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青森② : 文化的で健康的な青森 | 旅行記

7日目。
明日東京へ帰るため、夜まで滞在できるのは今日で最後です。早すぎる。

朝、9時に青森魚菜センターへ。今日も朝から30度を超える暑さです。
魚菜センターは、市場のようなところ。チケットを先に買って、お店で気になったものと交換します。それらを組み合わせたものがこちら。

鮪(大トロ、中トロ、赤身)・帆立・雲丹など

そう、のっけ丼です!
なにを選んだか思い出せないほどネタが大量です。チケットが2000円なので、お得感が凄い。魚屋さんが出しているので、どれも新鮮で美味しいです。青森に泊まる時は、いつも朝食をこちらで食べています。

近くから出ているバスに乗り、少し移動。

県立美術館・青森駅からバスで20分ほど

青森県立美術館!
凄まじい広さの敷地、内外が白で統一された建物。見応えがあります。
企画展がこちら。

生誕120年 棟方志功展

青森出身の版画家、棟方志功の展示です。
なんと、ほぼすべての展示品が撮影OKとのこと。ご遺族の意向だそうで。有難い…

「二菩薩釈迦十大弟子」1939年
様々な本の挿絵を担当
「谷崎歌々版画柵」1956年

正直、棟方志功の作品はその力強い表現ゆえに少し苦手意識があり、今まで避けてきたのですが。今回、じっくりと見て説明も読んで、興味深い点がいくつもありました。

郵便葉書「貯蓄」1944年

太平洋戦争に突入していた当時、棟方志功は戦地に赴く若者たちへ日本浪漫派の書物や、士気高揚のために海軍に献納する不動明王図を大量に書いていたそう。

谷崎潤一郎「鍵」1956年

棟方志功を一躍有名にしたのは、1956年に「中央公論」に連載された谷崎潤一郎の小説「鍵」でした。挿絵として制作した59柵からは、細やかな点や線、鋭い彫り込みなどの高度な技術を感じます。

様々な本や雑誌、菓子の包装や袋、広場の壁画などで棟方志功の版画が古くから活躍してきたとのこと。

美術館で見るしかできなかった絵が、より人々の生活により近いところで簡単に触れられるようになっていったことは、現代に繋がる大きな変化だなと思いました。

さて、企画展以外にも見どころがあります。
私がこの美術館に絶対に来たかった理由、それがこちら。

シャガール「アレコ」1942年
891.5 × 1472.5cm

マルク・シャガールによるバレエ「アレコ」のための背景画です。第1幕から第4幕の4枚が壁の4面に展示され、すべてをぐるりと見られるようになっています。

これらは現ベラルーシのユダヤ人家庭に生まれたシャガールが、ナチスの迫害から逃げるため亡命していた米国でバレエシアターからの依頼で制作したもの。それぞれのストーリーに沿った絵となっています。

左から1幕、4幕、3幕

大きさ、迫力、色合いの複雑さ、表現の巧みさ、なにをとっても嘆息してしまうこの大作。何度観ても込み上げるものがあります。何時間でもこの空間にいたくなってしまう。ここに住みたい。

美術館の展示を見終え、まだバスまでの時間もあったので隣(といっても徒歩10分ほど)の三内丸山遺跡へ。

大型竪穴建物(復元)の内部

短時間だったので少ししか見ることはできませんでしたが、あまり興味のない分野なぶん面白かった!大型竪穴建物の中はひんやりとしていて心地よく、藁の香ばしい匂いがしました。

青森駅に戻り、カフェ「シュトラウス」でひと休み。ここに、どうしても来たかった。青森で1番大好きなお店です。

階段からもう素敵…

こちらのオーナーは、オーストリアで修行した後に国家試験を経て日本人で取得例の少ないマイスターの資格を取り、帰国後にお店をオープンしたそう。店内の豪華で美しい調度品、厳選された本格的なメニュー…。居心地のよい特別な空間です。

本格的なサロン。グランドピアノもあります
名物はもちろんザッハートルテ

店員さんに「ザッハートルテがあと2つで終わりです」と伝えられ、慌てて注文。ふわふわのミルクの泡が浮かんだロイヤルミルクティー、泡と生クリームが乗ったコーヒー。

ゆったりとした時間が流れる店内で優雅な気持ちでいただきます。こちらに訪れるのは4年ぶり、紅茶もケーキも変わらぬ美味しさ。
明日も来よう…!

夕方、少し時間が余ったので温泉へ。

ゆっくり汗が流せる、地元の人で賑わう温泉です。休憩所や食堂、理容室まで備えており、宿泊も可能。移動が多く疲れた体を癒し、そろそろ夕食へ。

今回の旅行での最後の夕食は、こちらのイタリアン。

こちらのお店も4年ぶり。懐かしいなあ…!

店内中央に設えられているワインセラー

メニューはこちら。(聞き取ったものを簡単にメモしたものです)

本日のおすすめコースA

いくつか、特に美味しかったものをご紹介。

鮎と水茄子と紫蘇の包揚げ
菊の花のマリネ 肝ソース

突き出しでした。揚げたての春巻きの皮に包まれたジューシーな鮎と旨味・苦味が凝縮された肝ソース、酸を感じる菊のマリネの相性が良い…!

甘鯛の鱗焼き
ムラサキウニと自家製カラスミ

ぱりっぱりに焼かれた甘鯛に、たっぷりと生のムラサキウニが乗っています。その上から、こちらもたっぷりと振りかけられたカラスミ。ウニの味と冷たさが主張しすぎるのではと思いましたが、甘鯛のしっかりとした旨みと香ばしさに、控えめなウニが邪魔せずソースのように合い、カラスミの塩気でまとめられていました。

嶽きみのカッペリッテ
ウォッシュチーズとピスタチオのソース

これは、どのテーブルからも歓声が上がっていた1品。ラビオリのようなパスタです。口に入れた瞬間に広がるウォッシュチーズの癖のある香りと濃厚な味、もちもちとした生地を噛み締めると中から果物のようなとうもろこしの甘みが。味の変化が面白く、何個でも食べたい!と思ってしまうものでした。

十和田の短角牛のビステッカ

メインは、短角牛の赤身を岩塩でいただきます。付け合せもソースもないシンプルなお肉は、噛みごたえがしっかりとあり、噛むたびに旨みが出てきます。外側の香ばしさが口の中にあふれて、たまりません。

久々の訪問でしたが、変わらず美味しかったです。どのメニューにも青森や東北のものが使われていてこだわりを感じました。旅行で来ている身なので、その土地のものを食べられるのは本当に嬉しい!

明日で旅行は終わり。
寂しい気持ちと、日常に戻ることへの少しの安堵感を抱えて今日は休みます。
たくさん学んでたくさん歩いて、たくさん食べた1日。ゆっくり眠れそうです。

8日目↓↓↓

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