『自分にできることは、惜しみなく分け与え、できないことは、遠慮なく求め、受け入れる。』
誰にも迷惑をかけず、一人でなんでもこなす。
30年以上前、このような信念で仕事をこなしていた。
本当に頑張っていた、それなりに成果もおさめた。
しかし、いつもまわりを意識していて、
心が安らぐことはなかった。
誰にも迷惑をかけず、一人でなんでもこなす。
30年も経ってわかった、この信念を持っている限り、幸せになれない。
一人で頑張って、どんなに仕事ができたとしても幸せになれない。
まわりからの、協力や援助、支援が得られないのだ。
最近思うのは、自分に無理なくできることは、惜しみなく分け与えること。
そして、自分にできないことは、胸を張って、援助や支援を遠慮なく求め、受け入れる。
完璧な人間なんていない。(完璧は人間の属性ではない。)
補い合って生きていくのだ。
『誰にも迷惑をかけず、一人でなんでもこなす。』
なんてことは成立しないのだ。
むしろ、私たちの人生は、
『誰にも迷惑をかけず、一人でなんでもこなす。』
ことができないように仕組まれているのだろう。
8年前くらいだろうか、
誤嚥性肺炎で入院した義理の父のお見舞いに行った時、
手を握られ「迷惑をかけて申し訳ない。」と言われた。
この瞬間、
『誰にも迷惑をかけず、一人でなんでもこなす。』
この信念は手放そう…。
『完璧な人間なんていない、補い合って生きていくのだ。』
『自分にできないことは、胸を張って、援助や支援を遠慮なく求め、受け入れるのだ。』
と思った。
そして、走馬灯のように自分の人生を振り返った。
人生は、順送り。
自分にできることは、惜しみなく分け与え、できないことは、遠慮なく求め、受け入れる。
『誰にも迷惑をかけず、一人でなんでもこなす。』
この信念はもう必要ない。
義理の父は、6年前の5月に亡くなり、5月になるとこのエピソードを思い出す。
『自分にできることは、惜しみなく分け与え、できないことは、遠慮なく求め、受け入れる。』
人生で最も大切なこと、それは 笑顔で心穏やかに生きること。これだけで、私たちは、人として価値がある。これだけで、私たちは、まわりの人に貢献でき、まわりの人を幸せにできる。