未接種者にとってもコロナは『ただの風邪』ではなかった。たぶん。
ちょっと前の記事で英国ONS(国家統計局)のデータを取り上げました。
上の記事で取り上げた元データからは様々な憶測が可能ですが、今回私が考えたのはタイトルのようなこと。
よく『コロナはただの風邪』という主張を見ますが、データを見る限りそうではなかったのでは?ということです。
◆全死因死亡率の推移(再掲)
あらためてグラフをコピペします。
英国の年齢層、ワクチン接種回数別、全死因死亡率の推移です。
・全死因死亡率:18-39歳
・全死因死亡率:50-59歳
・全死因死亡率:70-79歳
◆死亡率の推移
未接種者の死亡率に着目してみます。
ちなみに、上のグラフは開始が2021.Aprilなのですが、それがどのような時期なのかは以下参考。
◇◇◇
2020-2021の年またぎの感染波はアルファ株(イギリス株)と呼ばれていた変異株によるもので、イギリスではこの被害が最も大きかったようですね。死亡率で考えると。
先に引用したグラフは、そのアルファ株の感染波が終わったくらいからのものです。
◇◇◇
で、未接種者の死亡率推移は全体として見れば低下傾向となっています。
他の接種グループと比較し、おおまかには同じ傾向かと思います。
その事実から『未接種者にとってもコロナはただの風邪ではなかった』と考えます。
◆コロナはただの風邪ではなかった
コロナ被害の尺度は色々あると思いますが、私は『全死因』で量るのが妥当ではないかと考えています。
新型コロナは感染後に様々な疾患を憎悪させる可能性が明らかになっているためです。PCR陽性が条件になっているであろう『コロナ死』『関連死』で、その実態は量れません。
そして、未接種者の全死因死亡率の推移(明らかな低下)はワクチンの影響を受けていない為わかりやすいものだと思います。
◇◇◇
2021.April以降の全死因死亡率は、デルタ株をピークにして徐々に落ちています。(アルファ株の際はもっと被害は大きかったでしょう。)
最新データとの落差はどの年齢層でも結構大きく、それがコロナの影響による超過死亡を示すものだと推測します。
仮にコロナがただの風邪だったら、未接種者の全死因死亡率は2021.April以降ずっと平坦で低い水準だったはずです。
しかし、そうなっていません。
◆交絡因子の影響
ということで、データは『未接種者にとってもコロナはただの風邪ではなかった』と示しているように見えます。
ただし、その仮説は他の要因を無視した場合の話です。
影響した要因は以下のようなものが考えられるかもしれません。
社会的な行動変容
医療対応の遅れ
メンタルヘルス
その他(不明)
これらがどれだけ『未接種者の全死因死亡率』に影響していたのか。
そこまで分析できれば説得力が増します。(私には無理)
ただし、接種者にも同じように影響したでしょうから『未接種者にとって(のみ)はただの風邪』という仮説のためには異なる理由が必要になってくるでしょう。
◆おわりに
ちなみに、タイトルは『ただの風邪ではなかった』と過去形にしましたが、現在はどうなっているのか。
『ただの風邪』に近づいているのかといえば、そうなのかもしれません。
少なくとも私が懸念していたような『再感染により被害が累積して大きくなっていく』という感じではなさそうです。その点では一安心ですし、認識は微調整したいところ。
しかしそれはイギリスの全死因死亡率という観点で見た場合ですし、下落トレンドは続いているので超過死亡は続いていると推測出来そうです。
そして、日本の場合はどうなのか?
死亡以外の影響はどうなのか?
詳しい方の分析が欲しいですね。
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