私が宗教を辞めようと思った理由①
本日は、脱会のステップシリーズではなく、別の話。
なぜ、私が宗教を脱会したいと思ったのかについて少し話したいと思います。
これまで、「脱会のステップ」というシリーズ記事で説明しているように、
私はエホバの証人という宗教団体に所属していました。
なぜ辞めたいと思うようになったのか、理由はいくつかあるのですが、
そのうちの一つを記事に残しておこうと思いました。
その理由を一言で言えば
教団の言うとおりにしていても幸せにはなれない
教団は自分の人生の責任を取ってはくれない
ということに気がついたからです。
教団内にいる2つの極
エホバの証人は、週に2回集会に出席し聖書の勉強をします。
聖書の勉強と書きましたが、実際には教団から発行されている出版物を読み、
そこから行動面での教育や、マインドセットを学んでいます。
・組織の指示に従いましょう
・エホバと同じ感じ方、考え方をしましょう
・自分の考えに頼ってはいけません
・長老の助言に従順に従いましょう
・生活をシンプルにして、より多くの時間を宣教に用いましょう
・寄付をすることは、エホバに感謝を示すことです
などなど、聖書を根拠として教団の指示や教えを刷り込まれていきます。
したがって、そうした指示にしっかりと従ったために、
・仕事はパートタイムで
・高等教育(大学)には進学せず
・子どもを持つことを諦める
・結婚すらも諦めた
人びとが組織の中に一定数存在しています。
それでも、教団の言うとおりにしているのだから、これで間違いがない
神は喜んで下さるし、きっとこれが一番の幸せな生き方なのだと
信じて生きています。
しかし、私は数年間この組織に所属して、「二つの極」が存在することに気づきました。
一つは、組織の教えを忠実に支持して、教団内での地位や評判を確立していく生き方。
生活は苦しいながらも、組織の中に自分の居場所があり、自分が神のために役に立っているという自己有用感を感じながら暮らしている人々。
そして、もう一つは、組織の教えをほどほどに聞いて、自分の好きなことをして、やりたいことをやって楽しく生きている人々。
後者の人々は、普通に全時間で働き、大学に進学し、宣教に参加する頻度も多くはありません。
分かりやすく言えば、
エホバの証人「ガチ勢」と「エンジョイ勢」が存在するということです。
そして、私が見る限りどちらが幸せそうかと言われれば、
圧倒的に「エンジョイ勢」の方なのでした。
エンジョイ勢の人々は、
エホバという神の存在は信じていますし、自分のエホバの証人という生き方をやめようなどとは全く思っていないと思います。
しかし、組織の指示に忠実に従ってはいません。
いわば、それを「聞き流しています」。
彼ら、彼女らは、組織から「暴力的な映画や魔術の出てくるアニメは避けましょう」と言われても普通に見ています。
ひと昔前では、「世の精神を体現しているため」音楽なども歌詞を考慮して聴く曲をよく選ぶようにと言われていましたが、普通にロックを聴き、カラオケにも通います。
ディズニーランドに行き、ユニバに行き、海外旅行をし、ブランド物を買います。
つまり、「好きなことを好きなだけやって神に仕えている」という層が一定数いるんだなと知りました。
そして、そうした人々はなぜか会衆(地元の信者コミュニティ)で人気者であり、尊敬されています。
正直うらやましいと感じる部分もありました。
私は、馬鹿正直なところがあったのだと思いますが、
この教団に入った時、教団の提案通りに努力を重ねていけば、より神に喜ばれ、幸福な生き方ができると思っていました。
仕事をパートタイムにして、周りの信者の方々のために働き、長老からの助言を素直に受け入れて努力してきました。
しかし、その結果何が起きたかと言えば、生活は困窮し、いつも助けてくれる「便利屋」扱いを受けて、ただただ消耗していきました。
ある日、ふと
組織の言うとおりにしているといつか破滅するのではないか。
と感じ、頑張るのがアホらしいと感じるようになりました。
そこから、私の組織に対する信頼は急速に衰えていきました。
この組織に従って生きて破滅しても、組織はそれに対して一切の責任を負ってはくれない。
自分の人生は自分で責任を取らなければならない。
とようやく気がついたのです。
そして、以前から疑問に感じていた教義面での矛盾などを調べていくうちに、この組織は神とは何の関係もないということを確信しました。
組織の指針に忠実に従っていくと困窮し、
反対に、その指示に従わない方が充実した生活を享受できる。
指示に従わない方が幸せになれるならば、もうこの組織に所属する意味はありません。
だって、神と組織は全く関係ないのですから。
この日から少しずつ私の人生の軸が変わっていくのを感じました。
これまでの私は、「正しいこと」「すべきこと」をする「正しい人生」を生きることを目指していました。
しかし、今は「自分の興味がわくこと」「ワクワクすること」をする「楽しい人生を」生きることを目指すようになりました。
個人的には、今の方が圧倒的に幸せを感じますし、それに気づかせてくれたという点では、あの組織にいた意味もあったのかなと思っています。
自分の人生を他人任せにせず、自分のために生きる。
人生の正解がどこかにあるのではなく、自分が選んだ道を正解にしていく。
これを意識して、今日も楽しく生きていこうと思います。
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