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男子高校生に栄養療法やってみた②

カフェでの詰問から
さかのぼることその2か月ほど前

真夏のある午後、私たちは庭でバーベキューを楽しんでいました


もし私が高校生男子だったら
バーベキューなんか言われた日には
前の日からおなかいっぱいお肉を食べられることをイメトレして
エアもぐもぐして
ニヤニヤが止まらないことでしょうが

例の男子高校生は
いつまでたっても部屋から出てきません

夏休みですっかり昼夜逆転し
布団の中で目が覚めればゲームをし
眠くなったら寝るという生活に
堕ちきっていました

肉の香りが窓から漂ってこようが
びくともしません

たまりかねた彼のお母さんが
部屋に呼び行くと
しぶしぶ眠い顔で降りてきて

無言で数枚肉を食べ

また部屋へと帰っていきました


ちょ・・・まっ・・・!!


肉を食べないのはまぁええわ。
「いただきます」とかないスタイル?
「ごちそうさま」もないスタイル?
いやいや?そもそも?
タープ立てたり火起こしたり?
肉焼いたり?
片付けたり?

健全な男子高校生がそういう・・・

いや、すでに健全じゃないからしゃーない的な?
もうやだ混乱。


はぁ。この子、栄養で変われるのになぁ・・・



私の中のおせっかいメーターがむずむず上がり、



「いやいや、人の子!やめとき!」という心の声も
悲しいことに届きません


その場にいたお母さんにこっそり聞きました

「話、してきていいですか?」

お母さんは、多分その声を待っていたようでした
「うん!おねがい!行ってきて!!私も行く!!」と
二人で部屋へ上がりました



「ちょっといい?」という声に
驚く高校生男子

ばつが悪そうに身体を起こします

私はちょっと緊張しながら
(えーっと、こういう時は気持ちを聞くことが大事!)と
「あぁぁぁのさ、あの、ほら、なんか困ってることとか、あの、ない?」

おい、さっきまでの鼻息はどうした

「ないです」


終了。


いやいや、あかんあかん。

プランB。
話を聞く前に自分を開示しなきゃと
思いなおし
「いや、あのね。ちょっと、時間頂戴ね、話させてね」と前置きをして

私が教師の仕事をやめたことや
なぜやめたのか
身体に起こったこと
ほぼ毎日寝込んでいたこと
自分ってダメなやつと思ったこと
でも栄養で良くなったこと
栄養に可能性があること
身体に可能性があること
あなたに可能性があること

について話しました

話し始めたとき
本当にウザそうな顔をしていたのが
少しずつ眉が下がり
一点を見つめ
話に耳を傾けてくれました

最後には普段目の合わない子ですが
じっと私の目を見ていました


そう、栄養って
その人の可能性を最大限に
引き出してくれるのです

私がその時彼に伝えたかったのは
「ちゃんとしたいって、本当は思ってるの、わかってるよ。」
ということ。

自分がダメなことくらい
わかってる

だけどどうしていいのかわからない
叱られることにも慣れた

そこで「やる気を出せ」とか
「ちゃんと朝起きなさい」とか言われても

耳タコ案件なんです

だから
やる気の材料はホルモンで、
そのホルモンは
たんぱく質とか鉄、ビタミンB群などなどがないと
作られないことや

そもそもストレスや自律神経の乱れで
胃酸が出ていなくて
消化できていなかったら
大事な栄養素を
食べていても吸収できないこと

そんな栄養の仕組みを聞くと
「おれの可能性」が
急にリアリティを帯びてくるのです


うん、うまくいったかも!
顔つきの変わった彼に
嬉しくなりました

「じゃぁ、食事のこと考えてみる?」

「はい、わかりました」


**********


時間は戻って2か月後のカフェ

あれ?あまり状況は変わっていませんね。

はい、そんな簡単な話ではないのです
一体、何話でこの話終わるのか。


もうしばらく、お付き合いください。

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