VTuberの詩
そこだけ鮮やかな
朱(あか)い絨毯(じゅうたん)を歩んでゆく
一面
蚕(かいこ)を口無しにした生き物の群れ
差し出された花束
色とりどりの色彩はどこへ?
演じるは不死身の織姫
あの薫り高い時じくの木の実を食べたの
切ない味のする綺麗事ばかり食べたの
ねえ
ほんとに笑ってる?
敷かれた屍(しかばね)を踏み越えていっても穢(けが)れたことにならない
訳知り顔の赤頭巾はそう言ってた
欲に塗(まみ)れて爛(ただ)れた膜は
丁寧に剥ぎ取っていきなさい
媼(おうな)のふりした狼はそう言ってた
ああ
嗤(わら)っちゃう
七日間が過ぎた空蝉(うつせみ)だらけ
神様から永遠の愛が許されても
天の川に阻まれ続けるのなら
もう堕ちていくしかないでしょ?
いつかどちらかが溺れてしまう前に
一緒に堕ちていくしかないでしょ?
潤い均(なら)す
エイリアス(訳:仮称・偽称)
それは誰かが描いた理想
透明な抜け殻に朱色を流し込む
染めてゆく
ほら御覧
生ける血潮が蘇(よみがえ)る
煌(きら)めく星の群れ
もう方舟なんかいらない
天の川も怖くない
ゾンビだなんて言わないで
たくさんブーケを頂戴
こっちを見て
愛しの星屑たち
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