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ゆる〜くキャンプをしながら「異端」について勉強しよう

前回(プロローグ)はこちら

■はじめに

なで「リンちゃーん!お肉焼けたよー!あとこっちのお鍋も煮えたかな?」

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リン「いやおい、早く前回の続きをやってよ!みんな待ってんのに」

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なで「えへへ〜まあゆっくりいきましょうよ〜キャンプごはん食べながらの解説、最高じゃろ?」

リン「田舎のおばあちゃんか。」

なで「前回は『二ケア・コンスタチノープル信条』という、キリスト教を定義づける基本信条があること、それゆえに、この信条から逸脱するものを『異端』と呼ぶんだってことを勉強したよね?」

リン「そうだな。」

なで「今回は具体的にどのような『異端』と呼ばれる教団があるのかを、ざっくりと解説していくよ!」

リン「でもそういう団体っていっぱいありそうだけどな。」

なで「そこで今回は、俗に『キリスト教3大異端』と呼ばれる、統一教会、モルモン教、エホバの証人を取り上げるよ!」

リン「その3つが代表的なものなの?」

なで「うん。よくキリスト教会のホームページやパンフレット、週報などに『当教会は統一教会、モルモン教、エホバの証人とは一切関係ありません』って文言が書かれてるからね。それもかなりの頻度で。キャンプ場の売店にカレー麺が売ってるのと同じくらいの頻度で見かけるよ。」

リン「どんな例えだよ。」

なで「じゃあ早速解説していくよ!」

■キリスト教3大異端①統一教会

なで「まず初めに『統一教会』!」

リン「いきなりタイムリーなやつきたーーーーーーーー」

なで「統一教会は現在の名前は『世界平和統一家庭連合』だけど、元々は『世界基督教統一神霊協会』という名前だったんだ。1954年、韓国の文鮮明(ムン・ソンミョン)という人物によって設立されたんだ。」

リン「結構新しいんだな。それにキリスト教系なのに韓国発祥というのも意外な気がする。」

なで「韓国は国民の3割がキリスト教徒とされていて、歴史的にキリスト教徒が多いんだよ。アジアではフィリピンに次ぐ第2位のキリスト教国なんだ。教祖の文鮮明は日本統治時代、現在の北朝鮮に生まれ、元々は正統的なプロテスタント長老派の家庭でクリスチャンとして生活していたんだけど、ある時イエス・キリストと霊的に交わったとされ、のちに統一教会を設立するに至ったんだ。」

リン「で、その統一教会はどこがキリスト教と違うんだ?」

なで「うーん、それがね、私も色々調べたりしたけど、かなり教義自体は複雑みたい。それに様々な関連組織があったり、政治や経済とも密接な関係にあったりして、正直訳がわかんないんだよね。」

リン「・・・ええー・・・・」

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なで「でもね、簡単に言えば、この教団はイエス・キリストや唯一の神を信仰しているわけではなく、教祖である文鮮明こそがメシアであり、神と崇めているっていうことが一番の異端である理由だと思う。」

リン「前回の二ケア・コンスタンティノープル信条の冒頭『わたしは信じます。唯一の神、全能の父、天と地、見えるもの、見えないもの、すべてのものの造り主を』から外れてるってことか。」

なで「そうだね。統一教会では『文鮮明こそ聖書に記された再臨のイエスである』と信じられているから、もうこの時点でキリスト教でもなんでもないんだよね。」

リン「この教団って、一般的には合同結婚式で有名だよな?」

なで「そうそう。日本で統一教会が広く知られるようになったきっかけの一つが、1992年にある有名女優さんが統一教会の信者で、合同結婚式を挙げたことが報道されたこと。」

リン「合同結婚式って、教団側が決めた信者同士がその場で結婚するっていう、普通じゃちょっと考えられない結婚式なんだよな?」

なで「うん。でも統一教会ではそれが『神の祝福』とみなされているんだ。その他にも霊感商法で高額の壷や印鑑を買わされ、被害額がとんでもないことになっちゃった事例もたくさんあるんだ。」

リン「こえー・・・気軽に『買っちった』なんて言ってる場合じゃないな」

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なで「ほんとだよね。私もせっかく新しいランタン買うために貯めたお金をそんなものに使っちゃうなんて考えられないよ!」

リン「なでしこ、バイト頑張ってたもんな。きっと霊感商法に騙されちゃった人たちはマインドコントロールされて正常な判断ができなくなったんだろうな。」

なで「その他のこの教団の特徴としては、キリスト教が韓国に土着化したことで、儒教、道教、仏教、シャーマニズムなど、韓国に古くからあった宗教と融合して、全くキリスト教とは異なる宗教になってしまったということもあるね。」

リン「今の『世界平和統一家庭連合』って名前、なんとなく儒教っぽいと思ったな。家族を大切にしよう、みたいな教えがありそうだし。」

なで「確かに。現に教祖夫妻は「真の父母」などと呼ばれ、信者からは親のような扱いを受けているらしいしね。」

リン「アジア的な価値観がキリスト教と結びついたら、おかしな方向に行っちゃったって感じだな。」

■キリスト教3大異端②モルモン教

なで「さあ、お次は『モルモン教』いってみよう!」

リン「・・・そういうテンションで話す内容の記事か?コレ・・・」

なで「いいんですっ!まずは楽しく学ぶことが大事なんだよっ!モルモン教は正式名称を『末日聖徒イエス・キリスト教会』といい、1830年にアメリカのジョセフ・スミス・ジュニアという人物によって設立された教団。本部はユタ州のソルトレイクシティにあるよ!」

リン「お、2002年にオリンピックが開催されたところだな。もう20年も前か・・・」

なで「リンちゃん、私達まだ15〜6歳の高校生なのになんで知ってるの?はっ!もしかしてリンちゃん、サバ読んでるんじゃ・・・・」

リン「読んでねーよ。普通にネットで得た知識だから。」

なで「なーんだ、びっくりした!このモルモン教は、創始者のスミスが神の啓示を受け、紀元前のアメリカ先住民の歴史書を発掘、翻訳したことに始まるんだ。この書物は『モルモン書』と呼ばれ、モルモン教では聖書以上に重要な教典として扱われているんだ。」

リン「なんだかミステリーだな。私結構そういう系の小説とかよく読むからちょっと興味あるわ。」

なで「モルモン教では、スミスがモルモン書を翻訳したことによって、キリスト教の源流である『原始キリスト教』が回復したとして、新たな信仰の形が生み出されたんだ。だけど、このモルモン書なる書物は本当に紀元前のものなのか?内容に信憑性があるのか?というのはだいぶ怪しいらしいんだよね。」

リン「げ!そうなのか?」

なで「そもそも『聖書のみ』を信条とするプロテスタントからすれば、聖書以外の書物を教典としている時点でアウト!だよ。」

リン「たしかに。その他に何か異端だと言える理由はあるのか?」

なで「大きいのはやっぱり『三位一体を否定している』ことだね。父、子、聖霊はそれぞれ別個のものであり、独立したものと考える。これは唯一の神が3つの姿を持つという三位一体の教義から逸脱しているから・・・」

リン「二ケア・コンスタンティノープル信条から逸脱している。つまりキリスト教徒は呼べないってわけか。」

なで「そのとおり!リンちゃんよくできました!はい、お肉!」

リン「ちょ!あ、あっつ・・・ハフハフ・・・(うまー)」

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なで「えへへ〜いっぱい食べてね!」

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リン「口の中が熱いから冷たいお茶でも飲むか。」

なで「ちなみに、モルモン教は、お茶を飲んではいけません!」

リン「な、なんだってー!」

なで「あと、コーヒーもタバコも、もちろんお酒もだめです!」

リン「まじかよ・・・モルモン教徒のキャンパーは朝起きてコーヒー飲めないのかよ・・・あの一杯がたまらないのに。」

■キリスト教3大異端③エホバの証人

なで「さあ、いよいよラストだよ!最後は『エホバの証人』!」

リン「これ、私聞いたことあるぞ。たしか輸血をしちゃいけないっていうやつだよな。」

なで「よく知ってるねリンちゃん!でもその前に概要について説明するね。エホバの証人は、1870年代にアメリカのチャールズ・ラッセルという人物によって設立された団体。教義として、三位一体を明確に否定し、イエス・キリストと聖霊には神性がないとしているんだ。」

リン「この時点でアウトだな。」

なで「そう。この時点でキリスト教ではないよね。さらにイエスは天使長ミカエルと同一人物であること、イエスの処刑は十字架ではなく杭で行われたことなどが教義となっていて、二ケア・コンスタンティノープル信条とは相当異なる教義を唱えている事がわかるね。

で、さっきの話に戻るけど、エホバの証人は輸血を禁止している。これはエホバの証人が旧約聖書のレビ記17章14節『いかなる生き物の血も、決して食べてはならない』という聖句を、輸血をしてはいけないと解釈しているからなんだ。」

リン「でも輸血拒否して結局怪我や病気の人が死んじゃって、裁判ざたになったりとかあったんだよな?」

なで「そう!裁判というと『神戸高専剣道実技拒否事件』も有名だね。エホバの証人の教義で格闘技は禁じられているから、体育の時間に剣道をやらなかった信者の学生が、単位をもらえなかったことに対して訴えを起こしたっていう事件。」

リン「こうして見ると、禁止されてることがかなり多いんだな。」

なで「そうだね。国旗掲揚や国歌斉唱などは偶像崇拝にあたるとして拒否、また各種行事、ハロウィンや七夕、節分、ひな祭り、革命や戦勝記念日などは『反聖書的』として禁じているんだ。驚くことに、クリスマスですら『聖書に根拠がない』として禁止されているんだ。」

リン「まじか。キリスト教を標榜してるのに、せっかくキリスト教に親しんでもらえる最大のチャンスであるクリスマスですらやらないのか・・・」

なで「もし私達がエホバの証人の信者だったら、あのクリキャンは実現しなかったんだね・・・いやあ、楽しかったなあクリキャン・・・」

リン「お酒も禁止だろうから、鳥羽先生も来れないな。」(※鳥羽先生・・・野外活動サークル(野クル)の顧問の先生で大の酒好き)

なで「ふふん、実はですねリンちゃん、エホバの証人ではお酒は禁じられていないのですよ!」

リン「いやいや、そこはありなのかよ!なんか徹底してるようでして無いような・・・」

なで「あ、でもタバコはだめです!」

リン「そこはだめなんかい!」

■まとめ

なで「というわけで、キリスト教3大異端について簡単に解説してみたよ!今回紹介したのはごく一部の情報だから、気になったら調べてみてね!」

リン「前回の記事で二ケア・コンスタンティノープル信条について学んだから、その知識を得た上だとすんなり理解できるな。」

なで「でしょ?二ケア・コンスタンティノープル信条はまさにキリスト教の根本であり土台なんだよ。この信条に合致しているか、していないかで簡単に異端を見分けることができるからぜひ覚えてほしいな!

読者の皆さんも異端についてのいろんな知識や意見があると思うから、ぜひコメントをくれると嬉しいです!」

リン「・・・ふあ〜ぁ、そろそろ寝るか。なでしこ、焚き火の処理は任せたよ。おやすみ〜」

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なで「えぇー!リンちゃんひどいよ!もっとおしゃべりしたかったのに〜!

あ!アニメスタッフの皆さん!映画とっても面白かったです!アニメ3期も待ってまーす!」

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おわり


三位一体についてはこちらで解説しています。



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