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秘密結社Dの終焉①

秘密結社は秘密を外部に漏洩させないよう、相互監視することで成立する。
今だから話せるが、私は秘密結社DでMasterの任に就いていた。
大小様々な秘密結社があるが、Dの意義は秘密の共有そのものだった。

およそ30年前、MMAが黎明期と言われた時代、私達は真剣に悩んでいた。
耳にするのは虚飾の談。真偽を確認できる術もなく、Dであることをひた隠しにして、新たな虚飾を産むしかなかった。

新たなmemberは自分だけがDでないことを知ると、憑き物が取れた顔になる。私は他人事のように感心した。

Dが20名に達したときに新規を打ち切った。実務をNに預け、私は次のステージを見て説いた。
「共済こそが救いだ」

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