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ポーランド国立放送交響楽団 マリンオルソップ指揮「新世界」金沢歌劇座9.16

※自分の言葉で書く事を最優先しております
また記憶力と音楽認識能力が低いため、印象的な感想に留まっています。


コンチェルトに続き
ポーランド国立放送交響楽団、マリン·オルソップconductorによるドヴォルザーク「新世界」。

予習のために全楽章通して動画を見たり聴いたりしたが、耳馴染みがあるフレーズがたくさんちりばめられていて初心者はひとまず安心した。
そしてクラシックに詳しい方々からアドバイスも頂き、付け焼き刃で知識を入れるより、純粋に音を楽しもうと思った。
ドヴォルザークについては登録しているYouTubeチャンネル(厳選クラシックちゃんねる)を視聴した。彼は小さい頃から才能を見出だされ、働きながらも色んな人からの支援を受け、後にアメリカで才能が開花しその音楽に影響を受けたことを知る。


コンチェルトを終え、グランドピアノが去ったステージにマリンさんの全身が現れる。

第1楽章。
マリンconductorの一振でイントロが始まる。出だしから少々重々しい印象のあるこの楽章だけど、何だか軽やか?
勇ましいイメージのあの主題だけど、トーンがとても明るくて気分が高揚してくる。
そしてどの楽器も本当に音の端が優しくて、オーケストラというよりアンサンブルみたいな温かみ。

そして何と言ってもマリンconductorの指揮する後ろ姿、特に大きめに開かれて踏みしめられる足元がクラシックというよりもうROCK!めちゃくちゃカッコいい…!!

バイオリンの音が一切乱れず整えられた音色を奏で、ヴィオラ隊が待ち構えて要所で音を添える。
ティンパニ、ホルン、フルート、シンバル…どれを取っても角のない小気味よい音に心が踊りたくなる。
そしてマリンconductorを見る皆の表情が真剣。
コントラバスは時折体をも揺らしながら、弦を弾き、その音は全て柔らかに朗らかに束ねられてこちらに届く。
うまく伝わるかわからないけど、全ての音が聞き取れるような音量から逆算して、ひとつひとつの音が鳴らされてる、みたいな。そしてそれが凄いなと思った。

第2楽章はどうしてもあのメロディーが日本的に聴こえてしまうのだけど(嫌いではないのだけど)、この日は違った。イングリッシュホルンのリズムの刻みが東欧っぽくてとても素敵で…。
そして本当に音の合わさりが素敵で!!

楽器の音は混ざると時々不協和音みたいな心地悪さを感じることが実はあるけど、NOSPRのオーケストラ、マエストラの音は本当に音が重なり合ってて今思い出してもすごいなぁとしみじみしてしまう。。

第3楽章は短調の少しな雰囲気から牧歌的な旋律に変わる。そこからずっとニコニコして音楽を聴いていた自分は記憶している。

しかしオーケストラの楽器って、ずっと休んでて(休んでるわけではない笑)、ここだけの音、みたいな箇所にスッと入るのが改めて凄いと感動…(今回はヴィオラの方を見てて思った)

いよいよ第4楽章、予習では最初のホーンが鳴り響くあの壮大なフレーズを聴くと全く別の曲なんじゃないかってくらい雰囲気が変わるイメージだった。

しかし今日の演奏は違ったと私は感じた。

ある意味オーケストラ演奏で苦手とされそうな、受け止めきれずに溢れる音が一切排除されていて、楽器のシンプルな明るい音の重なりにストレスを全く感じずに楽しめた。
そして振り返ってみれば全楽章通して、自然と笑みが溢れるようなあたたかさと幸せな音で演奏されたような印象だった。

全てが初めてゆえ、それはこの時も、そして終わってからすぐも席の位置や会場の条件によるものなのかなぁとも思った。
溢れんばかりの音の渦がないことだ。
(後はフルの人数ではないからとか…?)

最後の音がなると間髪入れず会場が最高に暖かい空気に包まれ、お客様も再びスタンディングオベーションでマリンconductor、オーケストラの方達を称える。

アンコールで演奏された曲がまた楽しくて。

何度も何度もたくさんの拍手が会場を埋めつくし、そしてオーケストラの最後のお一人がドアを出るまで手拍子で見送ったのだ。(しかも急かさないように!笑)

ステージも観客も一体となって過ごしたクラシック音楽の時間…こんなことかつてあっただろうか。。
(注:初めてのクラシックコンサートです)

ここでコンチェルトの話に戻る。
時間が経てば経つ程思い出すことがある。

動画で予習を重ねた時は、第1楽章と第3楽章に挟まれるからこそのロマンチックな第2楽章の際立ち、これぞショパンの真骨頂!!と思っていた。

しかし今思えば角野さんのコンチェルトは第1楽章のあのちょっと重い寂しい感じがなく(それがよかった!!!)、第2楽章も想像よりはさらりと終わり、第3楽章は最後のフィナーレで最高の盛り上がりになったのだけれど、やはり全体的にずっと同じトーンだったように思えてきた。

全体的に柔らかい、今思うと少し浮世離れした雰囲気の音で角野さんはピアノを奏でた。

その差は後にアンコールで演奏された「木枯し」を思い出せば歴然だった。

そしてこれはあくまでも想像だけど、マリンconductorが角野さんの求める音楽のイメージを汲み取り、NOSPRの方達がスペシャルなプロフェッショナルで応えたコンチェルトに感じた。
途中、合図を確認するために顔を見合わせたマリンconductorと角野さんの表情が神様の相談事みたいでゾクッとするくらい美しかったのを覚えている。


数日経ってもああ素敵な演奏だったよかった!!で終わるつもりが、全く終わらない。


私のtweet。

何度も何度も言うけど、私はクラシックコンサートが今回初めてだ。
なので、そうだとは言いきれないのだけど…。

やはり今までのクラシックコンサートとは何だか違う気がする。

考えてみれば、特に最近の角野さんの作品はただピアノを演奏するだけに留まっていない。そして私達に色々考えさせて下さっている…。

今回のコンチェルトはショパンコンクールの続き…?

いやいや少なくとも私にはそんな演奏にはとても見えなかった。

もう全く別物の、彼自身の作品としての「ショパン ピアノコンチェルト 第1番」に思えた。
そしてそれは思い出すと素敵な物語を見た後のような、そんな気持ちにすらなっている。
(因みに私は基本そんなにロマンチストではない。)

……って待って、もしかしてそういうこと…?!

本当に彼は「クラシック音楽」に対して新しい事をやっていこうとされてる??

そしてそれを私は初めてのコンサートで聴けちゃったってこと???

うぉーー!!

めちゃくちゃ興奮してきちゃったじゃないですか!!!!

以前彼が仰っていた
「クラシックをぶち壊したい」が実はもう始まってるかもって、こんなにわくわくすることある??!!

更に演奏の印象が、「新世界」を聴いても違和感なく続いたということは、もしかしたら、マリンconductorも、NOSPRの皆さんも、同じ思いであの温かみと幸せ感一杯の音楽を届けてくださったのかも知れない…!!(っていう憶測…!!)

勿論真実なんて私にはわからないけれど、
コンサートを振り返って、あれ?もしかしてそうだったのかな?どうなのかな?って考える事自体、新しいって事じゃないですか???

とにかく最初から最後まで、お客様も含めて、一体感があって。
そんな初めての暖かいクラシックコンサートだったし、更に更に振り替えると、初心者でも全く構わない、上質で楽しい音楽に触れられるとても素晴らしい時間だった。

これはもう初心者の方と、個人的に角野さんの演奏を聴かれていないガチクラと呼ばれる方にこそ角野さんのクラシックを聴いて頂きたいと思ってしまう!!!
(そしてガチクラシックの方は今までと違うかどうか、そしてその謎を解いてどうか答えを教えてください…)

角野さんの、その時その時の本当の本心は私たちは完全に知ることは出来ない。

けれど、彼自身があらゆる事を体験をされて、そして音楽の道に進むと決めた時から、私達には前を向いて、ずっとずっと音楽の楽しさや素晴らしさを伝え続けて下さっている。

その事が本当に尊くて、益々、角野さんの音楽とその活動から目が離せないとなってしまった私。。。
今までピアノを弾かれる手ばっかり見てたけど…笑
(出来ることならアデス行きたいデス。。)

最後に感謝の気持ちを込めてメッセージを送ります。

To Marin Alsop conductor
To Narodowa Orkiestra SymfonicznaPolskiego Radia w Katowicach

Thank you for all the great inspiration! ! !
I want to listen to your music again someday! !        from your new fan !

角野隼斗様

楽しい、そして美しい音楽の時間、本当にありがとうございました!!
これからの角野さんのつくる世界が益々楽しみです!!!