マルクス を考察する

20世紀最も影響力のある思想家といえる。
マルクスは、哲学者であり経済学者ではなかった。哲学はヘーゲルで博士号、弁証法を援用して「唯物史観」を確立。

21世紀は自由主義の敗北の時代?
金融問題、貧困、格差など暗いニュースが世界を覆う、その反面新興国はまたバブルの気配。規制緩和が至上命題化し、企業は成果報酬や持ち株を与えるなど経済的インセンティブが主流だったが、これも限界なのか?

では資本主義とは何か?
1、貨幣経済
2、サラリーマンの存在
3、市場の存在
これが資本主義の定義である。

マルクスは労働価値説を唱えた。
商品の価値=労働の量
資本家が生産手段を提供→労働者はそれを使い商品を生む→賃金を得る(これが資本主義)
しかし、労働力は生産手段の向上で減少する。ところが資本家は今までと同等に働かせ余分に生産させた分は自分の利益にする。これが「余剰価値」。

この余剰価値はいわば、労働者を余分にただ働きさせているのであって、これを「搾取」と呼ぶ。それは主体的に取り組む労働ではなく、強制労働に近くなるのでこれをマルクスは「疎外」と称した。

だからこそ、生産手段を労働者の手に戻し、生産を皆で分けるという平等な社会を実現することが重要なのだ。そのために革命を正当化したのである。

しかし平等を原理的に貫くことが可能なのか?「派遣村」の例で考える。

歴史の流れ

原始共産主義→奴隷制→封建制→資本主義→社会主義→共産主義
となる。

弁証法の考え方:AとBが対立しCが生まれる。CがDに分裂し、Eが生まれる…。Aそのものの中に矛盾が生じこれが対立を起こし、Bを出現させて行く…。

唯物史観とは?

上部構造:政治、経済システム、思想
下部構造:生産手段、生産活動、生活

従来は上部が下部を決定していた。マルクスは真逆を唱えた。生産力が生産性の向上で生産関係にそぐわなくなったときに、新しい経済ステージに移行する。たとえば、封建制でも工場があったが、これは家庭内手工業のレベル。資本が蓄積され、豊かになると大規模化する。そこから資本主義に移動するのだ。
人間は、その生活の社会的生産において、一定の、必然的な、かれらの意思から独立した諸関係を、つまりかれらの物質的生産諸力の一定の発生段階に対応する生産諸関係を、とりむすぶ。この生産諸関係の総体は社会の経済的機構を形づくっており、これが現実の土台となって、そのうえに、法律的、政治的上部構造がそびえたち、また、一定の社会的意識諸形態は、この現実の土台に対応している。物質的生活の生産様式は、社会的、政治的、精神的生活諸過程一般を制約する。人間の意識がその存在を規定するのではなくて、逆に、人間の社会的存在がその意識を規定するのである。
– 『経済学批判 序言』

そして矛盾だらけの資本主義は革命によって壊され、生産力に応じた社会へと移行する。
能力に応じて働き、働きに応じて分配される社会主義。さらに能力に応じて働き、必要に応じて分配を受け取る共産主義に行き着く。
社会主義は、「大きな政府」で政府の存在が大きい。生産手段の社会的所有・管理などによって、生産物・富などを平等に分配した社会を実現しようとする思想と運動の総称。が、共産主義は政府すら存在しない。すべてが理想的に共有されることを意図としている。

どんな社会を目指しているのか?

1、共有する社会
2、教育に力を入れる社会
3、社会保障が手厚い
4、二者択一を超える社会

国際関係でのマルクス理論

従属理論
植民地主義
新帝国主義


マルクスは何を間違えたか?

1、経済システムや政治システムは、「歴史的」ではない。
2、生産能力の高い国では社会主義革命は起きなかった。
3、植民地ほど、高度な経済発展を遂げた。
4、中間階級のイメージが皆無だった。

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