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正義は社員の数だけある都合のいい教授


10年くらい前に流行りました。
正義を考える授業。
マイケル・サンデル教授のハーバード大学でやる哲学教室です。

学生たちにトロッコ問題を出しました。
暴走するトロッコの先には、5人の作業員がいます。進行方向を変えるレバーの前に立つあなた。レバーを引けば線路が切り替わり5人を救えますが、今度は切り替えた先にいる1人の作業員が犠牲になってしまいます。

あなたはレバーを引くのか?引かないのか?
「一人の命を守るか、五人の命を救うか」

私は、アホくさいお題をアイビーでやるもんだなぁと思いました。
お母さんとお父さんが崖から落ちそうなとき、どっち助ける?と話題にした小学生のレベルだなぁと。

複数の命を守るために1人が犠牲になって良いならば、数十万人の女性と子供の命を守るために原爆開発しようとするオッペンハイマーを殺すべきで、投下命令したトルーマン大統領を殺すべきで、さらに現代も続く市民虐殺に最終指示責任の為政者を殺すべきです。

まったくサンデル教授は都合がいいもんだと思いましたよ。
哲学の教義も、いかにもキリスト教文化の「選民白人正義」だと記憶してます。

アシュタールさんなら、ギフト泥棒にならないよう、レバーを触わる過干渉をしないのかも。
この世の戦争や災害に、
民事不介入ならぬ、神事不介入ですから


そんな問題より、リアリティある話題をネットで見ました。
部下「子供が熱を出したので早退して保育園向かいます」
上司「また?、そういうために産休がある君の奥さん何してんの?。早退した後、みんなまたかーって話してるよ。誰が穴埋めすると思ってんの?」

それに対して色々な声。
・パワハラで上司が処分される。
・頻度や線引きには事前にコンセンサスが必要。
・そういう理由なら喜んでフォローする。いや他の残業になる人もそれぞれ事情がある。
・問題なのは一人休んで支障があるギリギリで回してる会社。
・独身が不公平。
・休日返上でやるかノルマ2倍。
・きちんと有給申請をして休ませる。
・奥さんが行けばいいというのは女性差別。
・そうやって早退したのに家族で商業施設に居たのを見かけた事ある。かといって診断書を出せとは非現実的。

どれも理解できる意見です。
私はこのような状況の経験がないのですが、サンデル教授よりリアリティある良い問題です。
子供の病気を正義にしたら最上位になる時代です。
複数の社員の手間と1人の子供の世話のトロッコレバー選択です。


高次元の愛ある行動だと、どうするのでしょう。
代わりに頑張る?、いや自己犠牲が愛ではないですね。
子どもが病気で死ぬのはギフト?、いや社会人で言えません。
ルールを決める?、いや無限にあるケースを設定できない。
早退する部下の自由もあれば、拒否する上司の自由がある?、いや同僚の自由も十人十色あって収拾つかない。
何を選んでも打ち合わせ済みの共同創造の学び?、いやみんな機嫌が悪くなって低振動。

イエスだったら、ブッダだったら、高次元の存在だったら、サンデル教授だったらどう答えるのでしょう。
むしろ、普通の会社員の方が、この類いのケースに散々にあってるから、有効な答えがあるのかな?
でも温度もバラバラ。
やはり正義は人の数だけバラバラあるのでしょうか。

都合のいい講義をする教授なら、複数の社員の労働時間を守るために1人の我が子を犠牲にするのでしょう。



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