【高齢期の選択】老人ホームへ入所する一人暮らしの女性
そのご利用者は80代後半の女性、夫には先立たれ団地の3階に一人暮らし。
デイサービスと通所介護(買い物・掃除)そして訪問リハビリを利用されてました。
「寂しい。」
「団地には友人がいるから楽しい。」
「家事が面倒。」
「一人やから自由を感じて良い。」
「もう歳やし、あかんわ。」
「まだ歳の割には歩けてる。」
と周期的に心身に波がある進行性脳神経疾患の方でした。
そんなある日、親類から特養(老人ホーム)をすすめられました。
「施設に入れば家事から開放される。楽になれる。」
「いやいや、一人暮らしの自由な生活が終わる。」
とまた葛藤。
ショートステイで数日特養にお泊りで施設生活を体験。
はじめてのショートステイはなんと歩けるにも関わらず車いす対応。
二泊三日で帰宅後、立ち座りや歩くことに相当の努力を要しましたが、なんとか元に戻りました。
本人は相当ショックを受けてました。
その次のショートステイ時には特養スタッフへ歩けますよー、と訪問リハビリから申し送りを再度しました。
そしてまたショートステイ、今度は施設内歩行移動でした。
帰宅後
「施設もなかなか悪くない。何もしなくていいからねー。」
そうこうしているうちに特養の入所(つまり終身まで)が決定。
「もう決めた。親類にも心配かけてるし、一人暮らしも疲れた。だから施設に入るわ。」
「施設が決まったと思ったらもう何もかもどうでも良くなった。寝たきりでもいいや、とはじめは思った。でも施設に入ってもやっぱり健康でいたい。」
特養は介護度3以上で入所可能なんですが私の見立てでは1〜2くらい。
特養に入るには元気なほうだと思いました。
それでも入所の決心がつかれたようでした。
一人での気ままな暮らし
友人との交流
生活する大変さ
老化・将来への不安
親類の心配
天秤にかけたときに
安心・安全が重くなってきたんだろうかな。
施設生活は今までとガラッと変わってしまいます。
もう家事をする必要もない
友人ともなかなか会えない
在宅サービス関係者とも会えない
何十年と住んだ家ともお別れ
幸多き晩年でありますように、と願うばかりです。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!
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