていないや。
というか、食べる気ゼロ。

明るかった外の景色も
すっかり暗くなっていた。

息子は身内が先に親族宅に連れて行ってくれていた。

わたしは残った身内と
ある程度の荷物をまとめて急いで家を出た。

驚いたのが、さっきはなくなっていたはずの
自家用車が駐車場に停車していた事だ。

誰も乗っていない。
辺りを見回しても誰も居ない。

何ごとも無かったかの様に
停車していた。

何がなんだかわからなく、
頭がおかしくなりそうだった。

と、いうよりあの別人の夫が
どこからか現れて来そうで怖くなり、
親戚と夜道を急いだ。

何ごともなく親戚宅に着いた。

ドアを開くと息子の元気な顔。
風呂に入れてもらい、
ご飯もご馳走になったという。
 
親戚の子と一緒に遊んで笑っていた。

良かった。生きていた。

そう思ったとたん、疲れがドッと出た。

呆然としながらも
用意してもらった夕食を
半ば強制的に食べさせられ、
お風呂に入れと言われ、
風呂から上がると布団が用意されていた。

その後の記憶が今は殆ど思い出せ無いの
だけれど、
先に寝た息子の寝顔を見ながら、

生きて今、ここに居る。

その幸せを噛み締めた事だけは
鮮明に記憶している。

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