英国ONS(国家統計局)のワクチン接種回数別死亡率データについての補足
前回の記事で英国ONS(国家統計局)のデータから、ワクチン接種回数、年齢層別の死亡率をグラフ化しました。
いろいろと気になる点はあるのですが、元データについてONSのサイトに補足情報のようなものが載っていましたので、今回の記事で取り上げ、軽く所感を記しておこうと思います。
なお、前回の記事は以下です。
◆あらためて気になる点を整理
前回のグラフをコピペします。
・全死因死亡率:18-39歳
・全死因死亡率:50-59歳
・全死因死亡率:70-79歳
特に気になったのは大きく以下の3点。
ただし、No.3についてはなんとなくわからなくもないです。
若者の4回目接種のリスクが明らかに高い。
高齢者の2,3回接種の半年以上経過後のリスクが高い。
全年齢層での1回接種のリスクが全体として高い。
さて、これらはONSによりなんらかの説明がされているのか。
◆ONSの補足
ONSの補足情報のようなものは以下のリンクにありました。
一部引用します。
◆所感
対象のデータシートはコロナ死の統計を含んでいるため、内容としては概ねワクチン効果アピールとなっています。
確かにコロナへの効果は一部のデータで確認出来ました。
(精査は出来ていません。)
しかし、接種から期間が経過した後の全死因死亡率が上がっているように見える点についてはあまり言及されていません。以下の箇所で軽く触れてるくらいか。
この『交絡因子』が何なのかが知りたかったのですが具体的には説明されていません。
追加接種を止めた集団のリスクが高い、ということはなんとなく認めている感じですが、その理由の説明が欲しいところ。
◇◇◇
4回目の接種については『臨床的に弱い立場にあるものに優先接種されたため死亡率が高い』と言っているように読めます。
元データのエクセルで確認したところ、たしかにその可能性はあります。
以下は<18-39>の4回目接種のみを抽出したもの。
上を見ると<18-39>の4回目接種者は2022.9月まで5千人未満で、10月から大きく増えていったことが確認出来ます。
憶測ですが『高リスク者に優先したであろう9月までが特に死亡率が高かった』という見方は割と納得出来ます。
その他の年齢層においても同様のワクチン接種戦略だったのかもしれません。
◆おわりに
ということで、私の懸念事項については若干釈然としない感じが残る。
なお、引用部で書かれていた『ワクチン接種がコロナ死のリスクを減らしている』といった部分については、詳細まで確認していませんが概ね正しいのだと思います。書かれた条件においては。
しかし、高齢者における長期的な影響(期間が経つと悪影響に変わってる?)については詳しい説明が欲しいところです。
[2024.01.12 追記]
続編記事にて、今回釈然としなかった『交絡因子の影響』について考えてみました。
よろしければどうぞ。
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