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ドラマ劔 その6 ウチカレ夢想
親が毒親になる前はいったい何者だったか、そして、そんな親を早いとこ厄介払いしたいと思わない子はいったい……
「ウチの娘は、彼氏が出来ない‼」喪失の物語かと密かに目論んでいたが、どうやらそれは勘違いで、何も失うことなく、ドラマは円満に終息した。
誰もが少しずつ何かを手に入れ、生きてゆこうと確かに心に誓う。
その(誰も大切なものを手放さなかった)代償は、捨てること、親を、子を、いずれ来るその
ドラマ劔 その4 歌の化身、ウィル・ユー・ダンス?
静かに夜の篝火を流れるあの歌、ゆらめく炎は人の隠された表情を時折照らし、闇の彼方にそっと帰す。
ジャニス・イアンの「Will You Dance?」、美しい旋律に乗せて歌われるのは、人生の悔恨か、悲哀か、振り回されてばかりで、自分を見失っていた、それでもふたり、朝まで踊りましょうと。ふたりで美しい朝を迎えるために。
1977年は、あまりに懐かしい、過ぎ去った時代と言うには。わずかばかりの喜び
ドラマ劔 その2 にじいろカルテ 幻想
「雨が降らないと虹は出ない。」
人は、なぜ、物語を、ドラマを求めるのだろう。
「にじいろカルテ」は、閉じられた村というひとつの社会で、開かれた関係を作る、その見果てぬ夢を雨上がりの虹のように描いたドラマだ。
病気になって初めて健康であることの意味を知る、年老いて初めて若さの意味に気付くように、閉ざされることでしか開かない鍵、扉もあるのかもしれない。この孤独な星が、閉ざされた大気圏の中で、