数宝照夫

図書館、宇宙、生物が好きな難病患者、いじめ被害経験者です。生きづらさ、気になる社会問題…

数宝照夫

図書館、宇宙、生物が好きな難病患者、いじめ被害経験者です。生きづらさ、気になる社会問題、好きな本・映画・音楽などについて執筆したいと思っています。愛読書は『銀河鉄道の夜』(宮沢賢治)。奈良市在住、1960年生まれ。 連絡先 hak72230@yahoo.co.jp

マガジン

  • 死と向き合うこと

    致命的なリスクのある病気をかかえながら考えたことなどを書き記します。

  • 平和に生きるということ

    戦争や集団的暴力が起きない世界を私たちはつくることができるのでしょうか。考えるための手がかりをさがしたいと思います。

  • 私たちの「生きづらさ」

    今、多くの人びとが死にたくなるほどの困難をかかえながら生きています。その背景にある時代、社会のありようなどを考えます。

  • 越境する人びとと共に

    迫害、戦乱、災害などから逃れて、あるいは新たな生きる場を求めて、国境を越えていく人びと。そうした人びとと出会うこと、共にあることについて考えます。

  • 生命、進化、地球、宇宙

    ヒトという生物を理解するためには、生命の歴史をさかのぼって探究する必要があります。そして、生命について理解することは、宇宙についての認識を深めることにつながるはずです。それにしても、まだまだ数多くの謎が残されています。

最近の記事

  • 固定された記事

心に残るもの、大切にしたいもの(その1)

 私にとって大切にしたいもの、心に残るものをいくつか紹介します。 ★本 『銀河鉄道の夜』 (宮沢賢治)  生きること死ぬことをめぐって、根源的な場所に立ち戻らせてくれる作品です。十代の後半でこの作品に出会えたのは幸いでした。 『歎異抄』 (親鸞・唯円)  自分の力ではどうすることもできないものを感じるとき、親鸞と対話したくなります。 『葉っぱのフレディ』 (レオ・バスカーリア作、童話屋)  深いところから穏やかな気持ちになれる絵本です。静かに朗読したくなります。 ★

    • 抗議の表現を圧殺、不条理の極み

       官公庁の掲示板などにステンシルの技法でイスラエルによるパレスチナガザ地区攻撃を非難するメッセージを描いた方が器物損壊、建造物損壊の容疑で逮捕、拘禁されました。イスラエルはこの数カ月、ミサイルや戦車などで子どもや女性を含む無辜の人びとを多数殺傷し、難民キャンプも含む多数の住宅を破壊してきました。この巨大な暴力に抗議するささやかな非暴力の営みが犯罪とされたのです。  巨大な戦争犯罪の責任者たちは裁かれない一方で、その戦争犯罪を告発する表現は弾圧される。人間社会の暗部を露出させた

      • We should protest against the genocide against Palestinian civilians by Israeli forces.

        Since October last year, Israeli forces have killed many civilians and destroyed homes and other civilian facilities in the Gaza Strip. Those responsible for the genocide should be tried in a fair trial. Furthermore, the safety of humanit

        • 死を意識してから考えたこと(まとめ)

           遺伝性の難病を原因とする致命的な症状が自分の体に現れたのが約4年前です。それ以来、死を意識することが多くなりました。自分の死を思うと、どうしてもネガティブな感情、「死にたくない」という気持ちが湧いてきます。それはどうしてだろうかと考えてみました。  死ぬということは、意識が永久に失われることであり、自分という存在が消滅することであり、一切の体験ができなくなることです。また、この世で手に入れたものをすべて失い、この世のすべてと永久に別れることです。確かに、こうしたことを思うと

        • 固定された記事

        心に残るもの、大切にしたいもの(その1)

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        • 死と向き合うこと
          9本
        • 平和に生きるということ
          24本
        • 私たちの「生きづらさ」
          13本
        • 越境する人びとと共に
          15本
        • 生命、進化、地球、宇宙
          13本
        • 読み継がれてほしい本、文学作品など
          13本

        記事

          心に残る歌詞をいくつか

          「青春は長い坂を登るようです 誰にもたどりつける先はわからない」                 (「青春の坂道」、中司愛子・松本隆)  ひとりで生きてゆくことに不安や困難を感じるようになる年ごろ。一緒に同じ道を歩んでくれる異性を求める思いをみずみずしく歌っています。 「春の木漏れ日の中で 君のやさしさに うもれていたぼくは 弱虫だったんだよね」                   (「ぼくたちの失敗」、森田童子)  思うようにならなかった恋の終わりが抒情的象徴的に歌わ

          心に残る歌詞をいくつか

          ロシア大統領選挙、抗議する人びと

           多大な犠牲者を出しながらウクライナ侵略を続けるプーチン政権。今回の大統領選挙でも政権を批判する候補者たちは不審な死に方をしたり、投獄されたり、立候補を禁止されたり、亡命をやむなくされたりしています。ウクライナのロシア占領地域では、選挙管理委員会が武装兵士とともに住民を戸別訪問して、プーチン候補に投票するように圧力をかけているとのことです。  国内では、多くの人びとが投票用紙に抗議のメッセージを記載して投票しました。「プーチンは人殺し」、「ウクライナに平和を、ロシアに日常生活

          ロシア大統領選挙、抗議する人びと

          円空仏に出会えた展覧会

           今日は職場の休暇を使って、私の好きな仏師円空の展覧会を訪れました。 円空は江戸時代に各地を放浪しながら、その土地で出会った木から、ひたすら仏像を彫り続けた方です。木の切れ端からも、そこに潜在している仏の姿を彫りだしています。その生き方や人柄に心惹かれる人物の一人です。  会場では円空が詠んだ和歌もいくつか紹介されていました。人びとを救うために少しでも多くの仏を彫りたいという思いが伝わってくる一首もありました。  鑿(のみ)の彫り跡がはっきり残る仏像を見ると、実物を見てよかっ

          円空仏に出会えた展覧会

          映画「香港の流れ者」

           薬物依存、ベトナム難民、身体障害ほかさまざまな事情があってホームレス(路上・野宿生活者)となって肩を寄せ合うように生きている人びと。ある日、行政当局がそうした人びとの持ち物を強引に奪い取ってしまいます。人びとは行政当局を相手に訴訟を提起しますが・・・。  人間の尊厳とは何かを問いかける作品です。  日本でも公共空間でささやかに暮らしている野宿者たちが行政権力によって強制的に排除され、その生存をおびやかされるという事案がこれまでにたくさん起きています。公園などのベンチの座面に

          映画「香港の流れ者」

          震災と災害救助隊

           能登半島地震、被災された方々への救助と支援が円滑に進むことを祈っているところです。大規模震災に備えて、迅速に現場に駆けつける専門的救助組織の創設、そして自動化ロボット化された救助システムの構築を望みます。南海トラフ地震と首都圏直下地震が今後数十年以内に発生する確率はかなり高いと推測されています。富士山が噴火する可能性も専門家から指摘されています。私の下記の記事もご参照ください。 ミサイルよりも災害救助ロボットを 国際救助隊が大活躍、「サンダーバード」の秘密と魅力

          震災と災害救助隊

          穏やかな気持ちで死を迎えるために

           生得的な難病を原因とする致命的な病変が自分の体に生じていることが判明してから三年以上過ぎました。その間、自分の死を意識することが多くなりました。  死は一回限りの、人生最後の体験です。そしてまた、全面的な別離と喪失の体験であるといえます。自分自身の死について考え始めると、無力感と悲嘆の感情がひたひたと胸のうちにたまってきます。  それにしても、これまでにこの世を去っていった人びとは何を思いながら最後の時を過ごしたのか気になります。では自分の場合はどうなのかということがいやお

          穏やかな気持ちで死を迎えるために

          贈与と返礼、小さな体験から

           最近、通勤途中の電車とバスの車内で他の乗客から席を譲ってもらうことがありました。私は高齢者と呼ばれる年齢ではありませんし、車内で立っていることに特に苦痛を感じているわけではありません。少し複雑な気持ちになりましたが、お礼の言葉は伝えました。  座席を譲るのはささやかな行為ですが、一種の贈与であると言えます。贈与を受けるとやはり何かしら返礼をしなければという思いが湧いてきます。ただ、その思いも日々の生活の中で薄れつつありました。  そして昨日、図書館からの帰りのバスで自宅近く

          贈与と返礼、小さな体験から

          健康のために意識していること

          こまめに体を動かす  長時間座り続けない、家事をする、すきま時間に簡単な体操をする、外出先では階段を利用するなど。 朝食をしっかり食べる  体内時計を調整するためにも役立ちます。 体を洗いすぎない  皮膚常在菌や皮脂をむやみに洗い流さないためです。ちなみに、若い頃から頭皮は固形石けんで洗っています。 休日は植物が多い場所にでかける  ヒトは豊かな自然環境の中で進化した生物です。 ゆっくり腹式呼吸をする  自律神経を安定させ、血圧を低めにコントロールするために役立ちます

          健康のために意識していること

          パレスチナ映画をいくつか

           今、イスラエルはパレスチナのガザ地区のライフラインを断ち切り、激しい空爆によって多くの人びとを殺傷しています。ただ、パレスチナ問題の歴史的背景や、当事者であるパレスチナ人がどのようなことを思いながらどのように生きているのかはそれほど知られていないと思います。パレスチナに生きる人びとを知るためにいくらかでも役立ちそうな映画をご紹介します。 「クレッシェンド ~音楽の架け橋~」  あるクラシック音楽の指揮者が、イスラエルとパレスチナの双方から若者を募ってオーケストラをつくりコ

          パレスチナ映画をいくつか

          軍事予算の倍増を計画中の日本政府。円安とインフレのため、購入予定の武器は高騰中。遠からず起きる南海トラフ地震には、高額兵器もほぼ無力です。この国はすでに千兆円を超える債務を背負っています。そして「国を守るため」と称しつつ、財政破綻という自滅への道を歩みつつあります。

          軍事予算の倍増を計画中の日本政府。円安とインフレのため、購入予定の武器は高騰中。遠からず起きる南海トラフ地震には、高額兵器もほぼ無力です。この国はすでに千兆円を超える債務を背負っています。そして「国を守るため」と称しつつ、財政破綻という自滅への道を歩みつつあります。

          「私たちはただ生きたいのです」。ドキュメンタリー映画「ガザ~素顔の日常~」。各地の劇場で緊急上映が予定されています。DVDも発売予定。「天井のない監獄」と呼ばれる困難な状況下でも前向きに生きようとする人びとのリアルな生活、生き方を撮影しています。

          「私たちはただ生きたいのです」。ドキュメンタリー映画「ガザ~素顔の日常~」。各地の劇場で緊急上映が予定されています。DVDも発売予定。「天井のない監獄」と呼ばれる困難な状況下でも前向きに生きようとする人びとのリアルな生活、生き方を撮影しています。

          あらためて、スラエルによるガザ攻撃に抗議します。複数の民族の共生共存を目指す根気強い取り組みが解決への道だと思います。ただし、イスラエルのパレスチナに対する侵略的ふるまいの歴史、そしてイスラエルとパレスチナの間の力関係における圧倒的な非対称性は前提としておく必要があるでしょう。

          あらためて、スラエルによるガザ攻撃に抗議します。複数の民族の共生共存を目指す根気強い取り組みが解決への道だと思います。ただし、イスラエルのパレスチナに対する侵略的ふるまいの歴史、そしてイスラエルとパレスチナの間の力関係における圧倒的な非対称性は前提としておく必要があるでしょう。