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偶然に生きるか。必然に生きるか。

秋の始まりを感じる今日このごろ。秋の入り口は、いつもより思い耽る時間が多い気がします。


偶然性に生きるか
必然性に生きるか

最近の思考テーマは、もっぱらこれ。
この記事では、この生き方の二項対立について思考したことをまとめていきます。

二項対立に対する個人的な立ち位置はこちら


▶この記事を書いた人

01)偶然か。必然か。


「偶然」
他のものとの因果関係もつながりもはっきりせず、予期しないことが起こること。また、そのさま。思いがけないこと。
「必然」
必ずそうなること。そのように帰着するに決まっていること。また、そのさま。必至。

コトバンク

「偶然」派の理論としては、主なものはこちら。

  • 人生は予想外の出来事ばかりおきる

  • そもそも人の生命はご先祖による天文学的な出会いによって成り立つ偶然の産物であろう

  • 天気や震災、社会情勢など、自身でコントロールできないことは「必然」で片づけられない


「必然」派の理論としては、こんな感じです。

  • 偶然と捉えると、そこに自分の意志は存在せず無力感に陥る

  • 自然や宇宙にも、必然的な法則性やデザイン(人知を超えたバランス)が存在している

  • 天候不順や生態異常などのアンバランス(偶然)も、ホメオスタシス(恒常性)によって収束・回復する


どちらも納得できる部分があります。

02)偶然と必然の統合


二項対立にある偶然と必然の生き方論ですが、個人的な統合をしてみます。

■生命の偶然性

自分の命の前には、父と母があります。それぞれにまた父と母が居るわけで。こうやって遡ると、十代前は1,024人のご先祖が存在することになります。
このご先祖のだれか1人でも欠けていたり、男女が出会わなかったならば自分は存在していないわけです。
もっと遡って、進化論に従うならば、サルが二足歩行をしてみようと思わなければ、人類そのものが存在していなかったでしょう。

確かに人の生命は、この天文学的偶然によって成立していると言えます。

人間は自分が何かによって造られた存在であるという被造性において自分を理解しない限り、正しい自己イメージを描くことはできない

V・E・フランクル

■生命の必然性

では、生きることそのこと自体が「偶然」なのでしょうか。
生きることは、自己の選択(または意志)によって成立しています。生きる覚悟と言い換えてもいいかもしれません。
産まれるのも偶然、亡くなるのも偶然。ではなぜ生きるのかと問いてみて、その答えを持ちつつ選択を重ねることが”生きる”こと。
そう捉えると、生きることは後天的に自分で作り上げた必然となります。

ここまでの思考をまとめると、”生命は偶然によって与えられたもの”だが、”生きる過程で必然になる”と理解できます。

私たちは、ただ全ては意味に満ちている。超意味を持っていると信じることができるだけである
人生を意味あるものに変えるのに遅すぎることは決してない

V・E・フランクル

ここまで思考し、偶然→必然への意味付けの意義は定義できましたが、ではすべての偶然を必然に昇華させるべきなのでしょうか。

■偶然→必然を要しない世界線「事実」

個人的には、偶然的なあらゆることを色眼鏡で必然化することには警戒すべきだと捉えています。
 今日電車が遅れてきたのは…
 あの人が今日不機嫌なのは…
 急に雨が降ってきたのは…

こういったことを色眼鏡で意味付けしようとすると、「日頃の行いが影響した」などと根拠の乏しい思考に陥りがちです。
自身のコントロール外のことで、かつ重要ではないことに対しては、単に「事実」と処理し、あるがまま受け入れることも必要でしょう。

▪️まとめ

二項対立の統合としてまとめると、「偶然→必然、偶然→事実」この判断処理に個人差があるということ。

私自身は意味付け人間のため、きっと前者寄り。
ただ、偶然→事実へ、柳のように受け流す強さも併せ持ちたい。
そんなことを思考している、秋の入り口の今日この頃です。

■あとがき


今回の記事で言葉を引用した「V・E・フランクル」は心理学の第4の巨匠と言われています。
(フロイト、ユング、アドラーに次ぐ)
フランクルは「夜と霧」が有名ですね。ナチスの強制収容所での心理的体験を記した世界的ベストセラーです。


彼は、絶望的で悲劇的な状況にあっても「それでも生きる意味はあった」と主張しています。

フランクルの思想に基づく「ロゴセラピー」
ロゴ(Logos)とは「意味」のことで、ロゴセラピーは直訳すると「意味による癒し」となります。

ロゴセラピーは学びを進めている最中なので、いつか言葉に落とし込んでみたいと思います。

最後までお目通しいただき、ありがとうございました。

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