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第34回東京国際映画祭&東京フィルメックス【東京観光 1/3】

この記事では10/30 (土)~11/7(日)にかけて東京の映画祭に行ってきたので、その感想をまとめます。

近日に日本上映される映画も幾つかあるので参考にしてください!

概要


10/30~11/7にかけて東京の映画祭で有楽町・日比谷に行ってきました。
有楽町朝日ホール、TOHOシネマズシャンテ、角川シネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ有楽町の4箇所の映画館を縦横無尽に行った映画祭で、去年までの六本木の映画祭とは違った景色を見れて新鮮でした。




今年に入ってから、Twitterで多くのシネフィルをフォローしました。彼らの発信情報やスペースで情報収集をしていくうちに映画に対する貪欲さが元に戻ったのを今でも覚えています。

元々は東京国際映画祭で自分が気になる作品だけ見ようと思ったけど、東京フィルメックスの存在を知ったり…シネフィルが絶賛している作品が東京フィルメックスで見れたり…東京国際映画祭のMEMORIAが激戦区になるだろうという話を知れたり、チケット争奪戦に参加できたり…と色々な思い出を映画祭で残せました。

この記事では東京国際映画祭&東京フィルメックスの2本立てで観た映画たちを紹介していきます。作品によっては近日中に上映される映画もあるので、参考になれば幸いです。


↓去年の東京国際映画祭はこちら

直近で日本上映される映画たち

「偶然と想像」…12/17上映

「MEMORIA メモリア」…2022/3/4上映

「The Hand of God」…12/3上映&Netflix配信

「三度目の、正直」…2022年1月頃 

「春原さんのうた」…2022/1/8上映

「春原さんのうた」は今回の映画祭で見れなかった作品ですが、多くのシネフィルが絶賛していた作品なのでチェックするのもアリだと思います。

1本目:偶然と想像(12/17上映!)★★★★☆

ベルリン国際映画祭で銀熊賞、東京フィルメックスで観客賞を受賞した作品。

「ハッピーアワー」「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督の最新作で「偶然」を題材にした短編集です。

元々は彼の尊敬しているエリック・ロメールの監督の取り組みである短編を撮影するエピソードから着想を得た映画で、従来の映画に比べてのびのびと作られた作品と伺っています。

実際に観てみると、これが面白いし沢山笑いました!偶然起きた出来事をまとめた作品で、どこかアンジャッシュみを感じる作品も多くて前作「ドライブ・マイ・カー」のどっしりした作品とは打って変わってさっぱりと楽しめる映画かな。

これは多くの人に観てほしいし、自分も二回目を観たいと考えてます!


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2本目:時の解剖学★★★☆☆

東京フィルメックスで最優秀作品賞を受賞したタイ製アート映画。

一人の女性を赤ん坊から老婆までを様々な時間軸を行き来して捉えた「時間」を題材にしたアート映画で、不思議な映画でした。

途中に老婆が全裸になるシーンがあり、その身体をまじまじと眺めるシーンがあるけれども刻まれたシワや皮膚に「人生の様々な出来事」が刻まれている姿を捉えるのが本作の魅力かなと思います。

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3本目:見上げた空に何が見える?★★★★★


東京フィルメックスで学生審査員賞&最優秀作品賞のW受賞した作品。

大傑作でした!今回見た映画祭の作品の中でもTOP3に入る映画で一般上映して欲しいです!

ジョージアを舞台にした自然風景もさながら、全体的にカメラワークで捉えるメタ的な奇抜な演出が特徴的です。

けれども、そこに奇を衒う要素はあまり感じさせないラブロマンスとしての面白さと人間社会の普遍性が溶け込んだ凄く見応えのある作品でした。


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4本目:MEMORIA メモリア(2022/3/4上映!)★★★★★

カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した作品。

この映画は予告編の雰囲気といい完全にチケット争奪戦の激戦区でした。マジで粘着した末に席が全て埋まった時はショックでしたけど、たまたま席が空いた時は心の底からホッとしました(笑)

頭の中で爆発音がする女性が旅行に行った先で…な話。シネフィルでは有名なアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の最新作らしいが、予告編でも伝わるシャープでソリッドな画作り&音で「意識」を捉える実験映画の要素が強い面白い映画でした。

とはいえかなり難易度高い映画なのと、音で表現する映画は映画祭の喧騒とした雰囲気でやや相性悪めだったので二度目でじっくり見たいなーと考えてます。個人的に今回見た映画祭の作品の中でもTOP3に入る映画で、演出の面白い作品でした。


余談ですが、カンヌ国際映画祭でレッドカーペットを歩いているアピチャッポン監督+ティルダ・スウィントン+キャスト陣の姿が中々に豪華でカッコよかったです。ティルダ・スウィントンのドレス姿が超良い。



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5本目:The Hand of God(12/3上映&Netflix配信!)★★★☆☆

ヴェネツィア国際映画祭で審査員大賞を受賞した作品で、Netflixで配信予定の作品です。

「グレート・ビューティー/追憶のローマ」「LORO 欲望のイタリア」のパオロ・ソレンティーノの最新作で、映画祭の中では数少ない清涼剤のような作品でした。

何よりも撮影が豪華・綺麗で、この撮影の豪華さとティモシーみある主人公フィリッポ・スコッティの為だけに見ても良いレベルで面白い映画かな。

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6本目:永安鎮の物語集★★★★☆

映画製作チームが撮影準備のために湖南省にやって来たことから派生する群像劇。

たまたま飯食いに来た子持ち母、有名スターになった女優、苦労する脚本家…と様々な立場の人々が自由になりたいと躍進したが、、、な作品で思った以上にツボにはまった作品です(笑)

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7本目:市民★★★☆☆

カンヌ国際映画祭で勇気賞、東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞した作品。

麻薬カルテルの誘拐ものを題材にした映画で、撮影の難しさと母親役の不安げな演技や徐々に真相に近づくにつれて表情が変わる様が魅力的な一作でした。

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8本目:箱★★☆☆☆

父の遺骨を回収しにいった少年が帰り際に父そっくりの人物を見かけて…な話。

家族愛の境界を攻めた一作で、個人的にはそこまでハマらなかった作品でした。

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9本目:砂利道★★★☆☆

ある事情を抱えた兄とその家族たちのロードムービー。

どこか叙情的な作品の側面もあり、一方でクレヨンしんちゃん的なコミカルな側面もあるアンバランスさが逆に面白い作品でした。

弟役の天才子役っぷりが凄いので、それを見れたのは良かった。

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10本目:山崎バニラの活弁小絵巻2021★★★☆☆

山崎バニラ弁士が、サイレント映画に合わせ、大正琴やピアノの弾き語り活弁をする上映会。

「争闘阿修羅街」「ローレル&ハーディの山羊の失恋」「ローレル&ハーディのリバティ」の3本構成で鑑賞しました。

サイレント映画自体は見たことなくて、トーキー映画にないサイレント映画ならではの作家的な工夫を知れたり現代にも通じるギャグが面白くて不思議な体験が出来ました。

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11本目:三度目の、正直★★★☆☆

黒沢清「スパイの妻」、濱口竜介「ハッピーアワー」の脚本で共同参加された野原位の監督デビュー作。

BGMが良いけど、かなり文学的な作品でした。言ってる事は分かるんだけど…頭でっかちで固い作品て感じ。

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12本目:アヘドの膝★★★☆☆

カンヌ国際映画祭でMEMORIAに並ぶ審査員賞を受賞した作品。

国の規制/検閲に対して、監督が脳内でボコボコにしたりおちょくったりする作品でポスターの雰囲気とのギャップが凄い。なんというか違う意味でムッツリスケベな作品て感じがする。

この映画、見た後は割と不快になったけどシネフィルと話をしてみると狙ってやっている…とか審査員賞を受賞した所以にスパイク・リー審査委員長の作家性と近い…など、見た後に得た情報で評価が変動する面白い作品でした。


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13本目:クレーン・ランタン★★☆☆☆

東京国際映画祭で最優秀芸術貢献賞を受賞した作品。

予告編でも十二分に伝わるほど、1枚の絵に対する力の入れ具合が凄まじいアート映画の権化って感じがする。

この絵面を観たい人にとってはご褒美のような映画であるが、個人的には途中からお腹いっぱいになって飽きました(笑)


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14本目:ベネシアフレニア★★★☆☆

観光客を襲うホラー映画。こちらも東京映画祭の中で数少ない清涼剤のような作品でした。

スプラッター全開のいわゆるジャッロ映画にオマージュを捧げた作品で、仮面の造形もさながら「サスペリアPART2」ばりのサスペンス要素と出血大サービスが観てて楽しかった映画。


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15本目:ある詩人★★★★☆

東京国際映画祭で最優秀監督賞を受賞した作品。

上手くいかない詩人が過去の偉大な詩人と重ね合わせる話…で、これが良かった。

詩的な作品で硬派な作品ながらも、現実と夢が地続きする演出の妙に某オフ会0人YouTuberみたいな出来事・近所の家電コーナーのパソコンでネットサーフィンする子供みたいな演出が笑える映画で面白かった!

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16本目:ユニ★★★★☆

2022年のアカデミー賞国際長編映画賞のインドネシアの代表作品に選出された作品。

詩を紐解く過程と現地のお見合い結婚の辛さを重ね合わせた葛藤を描いた一作で、「自由」を独特なタッチで描いているのが見どころかな。

「自由」を空想で描いたり、「自由」が漠然とした10代らしさが共存していて現地の問題と対峙する演出が面白かったです。

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17本目:リンボ★★★★★

ある猟奇殺人事件を追う刑事と少女の話。

予告編でビンビンに伝わるフィルム・ノワール調が死ぬほどカッコいい!この映像を3時間くらい観続けたいくらいカッコよさがあるし、グロさも恐怖も凄い!

何よりもMUR閣下こと「イップ・マン序章」に登場する軍人役の池内博之さんの迫真の演技が良い味出しててめちゃくちゃ面白かったです!

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18本目:時代革命★★★★★

カンヌ国際映画祭でサプライズ上映され、金馬奨では最優秀ドキュメンタリー映画賞を受賞した異例の作品。実際に東京フィルメックスでも「特別上映A」という形で、直前までタイトルが伏せられた映画祭の中のダークホース的立ち位置の作品。

映画が終了した後の拍手喝采の熱量が半端なく、観終わった後にも泣いてる人もいた色んな意味で「意義のある映画」でした。香港の情勢を捉えた作品で、様々なリスクを負った「命がけの作品」でもあるしドキュメンタリー映画としての後世の妙と必死に伝える姿が十二分に伝わる凄さがあった。

余談だがこの映画が上映された影響も凄くて、ニュースではっきり色々言われたり各メディアで大々的に報道されるのも頷ける作品でした。



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19本目:メモリー・ボックス★★★☆☆

東京フィルメックスのクロージング作品。

レバノン内戦当時の母の青春を娘が追う話で、iPhoneで思い出を繋いだりパラパラ漫画みたいな演出が魅力的でした。

レバノン内戦時代の青春って、一見すると関係ないように見えてコロナの状況と似てて思った以上に共感してしまった。

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まとめ

2019年から東京の映画祭に参戦して、今回が3回目。長編18本+短編3本の計21本の映画を9日間で鑑賞する充実したひとときを過ごせました。

ここまで多くの映画を見たのは初めてですし映画祭を通じて多くの体験を得ました。

その一つがシネフィルと実際にお話出来た事です。とあるシネフィルと食事をする機会があり、そこで映画に関わる話を沢山できたのは本当に嬉しかったです。

IIDXでいうところのランカー・BPL選手級の人と話す機会は愛知では決してなかったので参考になる情報も数多く聞けました。

その一方で、映画に関わる知識がまだまだ足りないと実感し、シネフィルたちがフルマラソンしている「死ぬまでに観たい映画1001本」を走破したいと強く実感しました。

そんな体験を得た意味で、今回の東京映画祭は僕にとってかけがえない出来事でもあり大きな転換点になりました。

また来年も東京に参戦します。1本でも多くの名作を鑑賞し、技術を知り、巨匠の作家性を知って再び映画祭に参加出来るのを楽しみにしています。


To Be Continued…

今回は東京の映画祭に関わる内容をまとめました。

実は映画祭だけでなく、東京のあらゆる場所に行ったり多くの人達にも会ってきました。

次回は東京観光に関わる記事をまとめます。乞うご期待を

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